ミネラルと果実味の融合。ドーヴィサ、ラヴノーのシャブリ。


こんにちは。
ブルゴーニュ好きにも関わらず、シャブリは経験値が低いワインのうちの一つです。
特級はヴォーデジール、一級はヴァイヨンとフルショーム、あとは地域名をいくつか、というのが関の山です。

今回は弱点克服も含めて、シャブリにおける最高の生産者、フランソワ ラヴノーとヴァンサン ドーヴィサのグランクリュ、プルミエクリュを頂きました。
区画と地域名のニュアンスを意図的に変えているのか、その違いは非常にわかりやすく理解しやすいものでした。

では、生産者の紹介です。
ヴァンサン ドーヴィサはシャブリのトップドメーヌ。シャブリとしては実に長命なワインを造り、シャブリにしては珍しくタンクで発酵、熟成は樽を使用しています。グランクリュ、プルミエクリュのシャルドネの樹齢は45年、ビオディナミで栽培しています。新樽比率は低く約2割程度。
ポートフォリオはグランクリュからプティシャブリまでシャブリ内に複数の畑を所有しています。

フランソワラヴノーはドーヴィサと双璧を成すシャブリのトップドメーヌ。
ドーヴィサとは親類関係にあります。
収穫は手積み。発酵、熟成は旧樽中心の無濾過。ポートフォリオはシャブリを中心にグランクリュ、プルミエクリュ、広域名中心です。
今回はラヴノーのグランクリュ レ クロとプルミエクリュ ラ フォレ、ドーヴィサのグランクリュ レ クロを頂きました。


生産者: フランソワ ラヴノー
銘柄: シャブリ プルミエクリュ ラ フォレ 2009

約12000円、パーカーポイントは92点。
色調はいずれも透明度の高い、淡いレモンイエロー、粘性はやや高め。
火打石の様なミネラル感はシャブリらしくやはり強いが、グランクリュの鮮烈さと比較するとインパクトは弱いか。
その代わりフレッシュなグレープ、ともすればマスカットにも近いとろける様な瑞々しい果実味が主張する。
またライム、りんごの果実味や白胡椒、バニラ、フレッシュハーブの香りがある。とにかくフレッシュだが、地域名ほどドライではなく、特級ほと厚みがあるわけではない、絶妙に中間を行くバランスの良い味わい。
酸味は果実本来の酸味程度で、比較的マイルド。優しくキャッチーな素晴らしいシャルドネ。いや、グレープだわぁ。


生産者: フランソワ ラヴノー
銘柄: シャブリ グランクリュ レ クロ 2009

約21000円、パーカーポイントは95点。
色調はいずれも透明度高い淡いレモンイエロー。粘性は高い。
一級格と比べて溌剌とした果実味は丸みを帯び、より灯油やオイリーなニュアンスが前に出ている。
西洋サンザシ、花の蜜、洋梨、マンゴーの甘やかな果実や花の香りを中心として、きりりとした中にバターやナッツの樽香があり、濃厚でとろりとした印象。ヨーグルトも。
よりムルソーなどのタイプに近い形だが、ミネラル分が半端なく主張している。
こちらも果実味程度の酸味。余韻は長い。この灯油っぽい厚みはすごいな、俺の知ってるシャブリと違うわ。


生産者: ヴァンサン ドーヴィサ
銘柄: シャブリ グランクリュ レ クロ 2010

約9000円、2009年のパーカーポイントは96点です。
色調はいずれも透明度高い淡いレモンイエロー。粘性は低い。
膜を張るような分厚い灯油、オイルっぽさと、火打石の様な強烈なミネラル。
ラヴノーはより果実味に寄った造りだったが、ドーヴィサはよりミネラル、灯油っぽさ、特異性を押し出している形。リースリングに近い。
官能的なボディを感じさせる厚み。
桃やカリンなどの柑橘系の果実味や、白い花、花の蜜、フレッシュハーブの清涼感が突出している。シナモンやヘーゼルナッツも。
アタックは柔らかで、舌先を通る滑らかな酸味が素晴らしい。余韻は長く、瑞々しいグレープ、トマト、ハチミツ、オイルの余韻が残る。
途轍もなく素晴らしいんだが、何故価格がラヴノーの半分以下なのだろうか...不思議。


特級になるとシャブリに見られる柑橘系のシャープなニュアンスはほぼ見られなくなり、コートドボーヌの白の様な厚みや豊満さを見せる様になりますね。
普通のシャブリとは全く別物として考えていいと思います。樽使いの部分もあるとは思いますが、シャープなシャブリの延長上として考えるとちょっと違うかもしれませんね。
シャブリの凡庸さを跳ね飛ばす卓抜した、素晴らしいグランクリュ、プルミエクリュでした。



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まとめtyaiました【ミネラルと果実味の融合。ドーヴィサ、ラヴノーのシャブリ。】

こんにちは。ブルゴーニュ好きにも関わらず、シャブリは経験値が低いワインのうちの一つです。特級はヴォーデジール、一級はヴァイヨンとフルショーム、あとは地域名をいくつか、と...

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ドーヴィサの2010年

はじめまして。
たまたま、ネット検索したら、こちらのブログを発見しました。
コメントを拝見するに、すばらしい表現力でうらやましい限りです。

ところでドーヴィサの2010年ですが、近年稀に見る相当な出来映えです。
2002年、2005年、2007年と何度か飲みましたが、個人的にはNo.1です。 最近評価も上がり、だんだんと高価になりましたが、相変わらずラヴノーの半分程度(1stリリースは同じくらいですが)。
ラヴノーは15年くらいで真価発揮のケースが多いですので早飲みすると価格が??です。

非常に勉強になるので更新楽しみにしています。

こんばんわ。
ご覧頂きありがとうございます。

私はドーヴィサのクロは2010が初めて飲んだヴィンテージなのですが、とても素晴らしいと感じました。バックヴィンテージを飲まれたのは羨ましい限りです。
熟成ポテンシャルは非常に高いと感じましたが、15年も熟成するとは…
私は多分待てなくて飲んじゃいそうですけど…!

一応テキストに沿った表現を心掛けてはいるものの、なにぶん感覚に由縁するものなので、話半分で見て頂けると非常に助かります笑
テイスティングは本当に難しいですねー比較すると明らかな違いがあるのに、日を置いて比較したり、単体で飲むと「あれ同じじゃないか?」と思う時もあるので結構水物だと思ってます。
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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