【カリフォルニア:46】新世界ピノノワール Part3

こんにちは、HKOです。
ニューワールド ピノノワール最後はみんな大好きカリフォルニアです。
コブ ワインズとジョージ、共にロス コブが手掛けるカリフォルニアらしさと冷涼さを両立するピノノワールです。

【データ】
コブ ワインズは、デヴィッド コブによって1989年にソノマコーストのコーストランドヴィンヤード開拓の際にに設立されたワイナリー。コーストランドヴィンヤードはウィリアムズ セリエムにも採用された事があるそうです。
その後、フラワーズのワインメーカーも担当した息子のロス コブと共に2001年にコーストランドの葡萄で元詰めを開始。
収穫は他のワイナリーより低い糖度で収穫されるが、極めて厳密に選果され、未熟な葡萄を弾きます。
今回のライス スピヴァック ヴィンヤードはラッセル ライス氏とヘレナ スピヴァック氏の保有する火山灰と粘土質を含む砂質の土壌。ディジョンクローンとスワンクローンを使用。
フレンチオークにて20ヶ月の熟成(新樽率35%)。生産量は295ケース、除梗比率は不明。

ジョージはジョージ レフコフによってソノマに設立されたワイナリー。ウィリアムセリエムのロキオリ ヴィンヤードに衝撃を受け、ソノマに移住、99年から01年までウィリアムセリエムで仕事に就き、その後ブロガンセラーズ、ハーシュヴィンヤードを経験し、そのままハーシュの醸造施設を使いジョージのプライベートレーベルリリース。醸造家はロス コブ。
無清澄、無ろ過、パンチダウンをしない、プレスしすぎない、混ぜ物を入れない、ブレンドを行わない、澱引きしないなどの、人の手を加えないワイン造りをしています。


【テイスティングコメント】
生産者: コブ ワインズ
銘柄: ライススピヴァック ヴィンヤード ピノノワール 2011

10000円、WA93pt(2009)
外観は透明度が高く済んだルビー、粘性は中庸
しっかりとしたミネラル感や灯油の様なオイリーさ、華やかさが感じられる。海苔や海藻系の塩気を感じさせるピノノワール。アルコール度数は低いが、ややアルコールが際立っても感じられる。カリフォルニアの中にブルゴーニュ的な側面が見える。
瑞々しいイチゴやラズベリーの様な赤系の果実味が際立っていて、そこにほのかに淹れたての紅茶の様な香り、エナメルリムーバーやスミレの華やかさ、ほのかに茎やフレッシュハーブの様なグリニッシュな香り、鉄釘やスパイシーなハム、黒胡椒。すこしずつMLFの様な香りが入り混じってくる。完成度が高いピノノワール。樽が程よく効いている印象。
マロラクティック発酵の影響を受けた酸が柔らかいタッチのワインで、滑らかな余韻とほのかな苦みを残していく。
ミルクティーやイチゴのジャムを思わせる素晴らしい余韻を感じられる。


生産者: ジョージ
銘柄: ハンセン ヴィンヤード ピノノワール 2012

12000円
外観は濃い目のルビー、粘性は中庸。
繊細系のカリフォルニアピノノワールの王道的な味わいで、鰹節や瑞々しい赤系ベリーの果実味が魅力的。徐々に蜜の様な甘さが現れてくる。
同じく熟した赤系のイチゴやアメリカンチェリーの様な香り、鰹節や燻製肉の様な旨味のしっかり効いた風味と、製材された木材、エナメルリムーバーの香りがある。ラベンダーなどの華やかさ、ほのかな血の香り、ミルクティーやわずかな土っぽさ、なめした革や塩っぽい要素が感じられる。クローヴ、茎の様な香り。ゴムなどのちょっとした焦げ香りがある。
柔らかい酸と共に柔らかいタンニンがあり、極めて滑らかでほのかな苦みを感じる。鰹節やベリーの様な個性的な余韻を残していく。


【所感】
コブのピノノワールは冷涼さを押し出したソノマのピノノワールといった感じ。オーベールみたいにボリューミーなわけでもなく、キスラーやハーシュの様なバランスの良いタイプというわけでもありません。
緊張感のあるミネラル感、冷涼さ。煌びやかな果皮とアルコール感を主軸に感じられるワインです。
基本は海藻、赤系の果実、紅茶、鉄釘、エナメルリムーバーの様な香りが要素の多くを占めています。しっかりと抽出されているんですが、黒系の果実には至らず、繊細な赤系果実の果実味が感じられて、そこに蜜の様な甘さを伴っています。ボディ自体はかなり引き締まっていて、厚めのボディに赤系果実が乗っている感じ。果実味のタイプは異なりますが、グリセリン感に乗ってくる繊細な果実味はアストンやラディオ コトー、スクライブなんかとも近いかな、と思います。
最近このスタイルは多くて、結構見かけますね。
ブルゴーニュのボディから繊細なタイプとは異なって、表層の冷涼さはよく似てるんですが、グリセリン感はやっぱりカリフォルニアの日差しを感じますね。

次にジョージです。こっちも相当いいですね。
ほのかに自然な酸化を思わせる鰹節のニュアンスを感じるのが面白い。もちろん基本は2012年というヴィンテージ通りのピュアな果実味なので、樽熟成か何かで出たニュアンスなんでしょうね。果実味もとても充実していて赤い果実の蜜の様な澄んだ甘みがあります。
それと共に製材や溶剤の様なアルコール的な部分もあります。コブと作りは似ていますが、MLFの要素が少なく樽の要素もハッキリとあるので、より緊張感のある張り詰めた印象を受けますね。

共にモダンなカリピノだと思いますが、なんかブルゴーニュがどうだとか、そういうのはほとんど無くなって独自のスタイルを築き上げている様な気がしますね。
キスラーやフラワーズ、セリエムがブルゴーニュ的な造りを目指しているのであれば、今回の2本はより先鋭的に冷涼さの演出を突き詰めていっている様な気がします。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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