【ロワール:10】ロワールトップクラスの生産者が作るソーミュールとプイィフュメ。

こんにちは、HKOです。
本日はロワールのセントルニヴェルネ最上級のバロン ド エルと、ソーミュールのクロルジャールの白を利きます。


【データ】
クロ ルジャールは1664年に設立された世界最高峰のカベルネフランを作り出すソーミュールシャンピニーの生産者。現在はシャルリー フコー、ナディ フコーが指揮を取っています。
樹齢は40年~45年。栽培はビオディナミで行われており、収量は春の芽掻きや冬場の摘芽により最大限にまで抑えられています。(なんと30hl/ha。低収量主流のローヌに劣らない低収量!)、そして収穫は手摘みのみ。
今回のブレゼはシュナンブラン100%の白ワイン。
畑は南向きの斜面に広がり、日照に優れ石灰質が強く通気性の優れた粘土に火打ち石が混ざる土壌。
収穫量は40hl/haで、樹齢40~50年のシュナン ブランを使用。自然酵母にて木樽で発酵、木樽は新樽を2割から3割使用し、残りは1年及び2年樽を使用。熟成は発酵で使用した樽をそのまま用い約2年行います。発酵・熟成中は亜硫酸の添加をせず、ノンフィルタにて瓶詰めされます。

ドゥ ラドゥセットはシャトー ドュ ノゼに端を発するプイィフュメの老舗生産者。現当主はパトリック ドゥ ラドゥセット氏。
現在はプイィフュメの最も高台の地、サン タンドランを中心に100ha以上の畑を所有しています。
フラッグシップのバロン ド エルはサン タンドランの中でも最も立地が良いとされるル デゼールの樹齢40年以上の古木から造られるキュヴェ。土壌は火打石から成る泥土と貝殻から成る石灰岩層上にあるキンメリジャンの泥灰土。ファーストプレスの果汁のみを使用し、澱を沈殿させるため48時間静置。ガラスでコーティングされたステンレスタンクで14度以下の温度で発酵し、8ヶ月間酵母と共に熟成させ、さらに15ヶ月以上澱と共に貯蔵。


【テイスティングコメント】
生産者: クロ ルジャール
銘柄: ソーミュール ブラン レ ブレゼ 2008
品種: シュナンブラン100%

約8000円、WA92pt(2007)
外観は濃い黄金色、粘性は高い。
ヴィンテージに対して恐ろしい程熟成が進んでおり、いわゆるシャルドネの2次ピークに近い様な素晴らしい香りを醸し出している。
ミネラル感がありながら、ブランデーやカラメルの様なビターなアロマや、黒砂糖の様な風味も感じられる。白カビ、バターなどのミルク的な要素、そしてヘーゼルナッツなどの風味もある。濡れた木材、またドライフルーツやアンズの様な味わいが感じられる。非常に複雑な味わい。
旨味はしっかりと感じられ、口の中に強いアタックを感じられるが、中域の中抜け感がかなりある。
酸を失っているからか、あまり厚みを感じる事が出来ない。ただアプリコットや濡れた木材のアロマが口の中に広がっていくのは中々いいと思います。


生産者: ラドゥセット
銘柄: プイィ フュメ バロン ド エル 2009
品種: ソーヴィニヨンブラン100%

約13000円、WA91pt(2008)
外観は少し緑を帯びたイエローで粘性は中庸。
硬いミネラル感と燻香を帯びたプイィフュメで、香りの鮮明さは極めて高い。
火打石やわずかに燻したような燻製香、パイナップル、シトラスなどの爽やかな果実味がある。いわゆるソーヴィニヨンブラン的なフォキシーフレーバーは控えめ。ローストナッツ、フレッシュハーブ、白い花の様な清涼感のあるアロマが感じられる。
全体的にハーブや燻製香、果実味が強い様に感じられる。酸はフレッシュで滑らか。過剰な突出はなく、比較的強いボディがある。シトラスやライムのような含み香、燻した香りが口の中に広がっていく。
爽やかだが、なかなかボディは強く厚みがある。


【所感】
まず高騰著しいクロルジャールから。
クロルジャールといえばやはりカベルネフランから生み出されるシュヴァルブランとも比較される強烈なソーミュール シャンピニー。今回は同じくソーミュールから作られるシュナンブランです。
まず特徴的なのは、おおよそ2008年、7年熟成とは思えないほどの熟成感でしょうかを1990年代前半のシャンパーニュを思わせる香ばしくも滑らかで甘露な香り。いわゆるマロラクティック発酵をしっかりとかけて減酸したタイプの味わいが熟成した時のブランデー、カラメル、黒砂糖の様なアロマが特徴的です。樽と果実味と酸が馴染んだ香りといいますか、そんな滑らかな香りを既に感じられます。かなり酸化的な措置をしているんじゃなかろうかと思います。
ただ馴染んではいるものの、少し気になるのは口に含んだ時の中抜け感です。何回か出くわすことがあって、例えばルシアン ル モワンヌの2011ラベイ ド モルジョ、アンリジローのコトーシャンプノワなど、比較的豊満に作る生産者で出くわす事も多いです。
あまり酸が無い年に減酸して、結果として旨味成分の骨格となる酸まで減退させている印象です。旨味成分自体は乳酸から作られるものなのですが、旨味に転化する前に終わっちゃってる感じ。少し勿体無いですね。
次にラドゥセットのバロン ド エル。
これは素晴らしいプイィフュメだと思います。
プイィフュメといえばディディエダグノーが最上の生産者とされますが、少し異質というか、プイィフュメから逸脱したものがあると思っています。
対してラドゥセットのそれはプイィフュメの王道を確実に抑えながら、その中での最上級の品質を実現していると思います。フレッシュなソーヴィニヨンブランの果実味、ただ青いフォキシーフレーバーは感じさせず、硬いミネラル感と燻した様なスモーキーな香り、白い花やフレッシュハーブのアロマが漂います。
プイィフュメの枠内で語れる範囲で最大限の複雑さとミネラルを感じさせてくれます。
凝縮した感じもありますし、酸と香り、含み香のバランスがとても良い。素晴らしいワインだと思います。
...しかし気になったのが、この特徴的な燻香がどこから出ているのか...です。
製造は基本ステンレスタンクで樽香が介在する部分は見受けられないのですが、これは一体...。
やはり酵母でしょうか。今後の参考のためにちょっとプロの人に聞いてみたいですね。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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