【シャンパーニュ:55】Jacquesson 2015 New Release Tasting #3(Terroir"Avize, Aÿ")



こんにちは、HKOです。
最後はグランクリュであるアイのブラン ド ノワール、そしてアヴィーズのブラン ド ブランの2種類です。いわゆるフラッグシップです。


【データ】
ジャクソンはデイジーに200年以上前に設立された老舗シャンパンメゾン。ジョセフ・クリュッグは、創業前、ジャクソンのセラーで修行をした後、自身のメゾンを設立したという歴史もあります。
全量の80%はアイ、アヴィズ、オワリー、オーヴィレイ、デイジーに所有する自社畑から、20%は醸造所近くの栽培家から葡萄の状態で調達しています。
鋤起こしや除草、摘葉は手作業で行い、収量を制限、リュット レゾネを実践しています。
現在では珍しい旧式の垂直プレス機を使用し、梗や種から不快なタンニンを抽出しない様により丁寧に圧搾される。自社シャンパーニュの為に使用するマストは一番搾りのみで、プルミエタイユは他のネゴシアンに売ってしまう。オーク樽(500Lのドミミュイ)で醸造。リザーブワインもドミミュイで保管。その後重力を利用したデブルバージュを実施。3~4ヶ月の発酵の後シュールリー長期間寝かせる。濾過はしない。
その後瓶内二次発酵を実施する。
ポートフォリオはNo700番台とリューディ。
700番台は生産年の個性を生かしたNV、リューディは土地の個性を生かしたヴィンテージシャンパーニュ。
ただ基本的に700番台の品質を落としてヴィンテージは作らず、700番台の品質を担保した上作られるもので、醸造的な手の掛け方はほぼ変わりません。
キュヴェ738は2010年をベースに、リザーブワインは33%使用、概ね3年半~4年半の瓶熟成。
キュヴェ734 デコルジュマン タルディフは2006年をベースにリザーブワインは27%使用、7年の瓶内熟成。
デイジー コルヌ バートレイは南西向き急斜面上部のチョーク岩と硅質岩の小石が混じる粘土質土壌の畑、樹齢55年、生産本数5000本。
アヴィーズ シャンカンは真南向き斜面下にあるチョーク岩と粘土石灰質+石灰岩の砂利の混じる土壌の畑、樹齢53年、生産本数9500本。
アイ ヴォーゼル テルムは真南向き急斜面中腹部のチョーク岩と石灰質の沖積土壌の畑、樹齢35年、生産本数2300本。
アイ テール ルージュは東向き緩斜面にあるチョーク岩と褐色石灰質土壌の畑。樽発酵後、10カ月間シュール・リーにて樽熟成。50%セニエ式。ドザージュ3.5g/L。樹齢22年、生産本数8700本


【テイスティングコメント】
生産者: ジャクソン
銘柄: アヴィズ シャン カン エクストラブリュット2005
品種: シャルドネ100%

約36000円
淡いイエローで粘性は中庸。
果実味が際立つが、その他の樽やMLFなどの醸造的要素と極めてバランスが取れている。
フレッシュな赤リンゴ、白桃などの繊細かつふくよかな果実味と共に白カビやバターの様な緻密なテクスチャーがある。果実味ベースの味わいだが、剥き出しのアイと比べると少し控えめ。徐々にバタークリームの様な要素、フレッシュハーブ、ローストナッツの様なアロマがある。石を砕いた様なミネラル感も。イーストなどの要素も感じられる。
溶かした上白糖とバターの風味が最終的に残る。
酸は柔らかく、目が細かい。熟した赤リンゴのフレッシュさやバター、フレッシュハーブ、柑橘の余韻が長く続いていく。


生産者: ジャクソン
銘柄: アイ ヴォーセル テルム エクストラブリュット 2005
品種: ピノノワール100%

約36000円
淡いイエローで粘性は中庸。
剥き出しの果実味とナッツ、ミネラル感主体。そして厚みのある味わい。
香りの規模感が大きく、香りに摩り下ろした様な赤リンゴの強い旨味の厚み、強いローストナッツとフレッシュハーブの香り、石を砕いた様な強めのミネラルが極めて際立っている。バター的な要素は控えめで旨味剥き出しの果実味がある。リコリス、ほのかにヨーグルトの様な風味が漂う。白い花、ほのかに白カビの様なアロマがある。
最後まで生き生きとしたリンゴの香りを感じさせる。
酸は生き生きとしているが、アタックに厚みがあり、あまりキツさは感じない。ほのかにチェリーや摩り下ろしりんご、砕いた石の様の様な余韻が感じられる。


【所感】
最後はジャクソンのグランクリュ、アイとアヴィーズです。まずこの2本に対して思うのが、デイジーと比べると根本から果実の力とミネラルが違うということ。
デイジーは醸造と葡萄の力の総合力で極めてバランスが良く高品質に仕上がったシャンパーニュでしたが、人為的な要素より、圧倒的に果実のパワーが強いです。
例えば同じシャルドネ100%で作られたアヴィーズ。
石を砕いた様なミネラルと、フレッシュな赤りんごや白桃の様な旨味と濃密さのある果実味がやはり際立っています。ジューシー。
白カビやバタークリーム、ローストナッツなど、あくまで果実味に調伏した形で、緻密に編み込まれています。均等とは言い難いですが、バランスは悪くないと思います。むしろ果実主体として捉えた場合は丁度いいかもしれませんね。
デイジーはより醸造的な要素が強く、それはそれで総合力でバランスが良いとはおもうんですが、このアヴィーズの様に有無を言わさない強烈さは無いですね。
ただ強烈さという意味ではアヴィーズもアイには及びません。
勿論酸の厚みとパワフルさを強調する品種では無いわけですから、そもそもステージが違うんですが、飲んだ時のインパクトが「ああ、やっぱりピノノワールはシャルドネとは全然違うな...」と思うわけです。
そう、酸の太さとパワフルさが全く違う。
※私の解釈では酸の太さは単純な酸度の強弱と酪酸エチルとリンゴ酸のバランスによって決まるのではないかと思います。
剥き出しの果実味、ナッツの香り、石の様なミネラル感。中でも摩り下ろしたリンゴの様な酪酸系の香りが強く際立っていました。乳酸的な要素は控えめで樽と果実味が前面に出ています。

以上3回のジャクソンテイスティングでした。
1回目はジャクソンの熟成
2回目は同一テロワールのロゼとブランドブラン
3回目はグランクリュのピノノワールとシャルドネで見ていきました。
ジャクソンのノンヴィンテージに近いのはデイジーのブランドブランでしたかね。だからデイジーに関してはデコルジュマン タルディフが良い参考になると思います。そこから成分を考慮しながらアヴィーズの熟成も弾き出せそうです。
また2回目でデイジーから作られた場合のコトーシャンプノワのポテンシャルもわかりましたね。
アイのピノノワールは相対的に見る対象はありませんでしたが、最高のグランクリュから生み出されるシャルドネとピノノワールの差分を理解する事が出来ました。
世界でもかなり早い段階でのテイスティングになったと思います。今後購入を検討している人への一助となれば幸いです。





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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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