【ロワール: 12】ソーミュール最上の生産者、クロ ルジャール2010水平テイスティング Part.2

こんにちは、HKOです。
本日は先日に引き続きクロ ルジャールのソーミュールをレポートします。
本日は上位キュヴェのポワイユー、そしてフラッグシップのル ブールです。

【データ】
クロ ルジャールは1664年に設立された世界最高峰のカベルネフランを作り出すソーミュールシャンピニーの生産者。現在はシャルリー フコー、ナディ フコーが指揮を取っています。
樹齢は40年~45年。栽培はビオディナミで行われており、収量は春の芽掻きや冬場の摘芽により最大限にまで抑えられています。(なんと30hl/ha。低収量主流のローヌに劣らない低収量!)、そして収穫は手摘みのみ。
最もベーシックなソーミュール シャンピニー「ル クロ」は平均収量は40hl/ha、樹齢30年~40年の複数区画のブドウから生産されます。自然酵母にてステンレス及びセメント槽にて発酵、熟成はポワイユーで使用した2年樽にて約2年行います。発酵・熟成中は亜硫酸の添加をせず、ノンフィルタにて瓶詰め。
単一区画「レ ポワイユー」は南向き斜面の上部に位置し、風通しが良く温暖な気候となっています。平均収量は35hl/haで、樹齢40年~45年。
選果された葡萄は100%除梗、選果台で更に選果を行います。発酵は主にステンレスタンク、もしくはセメント槽で行われ、自然酵母で発酵。30日程度の長いマセラシオンの後、新樽とシャトーラトゥール使用の1年樽で36ヶ月の熟成が行われます。
そして単一区画「ル ブール」はクロ ルジャールのフラッグシップにあたります。
平均収量は20hl/ha。樹齢75年~80年、自然酵母にて木樽で発酵、木樽は新樽を2割から3割使用し、残りは1年及び2年樽を使用。発酵で使用した樽をそのまま用い約2年5ヶ月熟成。発酵・熟成中は亜硫酸の添加をせず、ノンフィルタにて瓶詰めされます。
最後はシュナンブラン100%の白ワインである「ブレゼ」。
畑は南向きの斜面に広がり、日照に優れ石灰質が強く通気性の優れた粘土に火打ち石が混ざる土壌。
収穫量は40hl/haで、樹齢40~50年のシュナン ブランを使用。自然酵母にて木樽で発酵、木樽は新樽を2割から3割使用し、残りは1年及び2年樽を使用。熟成は発酵で使用した樽をそのまま用い約2年行います。発酵・熟成中は亜硫酸の添加をせず、ノンフィルタにて瓶詰めされます。



【データ】
生産者: クロ ルジャール
銘柄: ソーミュール シャンピニー レ ポワイヨー 2010

外観は澄んだ淡いガーネット、粘性は中庸。
ピーマンの様なグリニッシュさがかなり控えめとなり、より熟した黒い果実とミルクティーの様な印象が前に出ている。熟したブラックベリーやダークチェリーのシロップの様な要素はより凝縮度と純度を増し、ミルクティーやバニラの様な風味が重なり合っている。その中にグリニッシュな要素がミルクティーと綺麗に調和している。シナモンや甘草、燻製肉の様な要素、ほのかに華やかなスミレや濡れた土、西洋杉や枯葉の様な要素が感じられる。凝縮感もあるが、広がりのある甘露な果実の風味が感じられます。
タンニンと酸のバランスは良いが、酸はやはり強め。
で、ありながら、滑らかな舌触り、かつ液体の密度が詰まっており、しっかりとした骨格がある。ダークチェリーやミルクティーの余韻が残る。


生産者: クロ ルジャール
銘柄: ソーミュール シャンピニー ル ブール 2010

外観は透明度の高い濃いガーネット、粘性は高い。
圧倒的なカベルネフラン。ポワイヨーとは少し格が違う。
ブランデーの様なキャラメリゼされた樽香と共に、より黒土の様な堅牢さとスミレの様な果皮の香り、熟したブラックベリーやダークチェリーリキュールの黒系果実の凝縮感が前に出ていて、ハッキリとした輪郭が感じられる。その中にピーマンや甘草のグリニッシュさが複雑さとして存在していると言った感じ。
溶剤や甘草、クローヴ、ユーカリなどのごく僅かな青さ、そして西洋杉の様な要素。燻製肉や鉄釘、ドライハーブなどの要素が感じられる。
タンニンと酸はバランスが良く、どちらもパワフル。
合わせて骨格がしっかりとしており、かなり立体感のある体躯になっている。ポワイヨーと比べるとややパワフルなので、引っ掛かりがあるが、凝縮感が強く、ブラックベリーやチョコ、グリニッシュな余韻が感じられる。


【所感】
さて、上位キュヴェです。
まずはポワイヨー、相変わらず素晴らしいカベルネフランです。完全にサンテミリオンとは異なる方向性でありながら繊細なエレガンスと果実のボリューム感より凝縮度が押し出された味わいと香り。その中で更にキャッチーな甘露さとマロラクティック発酵のしなやかなニュアンスが感じ取れます。痩身でありながら、筋肉質さをそこかしこから感じ取れる作りですね。
ピーマンの様なフランらしさはあるものの、かなり控えめになっており、シナモンや甘草などのスパイシーな要素、枯葉などの要素と見事に調和している。
ル クロも調和の取れたワインでしたが、こちらも各々の要素の比重こそ異なるものの、驚異的なバランスで凝縮感や複雑さを演出しています。
ボディの質感的にはやはりボルドーというよりブルゴーニュに似て酸を綺麗に演出していると思います。
クロ ルジャールの中で相対的に見ると、広がりのあるしなやかさが印象的なキュヴェだと思います。

次にル ブール。
これは凄いカベルネフランです。でもこちらもサンテミリオンとはやっぱり質感が違いますね。
ボリューム感というより冷涼さから生まれる凝縮感やピュアさを強く感じます。この中だと最も引き締まって高度な集中力のあるワインです。
質感的にはエマニュエル ルジェのクロ パラントゥなどの最上のブルゴーニュに似た集中力が感じられます。勿論カベルネフランなんで、香りや味わいは全く異なりますが、醸造的な要素と果実の凝縮度とのバランス感がとても似ています。新世界とは全く異なりますが、球体感があります。
そんな果実の凝縮感と共に、新樽のブランデーやビターチョコレートの様な風味も表出していて、堅牢さや凝縮感、複雑さがポワイユーと比べても一段高い位置に居ます。
古木+収量が20hl/haという事からも、その凝縮感の強さが伝わるんじゃないでしょうか...。ていうか収量とか古木の良さが凄く伝わってきますね。
液体や質感はブルゴーニュなのに香りはカベルネフランの不思議さ、しかしてサンテミリオンとは全く異なるカベルネフランの頂きに存在しているワインだと感じました。
今回テイスティンググラスで飲みましたが、これ、ブルゴーニュグラスで飲んだら凄いんじゃないかな...。

そんな感じです。
やっぱりブールが圧倒的ですね、ポワイユーも素晴らしいのですが、ブールの素晴らしさから見ると少し散漫な感じを受けますし...
何れにせよ、ソーミュールシャンピニーに収まるレベルのワインじゃないな、と感じます。
ブールは見かけるタイミングもないかと思いますが、あったら即購入をお勧めします。



やっぱりブールとポワイユーはないなー
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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