【ブルゴーニュ: 119】優良生産者のブルゴーニュ赤に久々に感動、ピュアさとモダンさの最高峰。

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュの優良生産者の3つのワインをレポートします。

【データ】
ロッシュ ド ベレーヌはコート ド ボーヌに2007年に設立されたネゴシアン。ニコラ ポテル氏のネゴシアン部門なのですが、1997年に設立した「メゾン ニコラ ポテル」が2004年に大手に買収された為、自身のブランドとしてネゴシアン「ロッシュ ド ベレーヌ」自社畑のドメーヌ「ドメーヌ ド ベレーヌ」を立ち上げました。
今回のキュヴェはACブルゴーニュでありながら56~88年の古木を使ったヴィエイユヴィーニュ。区画は南東向きの斜面にある、粘土と石灰岩で構成された標高230mの18ha。収量は50hl/ha。熟成に新樽は利用せず12ヶ月の熟成を行い、無濾過、無清澄でボトル詰め。マロラクティック発酵は100%行う。

フィリップ エ ヴァンサン レシュノーは、レシュノー兄弟によってニュイ サン ジョルジュに1986年に設立されたドメーヌ。拠点以外にも様々なアペラシオンを手がけており、3haから18アペラシオン10haまで拡大している。
フラッグシップはパーカーポイント100点を取った樹齢60年、年産1樽半(450本程度)の希少なキュヴェである、クロ ド ラ ロッシュ。
ブドウ栽培はビオロジック。原則100%除梗。
10~12度の低温マセレーションを4、5日続けた後、自然にアルコール発酵。トータルで3週間のキュヴェゾンを行う。その後、およそ16ヶ月樽熟成。村名ワインでも新樽率は50%。1級レ・ダモードは70%、プリュリエは100%と新樽比率は高い。
今回のクロ ド ラ ロッシュは収量は35hl/ha。手摘みで収穫後60%除梗、自然酵母で発酵し、マロラクティック発酵を行う。
熟成は新樽100%で18ヶ月。無濾過でボトル詰め。

シモン ビーズはサヴィニー レ ボーヌに拠点を置く1880年に設立されたドメーヌ。ドメーヌ本詰めは1950年から。1972年よりパトリック ビーズがドメーヌを引き継ぎ、ラトリシエールシャンベルタン、コルトンシャルルマーニュという特級畑を取得、その後2013年他界し、現在は奥様の千砂さんがドメーヌを引き継いでいます。2014年には買いぶどうながらコルトン ルナルドも醸造しています。
2008年よりビオディナミを採用、
白ワインは収穫後、すぐに圧搾し。12時間のデブルバージュ。小樽に移して発酵。クリマに応じて6∼12ヶ月の樽熟成。新樽率は15∼30%で、古い樽は5年ものまで使用。
バトナージュは様子を見ながら適宜実施する。
赤ワインは基本的に100%全房発酵。梗が熟さない場合は必要都度除梗する。
木桶で発酵し、足でピジャージュ。新樽比率は少なく、収穫翌年の1月から3月にかけてすべてのワインを瓶詰めする。今回のマルコネは最もボーヌ寄りの1級畑。ボーヌの同名畑とは高速道路を挟んで隣り合う。樹齢40年程度で収量は35~40hl/ha。手摘みで収穫。
全房発酵、天然酵母で10日間発酵。熟成は旧樽のみで12~15ヵ月。マロラクティック発酵は自発的に実施。無清澄、無ろ過で瓶詰めされる。


【テイスティングコメント】
生産者: メゾン ロッシュ ド ベレーヌ
銘柄: ブルゴーニュ ピノノワール ヴィエイユヴィーニュ 2012

約3000円
外観はやや濃い色調のルビー、粘性は中庸。
非常にレベルが高く、このACブルの中にブルゴーニュの基本的な良さは全て詰まっていると思う。
どこか特定のアペラシオンというより、ACブルとして突出した味わいがあると思う。瑞々しくピュアで華やか、加えて凝縮感のある果実味がある。
ブルーベリーやダークチェリーのリキュール、少し茎やハーブ、グローヴなどの青さ、エナメルリムーバー、スミレの様な香りが感じられる。そこにほのかに樹皮の要素やジビエ、八角やオリエンタルスパイスなどの要素も現れてくる。
樽香はごく僅か、ほぼ果実の凝縮度とピュアさが完全に押し出されている感じ。あまり余計な醸造起因の香りがしない。
酸とタンニン、ほのかに感じる甘み=グリセリン感のバランスが良く、酸味とタンニンを綺麗にグリセリン感が包み込んで、余韻にほのかな甘さを残してくれる。
少しピュアなベリー系の香りと共にミルクの含み香も感じられる。


