【カリフォルニア:38】ソノマが生み出すエレガントなピノノワール

こんにちは、HKOです。
本日から2日間に渡ってカリフォルニアのカルトワイナリーのレポートを致します。
初日の本日はシースモークとアストンエステートのピノノワールです。


【データ】
シースモークは企業家のボブ デイビズ氏によってサンタリタヒルズに1999年に興されたワイナリー。ファーストヴィンテージは2001年。現在のワインメーカーは元カンブリア エステートのクリスカーラン。
保有する畑は全て霧の立ち込める南向きヒルサイド(23区画10種以上のディジョンクローン)で、完熟した果実のみを手作業で収穫。除梗の後、2-4日の低温浸漬を経て、16日間2~3回/1日あたりのピジャージュを行う。フリーランとプレス後の果汁は分けられる。70%のフレンチオーク新樽で18ヶ月間熟成された後に無濾過で瓶詰めされる。
今回のシースプレーは自社畑のピノノワールで作られたスパークリングワイン。ステンレスタンクで発酵、100%旧樽で6ヶ月シュールリーさせた後、シャンパーニュ方式で二次発酵。16ヶ月瓶内熟成。ドサージュ ゼロ。


アストン エステートはフレッド シュレイダーとトーマス リヴァース ブラウン、ウリセス ヴァルデズ氏の単一畑のピノノワールに特化したシュレイダーのプロジェクト。ワインメーカーはヘレンターリーに師事したリヴァース マリーのトーマス リヴァース マリー氏。2000年からシュレイダーのワインメーカーを任されています。
アストンのピノノワールはディジョン クローン(115,667,777)を使用し、発酵時の酵母は培養酵母を使用。 熟成時に使用される樽はカデュス、フランソワ フレール、ルモンドの樽(フレンチオーク)を使い11か月間熟成。新樽比率は50%程度。



【テイスティングコメント】
生産者: シースモーク
銘柄: シースプレー ブラン ド ノワール 2011
品種: ピノノワール100%

外観は淡くピンクを帯びた色調で、粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
香りは実にシャンパーニュに近く、フレッシュかつ良く熟したピノノワール主体の香りが立ち上っている。
以外としっかりとしたミネラル感があり、合わせてクリームやバターの様なまろやかな風味、熟した林檎やアプリコットの様な旨味の溢れた果実味と厚みがある。ハチミツやフレッシュハーブ、リコリス、少し鉄分の要素。程よくドライなナッツの風味が感じられる。
クリーンな口当たりですが、太いが滑らかな酸が感じられる。林檎やほのかにベリー、フレッシュハーブ類の余韻を残していく。


生産者: アストン エステート(シュレイダー)
銘柄: ピノノワール 2012
品種: ピノノワール100%

16000円、WA94pt(2011)
外観は濃いルビーで粘性は高い。
華やかで酸がよく出ていて、ブルゴーニュを偽装しているが、濃密なアルコールやグリセリン感、ボディの厚みがカリフォルニア的である。
ダークチェリーやブラックベリーのドライなジャムを中心に薔薇や溶剤の華やかな香り、生肉やベーコンの様な野生的な要素が絡む。黒土の様な香り。
樹脂やユーカリ、クローヴなどのやや清涼感のある香りと炭焼きなどの香りが感じられる。最終的にはイチゴのジャムの様な芳香が出てくる。
やはり甘みは無いながらもカリフォルニアのピノノワールらしいボディの厚みが感じられる。
酸は滑らかで、旨味とのバランスが絶妙。アタックにほのかな苦味がありしなやかな酸味、旨味が滑らかにつながってくる。イチゴや茎の様な余韻が綺麗に繋がってくる。



【所感】
まずはシースモークから。
かなりシャンパーニュに接近したクオリティの高いスパークリングです。何せこだわりも価格的にもシャンパーニュのフラッグシップ並ですからね。
良くないなら嘘です。
いわゆるブラン ド ノワール的なリンゴの様な厚みのある酸とクリームやバターの様なふくよかなボリューミーな香り、ハチミツや鉄分の様な風味が感じられます。ニューワールド的な果実の熟度を感じさせる部分や親しみやすさはあまり無くて、アンボネイの様な骨太でリッチなブラン ド ノワールだと思います。
旨味やしっかりとしたボディがあります。じゃあ雑かというとそんな事はなくて、いい意味でピノノワール的な鉄分の要素が複雑さと華やかさを助長していて存外に精緻な作りの様にも思えます。
お値段的にはかなりしますが、比較的妥当な金額感かと思います。シャンパーニュで言うならNV扱いですが、一応2011年って事で熟成のタイミングを計りやすいのもいいですね。

次はアストンエステートのピノノワール。
キスラーとまた違った視点でブルゴーニュ的な側面とニューワールド的な側面を併せ持ったワイン。
酸の出方や抽出による華やかさはどこかブルゴーニュに通じるものがありますが、液体の球体感というか凝縮感は完全にカリフォルニアのそれです。
キスラーはボディも程々に抑えてますが、アストンは一部ブルゴーニュの要素も持ったニューワールドというのが正しいかもしれません。華やかさの裏には黒系果実のドライジャム、ハーブの様な清涼感、ベーコンや黒土の様なトースティーな要素が表出しています。
甘露さは控えめながら、極めてパワフルでボディは強く輪郭のしっかりとしたピノノワールだと思います。
幾ら何でもこれはブルゴーニュにはないですね。ワインとしては完成度が高いと思います。
ありのままのカリフォルニアの中で、わずかなブルゴーニュの風を感じられる一本です。

以上、ちょっとカルト的な2本のワインでした。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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