【ワシントン: 40】ワシントン2種。野性的なコルソラーレ古酒とカユースの自然派グルナッシュ。

こんにちは、HKOです。
本日はワシントンのカベルネとグルナッシュです。
方やイタリアとのジョイントベンチャーの古酒、もう片方は独特の存在感を放つカユースのグルナッシュです。


【データ】
コル ソラーレはトスカーナの名手アンティノリとワシントンに拠点を置くシャトー サン ミッシェルとのパートナーシップによって生まれたカベルネソーヴィニヨンのプロジェクト。ファーストヴィンテージは1995年。シャトー サン ミッシェルはドクターローゼン氏とエロイカを作っており積極的に旧世界と新世界のコラボレーションを実現させています。ワインメーカーはサンミッシェルのマーカス ノタロ氏。
当初コールドクリークで収穫しサンミッシェルで醸造していましたが、2005年から自社畑16haをワシントンで最も温暖なレッドマウンテンに取得。収穫した葡萄を自前で醸造しています。
手摘み収穫したブドウは手作業で厳選され、7~12日間かけてピジャージュ、ルモンタージュを行いながら発酵。フレンチオーク樽とアメリカンオーク樽でマロラクティック発酵。樽熟は約21ヶ月間。新樽比率は100%。

カユースは1996年に設立されたワシントン州ワラワラに拠点を置く生産者。ワインメーカーのクリストフ バロンはシャンパンメゾン バロン アルベールの三男でシャンパーニュ、ブルゴーニュで醸造学を、オレゴン、ワシントン、ニュージーランド、オーストラリアでワイン作りを学んだ。シャトーヌフ デュ パプ同様の小石とシルトで構成された土壌から算出されるぶどうにはワシントン初のバイオダイナミクスを実践している。今回のキュヴェはアーマダ ヴィンヤードから低収量(20hl/ha)産出されるグルナッシュ主体のキュヴェ。


【テイスティングコメント】
生産者: コル ソラーレ
銘柄: コル ソラーレ 1997
品種: カベルネソーヴィニヨン84%、メルロー13%、シラー3%

約10000円、WA90pt(1998)
赤みを残したガーネット、粘性は中庸。
熟成香が表面に出つつも適度に強さを残したカベルネソーヴィニヨン。
ナツメグなどのスパイス、炭焼きや腐葉土の様な熟成した香り。萎れた花、ほのかな蜜を思わせる甘い香り、ブラックベリーの果実味。ほのかに獣香がある。甘草や樹皮、燻製した熟成肉の様な香り、クレゾール、ミルクポーションの様なまろやかさが徐々に現れてくる。ハーブやスパイス、獣香が強くなってくると共に香りの甘さも強く表出してくる。
酸は穏やかで、タンニンは滑らかで継ぎ目が無いが、果皮の要素が強くあるので風味的にはかなりタニックに思える。木材や果皮の鉄分の様な風味の様な含み香が感じられる。ボーカステルにも似ている。


生産者: カユース
銘柄: ゴッドオンリーノーズ グルナッシュ 2011
品種:グルナッシュ90%、その他10%

約20000円、WA93-95pt
透明度の高いルビーで粘性は中庸。
やや自然派的な梗の香りとフレッシュで繊細な果実味が感じられる、いわゆるオーストラリアのヤウマの様な芳香が感じられる。
オレンジピール、アメリカンチェリーやブルーベリーの様なフレッシュな果実味、繊細な酸味と旨味がバランス良く出ている。ハーブの様な繊細な風味のグルナッシュ。スミレの様な華やかさ、ローズマリー、青い葉、パストラミハムの様なスパイシーな香り。あまり樽的な要素はない。クローヴ、リコリス、乾いた木材の香りがある。最終的には麦藁の様なアロマが現れてくる。フレッシュかつ繊細、かつ満ち満ちとしたフレッシュな果実味がある。
こちらもややアタックに苦味があり、そこから酸とタンニンが繋がっていく。やや酸が優勢かもしれない。
麦藁やアメリカンチェリーの綺麗な余韻が残っていく。繊細な味わい。


【所感】
まずコル ソラーレの古酒。
どこかボーカステルの古酒を感じさせる様なスパイスや獣香があります。この時点でクリーンな古酒が好きな私としては、あまり得意じゃないんですが、なるたけフラットに行きます。
スパイスや炭焼き、腐葉土、萎れた花などの明らかな熟成のニュアンスはありますが、果実味は若々しさを保っています。甘い蜜とミルクポーションの様な風味。そこにクレゾールや獣香が複雑さを付加していきます。(個人的にはクレゾールや獣香はいりません...)
タンニンや酸は柔らかながら、含み香の果皮の香りは結構強くて、鉄分の様な余韻があります。
よく果実味も残っていて割といいんではないでしょうか。

次にカユースのゴッド オンリー ノウズ。
グルナッシュが主体って事で、シラー主体のバイオニックフロッグみたいな作りかな、と思ったら全然違う。バイオニックフロッグが樽香メインの中抜け感は無くていい意味で良く詰まってる。
ただ...いわゆるニューワールド的なジャミーかつ甘露なグルナッシュじゃないんですね。
ヤウマやアンリボノー、ラヤス的な哲学の下で作られた様な自然派的で繊細な作りのグルナッシュ。
心底意外です。オレンジピールや赤系ベリーのフレッシュな果実味。ホールバンチ的な茎やハーブを思わせる香り。スミレのような華やかさもあり、パストラミハムを思わせるスパイシーな香り、麦藁や乾いた木材のニュアンスがあります。アタックにはやや苦味。
全体的に正直面食らいましたが、これはこれで結構美味しいと思います。
ただ自然派的なニュアンスが苦手な人はダメでしょうね。アンリボノーやラヤスほど完成度も高くないので好き好きだと思います。

しかしワシントン、カリフォルニア程熟度の高いワインって出来ないんですかね。
品種としてはカベルネが多いような気がしますが、クイルシーダクリークですらエレガントに感じられる位ですから、あんまりツヤツヤとした濃密なワインを期待する土地ではないのかもしれませんね。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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