生産者: シモン ビーズ
銘柄: サヴィニー レ ボーヌ プルミエクリュ レ マルコネ 2013

約10000円、WA86-88pt(2009)
外観は濃く澄んだルビーで粘性は中庸。
極めて華やかなで広域に広がる様な彩り豊かなサヴィニー。
華やかなスミレや溶剤の香りと共にクリアで果実味の強いアメリカンチェリーやブルーベリーの様な果実味。ほのかにキャンディを思わせる若々しい芳香がある。茎やグローヴ、ローズマリーなどのスパイシーな香り、そしてミルクティーなどのまろやかさ、なめし革などの要素、樹皮。過剰に焦げた香りの無い、ピュアなピノノワールといった感じがする。
タンニンはきめ細やかで、酸は豊かで緻密。ベリーの華やかな要素やグローヴの要素なども感じられる。綺麗なシロップの様な含み香。


生産者: ドメーヌ ヴァンサン レシュノー
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2013

約38000円、WA98~100pt(2002)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
ボリューム感があり、極めて力強く凝縮感があるクロ ド ラ ロッシュ。
煮詰めたダークチェリーやイチゴの様なアロマ、五香粉やワッフルの様なほのかに焦げた様な香りやスパイシーな香り、スミレのリキュール、グローヴ。煌びやかななめし革や獣の皮、オリエンタルスパイスの様な香りがあり、ほのかに乾いた土のニュアンスもある。ミルクティーの様なまろやかさも。
際立って複雑で、かつ凝縮感がありバランスが取れている。
酸は柔らかく、タンニンも穏やか。ボディに丸みはあるものの、際立ってキツイ要素は無く、滑らかに口の中を滑り込んでくる。五香粉やミルク、ダークチェリーの様な果実味が感じられる。密度も高い。



【所感】
ロッシュ ド ベレーヌのACブルゴーニュ。
これは物凄い良くて確実に3000円を超える価値があると思います。ニュイやボーヌの有名アペラシオンの様なしっかりとした個性が無いながらも、ブルゴーニュらしさをしっかりと押し出した極めてピュアなピノノワールです。
そういう意味でいうと、後述するシモンビーズのサヴィニー レ ボーヌは近い線に行っているかもしれません。
まずこのクラスとしては驚異的なバランス感の良さで、果実味が薄かったり、妙に酸っぱかったり、タンニンが刺々しいわけではなく、華やかさがありながら、骨子を占める果実味の凝縮度がしっかりとあり、余韻にほのかな甘みと酸味を感じさせてくれるのがいいですね。良い意味で抑制された甘露さというか。黒系なんですが、瑞々しい小果実の香りが際立っています。恐らく全房発酵で、梗の青いニュアンスが複雑さも与えています。樽のニュアンスはほぼなく、果実本来の味わいが強く現れていると思います。
安定感のあるキュヴェです。これは本当にオススメ。

次はシモンビーズのサヴィニー1級マルコネ。
タイプは前述のVVに近いですが、値段は3倍程度。
ただこれくらいが本来は妥当な値段ではないかと思います。ただやはり1級というか、より緻密な要素のあるワインで、瓶詰めの早さから、やや若々しいキャンディ香がありますが、骨子を支える酸やタンニンはバランス良く存在しているし、あと樽のニュアンスも程よくありますね、焦げ香ではない、樹皮の香り。
大筋はピュアで瑞々しいピノノワールだと思いますが、その点複雑な作りをしていると思います。
マロラクティック発酵のまろやかさもありますね。
醸造を受け止めるだけの地力があるワインということかもしれません。華やかさと共にしっかりとした果実味、適度な複雑さを持った良くできたキュヴェです。

最後はレシュノーのクロ ド ラ ロッシュ。
今までの2本とは異なり、特級のパワフルな果実に隙のないリッチな醸造を施した、ある意味対局にあるようなワインだと思います。
太く凝縮感のある赤系果実味と、グランクリュらしいしっかりとした樽使い、複雑さ。
ロースト香と五香粉、スミレのリキュールの様な華やかさ、なめし革の要素。そしてたっぷりとした果実味。穏やかで抑制の効いたシモンビーズやロッシュ ド ベレーヌと異なり、グランクリュの果実味の強さに、醸造要素を最大限付加して高いレベルでバランスを取っている。パワフルだが継ぎ目がない。
酸とタンニンはグリセリン感に包まれてトゲトゲしさは無いです。流石にかなり良くまとまったワインだと思います。




クロ・ド・ラ・ロッシュ[2010]レシュノー

クロ・ド・ラ・ロッシュ[2010]レシュノー
価格:38,016円(税込、送料別)

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR