【カリフォルニア:39】ナパヴァレーが生み出す豪華さ

こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニア ナパヴァレーのカベルネソーヴィニヨン主体2種です。
方やフィリップ メルカとロビンレイルのレイルヴィンヤーズ、ホワン メルカードとスコット ベッカーのレアム セラーズです。これがもの凄い2本です。


【データ】
レイル ヴィンヤーズは、ジョン ダニエルJr氏の娘でたる現オーナー、メリーヴェイルやドミナスで経験を積んだロビン レイル氏の手によって設立されたワイナリー。醸造責任者はフィリップ メルカ氏。
フィリップ メルカ氏はボルドー出身の醸造コンサルタントで、ボルドー大学にて醸造学、地質学を修め、シャトーオーブリオンなどで醸造経験後、ドミナスやリッジ ヴィンヤーズで働き、ポールドレイパーに師事。その後はブライアント ファミリーやダナ エステートで活躍しています。
今回のジョン ダニエル キュヴェはレイルヴィンヤードのフラッグシッブワイン。カリストガ、オークヴィル、ハウエル マウンテンにある3つの畑のブドウを使用し、 75%フレンチオークの新樽で20ヶ月熟成しています。

レアム セラーズはホワン メルカードとハーランのスコット ベッカーによって2002年に設立されたワイナリー。
栽培家はアンディ ベクストファー、醸造はボルドーの複数シャトーと、スクリーミングイーグルを経験したブノワ トゥケ氏、副醸造家はポール ホブスのMJツァイ、コンサルタントにはミシェル ロラン氏を迎えています。今回の2012年ヴィンテージのレアム セラーズは8銘柄すべてワインアドヴォケイトで96点以上を獲得しています。
今回のベクストファー ドクター クレイン ヴィンヤードはセント ヘレナ西側ヒルサイドにあるベクストファー最小(10ha以下)の畑。水捌けの良い砂利の多い土壌で低収量。畑の名前は1858年にこの畑に植樹を行ったジョージ クレインの名前から。新樽100%のタランソのダナジューで熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: レイル ヴィンヤーズ
銘柄: J ダニエル キュヴェ 2012
品種: カベルネ ソーヴィニヨン100%

約30000円、WA100pt
外観は黒に近い輝きのあるガーネット。
甘い熟した果実味と強烈なインク的な濃密なアルコール感が感じられる。
熟したプラムやブラックベリーの濃密な果実味が際立っている。黒砂糖の様な甘み、灯油の様な鋭角的なアルコール感が感じられる。
黒土、良く甘く煮た小豆の風味があり、カラメルやバニラの香り、タバコ、燻製肉、西洋杉の様な香りと、リコリスの様な風味、キャラメルトフィーなどの濃密な風味に満ちている。藁の様な風味。
香りに継ぎ目がなく、ミチミチに詰まった香りがある。
口当たりが極めてシルクの様な滑らかさがある。
タンニンと酸は際立っているが、それを一切感じさせない滑らかさがバランスの良さがある。
ミントと共に熟したプラムやブラックベリーのタンニンの果実味が感じられる。素晴らしい。


生産者: レアム セラーズ
銘柄: ベグストファー ドクタークレイン ヴィンヤード カベルネソーヴィニヨン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン95%、プティヴェルト5%

約47000円、WA100pt
外観は黒に近い輝きのあるガーネット。
インク的な香りはあるが、それ以上に明るく濃密な熟した果実味が感じられる。
熟したブラックベリーやプラムの果実味、バニラやカラメルなどの甘い香り、そしてエナメルリムーバーの様なアルコール感を伴っている。徐々に馴染んてきてバタートーストやブリオッシュの様なふくよかな香り、キャラメルトフィーなどの甘い香り。徐々にインクが薄れてきて、タバコやベーコンな風味、西洋杉、ドライハーブ、枯葉やリコリスなどの複雑な風味が感じられる。
明るくキャッチーで継ぎ目がなく大変滑らかな風味が楽しめる。
果実味に満ち満ちていてバニラの様な風味の滑らかさがある。ハーブや熟したブラックベリー、プラムの様な味わいが感じられる。ややタンニンに際立ちを感じる。酸もパワフル。ただ弾ける様な果実味が魅力的だ。


【所感】
この2本を飲んでるとナパかカベルネソーヴィニヨンの聖地と言われるのが良くわかりますね...
ハーランエステートやスクリーミングイーグルがいいのは当たり前なんですけど、丁寧に作っている生産者であれば、突然神懸かり的なカベルネソーヴィニヨンがリリースされる事が良くあるので、それが凄いですよね。まさに神に愛された土地って感じでさ。
今回の2本は自力は十分にある生産者であるので、正確には今の例には当てはまらないですが、正に神に愛されたカベルネソーヴィニヨンといって差し支えないかな、と思います。
レイルは少しラトゥールにも似た堅牢さと力強さを纏っているし、レアムは強固さを持ちながら濃密で熟した、いわゆるツヤツヤとした新世界的なワインです。
もうこれが本当に両方ともワインとして隙がないです。好みはあれどこのツヤツヤとした質感と果実の詰まった感じは、もの凄く完成度が高いですね。新樽のリッチな香りと果実味のバランスもいいし、タンニンや酸の継ぎ目も無く滑らか。
レイルの堅牢さは、人によっては硬いと感じるものではありますが、裏に果実味がしっかりと感じられるから、決して排他的ではないと。
どちらも卓抜したカベルネソーヴィニヨンですが、これらの生産者やベグストファーのポテンシャルは感じつつも特徴まではまたもや掴めなかったなぁと。


◾︎余談
しかしやはりこれだけのクオリティのカベルネソーヴィニヨンを作れる土地にはとても興味があります。
AVAを再検討して欲しいですね、個人的にニューワールドのシングルヴィンヤードが浸透しないのは、幾つか理由があると思ってます。

1: シングルヴィンヤード毎にAVAが定められていない。
2: シングルヴィンヤードの個性が確立されておらず、個々の生産者の裁量で自由に作り方を変えられる。
3: エリア内の品種に制限があまり無いので、シングルヴィンヤード毎の品種にもバラつきがある。
4: 生産者の保有するシングルヴィンヤードが少ない。※多くの有名シングルヴィンヤードは保有者がグロワーとなって、ワイナリーはそのブドウを購入している訳だからやむなし。

シャンパーニュと同じですね。概ねどのヴィンヤードがどういう品種が得意かはあるんですが、基本混醸だし、AOCで定められている訳では無い。
一つのメゾンでグランクリュを個別に醸造している生産者が少ない。(ジャクソンやジャックセロスなどは頑張ってますが...)
とはいえグランクリュとプルミエクリュの区別はちゃんとあるので、シングルヴィンヤードと比べると分かりやすいんですけどね。あくまで品質を定義するものでしかないので、ちょっと違う。
ピゾーニやト カロン、ベグストファー ボーン、ベグストファー ドクタークレインあたりはグランクリュっぽいですが、それでも特徴はわからない...比較もできないからインポーターの言い分を信用するしかないのが歯がゆいですね。
シングルヴィンヤードをリリースするのであれば、どう優れているのか、どういう特徴があるのかが消費者にわかる形で提示されないと、個性として確立しないのではないかと思います。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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