【シャンパーニュ:54】Jacquesson 2015 New Release Tasting #2(Terroir"Daizy")


こんにちは、HKOです。
本日は更に6種のうち2種類。ジャクソン自社畑から作られるデイジーのロゼとブラン ド ブランです。
しかしこのロゼ...ものすごく真っ赤だなー。
シャンパーニュの淡いロゼを見慣れてると違和感...


【データ】
ジャクソンはデイジーに200年以上前に設立された老舗シャンパンメゾン。ジョセフ・クリュッグは、創業前、ジャクソンのセラーで修行をした後、自身のメゾンを設立したという歴史もあります。
全量の80%はアイ、アヴィズ、オワリー、オーヴィレイ、デイジーに所有する自社畑から、20%は醸造所近くの栽培家から葡萄の状態で調達しています。
鋤起こしや除草、摘葉は手作業で行い、収量を制限、リュット レゾネを実践しています。
現在では珍しい旧式の垂直プレス機を使用し、梗や種から不快なタンニンを抽出しない様により丁寧に圧搾される。自社シャンパーニュの為に使用するマストは一番搾りのみで、プルミエタイユは他のネゴシアンに売ってしまう。オーク樽(500Lのドミミュイ)で醸造。リザーブワインもドミミュイで保管。その後重力を利用したデブルバージュを実施。3~4ヶ月の発酵の後シュールリー長期間寝かせる。濾過はしない。
その後瓶内二次発酵を実施する。ポートフォリオはNo700番台とリューディ。
700番台は生産年の個性を生かしたNV、リューディは土地の個性を生かしたヴィンテージシャンパーニュ。
ただ基本的に700番台の品質を落としてヴィンテージは作らず、700番台の品質を担保した上作られるもので、醸造的な手の掛け方はほぼ変わりません。
キュヴェ738は2010年をベースに、リザーブワインは33%使用、概ね3年半~4年半の瓶熟成。
キュヴェ734 デコルジュマン タルディフは2006年をベースにリザーブワインは27%使用、7年の瓶内熟成。
デイジー コルヌ バートレイは南西向き急斜面上部のチョーク岩と硅質岩の小石が混じる粘土質土壌の畑、樹齢55年、生産本数5000本。
アヴィーズ シャンカンは真南向き斜面下にあるチョーク岩と粘土石灰質+石灰岩の砂利の混じる土壌の畑、樹齢53年、生産本数9500本。
アイ ヴォーゼル テルムは真南向き急斜面中腹部のチョーク岩と石灰質の沖積土壌の畑、樹齢35年、生産本数2300本。
デイジー テール ルージュは東向き緩斜面にあるチョーク岩と褐色石灰質土壌の畑。樽発酵後、10カ月間シュール・リーにて樽熟成。50%セニエ式。ドザージュ3.5g/L。樹齢22年、生産本数8700本



【テイスティングコメント】
生産者: ジャクソン
銘柄: デイジー コルヌ ボートレイ エクストラブリュット2005
品種: シャルドネ100%

約32000円
淡いイエローで粘性は中庸。
リューディーの中で最も落ち着きがあり、繊細かつクリーミー。
果実味主体のアヴィズに対して、やや(ドライな)バターのニュアンスが強め。全体的には甘く、滑らかでクリーミーな香りだが、果実味的には青りんごやシトラスな鋭角なフルーツを想起、フレッシュハーブやローストナッツ、杏仁豆腐、白い花や蜜の様な風味がある。徐々に旨味が現れてくるが、基本的には緻密で継ぎ目のないクリームの香りが全面を占める。最終的には溶かした上白糖の様な香りに。
最も力強い酸があり、レモンや青りんごの様な引き締まったシャープな酸が感じられる。目は細かいがギュッと引き締まっている。


生産者: ジャクソン
銘柄: デイジー レ テール ルージュ ロゼ エクストラブリュット 2008
品種: ピノノワール100%

約28000円
淡めのピノノワールの様な色調、粘性は中庸。
味わいも殆どピノノワール的で赤ワインの方程式で語れる味わいだと思う。少しシャンボールミュジニーの様な繊細さと黒砂糖を思わせる香り。
フランボワーズやアメリカンチェリー、徐々に摩り下ろしリンゴの様な果実味に遷移。華やかなスミレや柔らかいがしっかりとしたミネラル感とバターの様な要素がある。ベーコンや茎の様な要素、フレッシュハーブ、ほのかにナッツや花の蜜の様な甘い香りが徐々に漂い始める。トーストの様な香りも。
強い旨味と酸味は充実、ピノにしては少しシャープな酸で、スミレや、ほのかに赤ワイン的な鉄を感じさせる余韻が残る。


【所感】
コルヌ ボートレイはチョーク、硅質岩の小石、粘土質。デイジーはチョーク、褐色石灰土壌と。
なるほど、たしかにシャルドネとピノノワール、それぞれに合致する土壌の様な気がする。(※ちなみに前ヴィンテージのテールルージュはムニエが大部分だったそう)
所感としてはBdBはアヴィーズと比べるとやっぱり力不足感がありますね、ただ裏を返せば繊細で、醸造的な要素が少し目立っています。テール ルージュは色を差し置いても、もう殆ど赤としてのピノノワールの特徴が完全に表出しています。そりゃそうですか。これだけ色付いてるわけですからね。
以下詳細です。
まずはテール ルージュ。
ロゼとしては赤としての作られたピノノワールの特徴を最も表していると思います。受けた印象はシャンボールミュジニー的な感じ。
赤系の小果実と摩り下ろした林檎の様な旨味たっぷりの果実味、そしてスミレやベーコン、トーストの様な香りが感じられます。
色調にも現れている様に果皮の香りがしっかりと抽出されており、樽とそれらの要素が結合し、ロゼとしては厚みがあり、豪華で華やかな印象を受けます。
酸はシャンパーニュらしくシャープで、林檎の含み香の中に、ほのかに鉄の様な香りがあるのか面白いですね。すごく赤らしい。よく出来ていると思います。
次にコルヌ ボートレイ。
アヴィーズやアイと比較するとバターやナッツの香りが際立って感じます。
全体的に滑らかでクリーミー。醸造的な要素がかなり前に出ていますが、決して果実味に不足点はありません。柑橘系のシャープな酸はありますが、少しずつ上白糖の様な甘やかさが現れてきます。
勿論果実味やブドウ自体が強い訳ではないのですが、まさに醸造的、人為的な力でアヴィーズやアイなどのグランクリュと大きな差分のないバランスの良いワインが作られていると思います。

よってデイジーは生産者の技量を素直に受け止める繊細さと複雑さを持ったテロワールなのではないかと。アヴィーズやアイの様に迫り来る様な個性はないですが、技量によってはジャクソンの様に素晴らしいシャンパーニュができるのではないかと思います。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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