【ボルドー:28】80年代の右岸、左岸の古酒を利く

こんにちは、HKOです。
本日はポイヤックのシャトー クレール ミロン1982、そしてシャトー セルタン ド メイ1983です。

【データ】
シャトー クレール ミロンはポイヤックのメドック格付5級シャトー。所有者はフィリッピーヌ・ロートシルト男爵夫人。
ムートンとラフィットに隣接した畑を保有している。作付面積は30.0ha、平均樹齢51年。平均収量は55hl/ha程度。ステンレスタンクで15~22日間の発酵を行い、新樽約30%で16~18ヶ月熟成を行う。

シャトー セルタン ド メイはポムロールに拠点を置くシャトーで、1974年から現所有者であるオデット バロー バダール氏と息子のジャン リュックが指揮を取っている。
シャトー ヴィユー セルタンとペトリュスに隣接するポムロールで最も標高の高い畑を所有しており、作付面積はわずか5ha、収量は40hl/ha。平均樹齢は25年。出来る限り遅く収穫した葡萄はステンレスタンクで18日から35日間発酵。マセレーションは1ケ月という長期間に渡る。
新樽比率70%で14ケ月から16ケ月熟成され瓶詰めされる。年間生産本数は25000本。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー クレール ミロン 1982
品種: カベルネソーヴィニョン46%、メルロー35%、カベルネフラン15%、プティヴェルド3%、カルムネール1%

17000円、WA84pt
外観はエッジにオレンジを帯びた淡いガーネット、粘性は中庸。
濡れた木やスーボワ、キノコ、熟成した肉の旨味の塊の様な香り。萎れた花やクレゾールの香りもある。
梅しばや黒オリーブなどの塩気を帯びた果実味。
ビターなカカオ、ナツメグ、炭焼きの様な香りが感じられる。熟成香主体で、果実味はほぼ失われているがボディは良く保っていて、多少バランス感に欠ける。
旨味のある香りは感じられる。
タンニンはしなやかで酸もスムーズだが、包含する旨味は力強く、十分なボディを形成している。
キノコや濡れた木、生肉の様な含み香があり、余韻に多少苦味があるが、比較的長く感じられる。


生産者、銘柄: シャトー セルタン ド メイ 1983
品種: メルロー70%、カベルネフラン25%、カベルネソーヴィニヨン5%

14000円、WA85%
外観はオレンジを帯びた濃いガーネットで粘性は中庸。
濡れた土やキノコの香りが際立つボルドー。リコリスやドライハーブの様な香りが感じる。焦げたゴムの様な香りや、梅柴やプラムの様な少し酸味を感じさせる果実味がある。全体的に土っぽく、西洋杉の木材の要素、タバコ、スミレのドライフラワーなどの風味。経年としては力強さを感じる。燻製肉やベーコン、炭焼き、樹脂、ヒノキのような木材の香りが際立つ。クローヴや燻製の香りが感じれる。
タンニンや酸は綺麗だが、キノコ系の旨味が非常にパワフルに感じられる。濡れた木やプラムなどの果実味が綺麗な余韻を残し、ボルドーらしい熟成した風味を感じさせる。


【所感】
クレールミロン。グレートヴィンテージと言われる1982の格付けボルドーとしてはやや果実味の減衰が早いような気がします。よって熟成香主体となっている訳ですが片一方で、意外とボティが保たれていて、熟成香から推測される出汁感と比べると、ややアンバランスな状態にあると感じました。
決して悪くはないし、熟成ボルドーの妙と言ったものは感じられますが、1982年としては平凡で、卓越しているとは言い難いワインだと思います。
ただ価格も1982としてはお手頃なので、香りの熟成感を楽しみたい方には良い選択肢と言えなくもない、と思います。過大な期待は禁物ですが、そこそこのものと考えれば、ある意味ありだと思います。

次にシャトー セルタン ド メイ。
ボルドーの古酒としては比較的平準的な熟成の仕方をしていると思いますが、個人的な感覚としては1982年のクレールミロンと同様に結構ボティを残しているな、と感じました。
ボルドー古酒らしい濡れた土やキノコの香り、甘草などのスパイスの香り、新樽の個性的な焼いたゴムやベーコンの様な香り、しなやかな梅柴やプラムの様な果実味が特徴的です。タンニンや酸はかなり落ち着いていますが、ボディ自体はまだ結構パワフルだと思います。まだ熟成すると思うので、もう少し飲んで出汁感が強くなったあたりで空けるのがベストかと思います。あと10年位は必要でしょうか。
果実味は減衰気味なので、あとは出汁感を楽しむしかないのですが、価格的にはクレールミロンより安いですし、買うのも決して悪い選択ではないのかな、と思います。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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