【シャンパーニュ:60】ローズ ド ジャンヌ、新進気鋭が表現する単一畑・単一ヴィンテージ・単一品種の本懐。

こんにちは、HKOです。
本日は期待の新進気鋭、ローズ ド ジャンヌ。
そのボロレとコート デ ヴァル ヴィレーヌをレポートします。

かくいう私もセラーに一本大切にウルシュルを保管しており、抜栓するのを大変楽しみにしています。
話題の生産者ですが、果たして如何程のクオリティなのか。
レポートしていきます。


【データ】
セドリック ブシャールはシャンパーニュの辺境オーブ地区のセル シュール ウールス村に拠点を置くメゾン。2000年設立の若手ながら今最も注目される生産者で、フラッグシップクラスのキュヴェには「ローズ ド ジャンヌ」の名前が冠されています。
畑の管理からラベル貼りに至るまで、ほぼ一人で行い、単一区画、単一品種、単一ビンテージのみのシャンパーニュを作っています。
自社畑はわずか約1.3haのみ。収量はローヌ並みの30hl/ha以下、30~40年程度の古木を使用。馬で畑を耕し、ほぼビオロジックな製法で作られています。
コルドン ロワイヤル式で摘芽、摘房、除葉を行い、自らの手で収穫、選別された房は、更に選果された後、圧搾される。すべてのキュヴェは一番搾りの果汁のみを使用。天然酵母で発酵。
熟成に樽は使用せず、ステンレス槽のみで醸造、熟成されます。補糖やろ過、ドサージュも一切行わず瓶詰めされる。瓶内2次発酵は2ヶ月。ガス圧も4.5気圧と低めとなっている。
今回のコート ド ヴァル ヴィレーヌは、セドリック氏が父から受け継いだ畑。樹齢約40年のピノノワールで造られ、単一年から造られています。
ラ ボロレは樹齢50年以上のピノブランで作られたミレジムシャンパーニュ。



【テイスティングコメント】
生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: コート デ ヴァル ヴィレーヌ ブラン ド ノワール NV(2013, Deg 2015Apr)
品種: ピノノワール100%

外観は淡いストローイエロー、粘性は低く、泡は柔らかい。堅牢な雰囲気が際立つキュヴェ。スモーキーなロースト香、そして強固なミネラル感、ピノノワールらしい力強く凝縮感のあるボディを感じさせる凝縮感を感じさせるシャンパーニュ。
火打石を感じさせるミネラル感。
よく炒ったナッツやイースト、バターの様なアロマ、そしてドライハーブやリコリスの様な風味を主体として、奥に赤リンゴやネクタリンの様な果実味、モカ、滑らかなミルクなどの要素が少しずつ上がってくる。少しずつ鉄分やピノのキャンディ香にも似た果実の香りが感じられる。
ただあくまで主体は堅牢で力強いパワフルなものである。
口に含んだ時のキャッチーさは極めて良く、泡は控えめなだけにより酸の心地よさやハチミツ、ドライハーブ、赤リンゴの様な含み香が立ち上がってくる。素晴らしい。


生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: ラ ボロレ ミレジム ブラン ド ブラン 2011(Deg 2015 Apr)
品種: ピノブラン100%

外観は淡いストローイエロー、粘性は低く、泡は柔らかい。堅牢ながら外交的な果実味があり、少しオイリーなタッチの独特な存在感のシャンパーニュ。
独特のハチミツや上白糖、よく炒ったヘーゼルナッツの様な香り、火打石の様なミネラル感が主体的に感じられる。フルーティさが際立つ。フレッシュハーブやリコリス、少しずつ強い鉄分や塩ナッツ、そして茹でた小豆などの独特の芳香が現れてくる。果実味は青リンゴ、花梨の様な旨味を感じさせる果実味があるが、全体の要素に調和しており、決して目立っているわけではない。
泡は控えめで、よりシャンパーニュの風味がしっかりと表出している。鉄分や青リンゴ、ハチミツの様な要素がまとわりつく様な味わい。旨味と共に微妙な苦味があるのが少し気になるところ。


【所感】
いやー、堅牢ですね。
まずコート デ ヴァル ヴィレーヌ。
いわゆる親しみやすいシャンパーニュの対極にあるというか。また酸化的では全くないですね。クリアで清冽でもない。
極端に大きなスケール感のあるブラン ド ノワールです。
タイプでいうとクロ サン ティレール的な印象を受けました。明らかに熟成によって本懐を見せるタイプ。

現段階ではミネラリーで、スモーキー、イースト的なニュアンスが色濃く感じられます。極めて凝縮感の強いタイプ。
ピノノワール100%らしい強い酸の厚みと、不思議な事に、たまにブルゴーニュのピノノワールに見られる華やかなキャンディ香や鉄分も感じられる。
ここまで品種の特徴に溢れたシャンパーニュは珍しいかも。特にブルゴーニュファンが見ると、そのらしさにちょっと驚くかもしれない。
勿論赤やロゼではないのでシャンパーニュのピノノワールではあるのですが、それでもどこか果皮や若々しいピノとの共通点が感じられるのは、とても面白い。
力強く、分厚くて堅牢。なんとなく字面だけ見ると、シャンベルタンの哲学に近い様な気がしますね。

次にボロレ。経年による熟成が進んでいるだけに、結構馴染んだ感じの味わいです。
堅牢ですが、コート デ ヴァル ヴィレーヌに比べると外交的。シャンパーニュとしては極めて珍しいピノブラン100%という事で、そのタッチ自体はシャルドネ主体やピノノワール主体、ピノムニエ主体とは全く異なります。
ミネラルはしっかりと、強固にあるものの、ハチミツや上白糖といった甘い香りとヘーゼルナッツのような酵母や樽の香り、幾分かの鉄分を思わせる味わいがあります。
茹でた小豆のようなメルローにも似た風味も少しばかり感じられます。その中に果実の風味はありますが全体の要素に溶け込んでいて、様々な要素が混じり合った複雑さの内の一つといった要素の現れ方でした。
凝縮感、ボディの厚みは前述のキュヴェにも近く、力強くパワフルなタイプ。余韻にほのかな苦みが感じられます。
若干ベトつきみたいなものを感じるんですが、これは完全に好みですね。構成される要素としてはスキがありません。かなり良くできています。

全体的に見ると繊細で緻密なシャンパーニュというより、かなりスケール感の大きく、複雑なシャンパーニュを作っている印象です。
味の好みはあれど、「これは凄いぞ」と風格を感じさせる様な味わい。瓶内気圧などの拘りようを見ると、供出温度は高めで、香りを膨らませる様な形が望ましそうな感じです。冷やしすぎると良さがかなり失われるので、結構気を使わなくてはならなさそうな感じですね。
熟成による変化は熟成香とボディの膨らみを楽しむタイプで、享楽的な楽しみ方をするタイプじゃなさそうですね。
かなり高品質なシャンパーニュだと思います。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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