Abysse(アビス: 外苑前)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

あけましておめでとうございます、HKOです。
ひとりぼっちのテイスティング勉強会は新年から特に正月。意識せずに平常運行でいきます。

新年一発目はミシュランガイド 2016で新たに*1を獲得したアビスです。シェフはル プティ ニースとカンテサンスで経験を積んだ弱冠30歳の目黒浩太郎氏。


場所は元フロリレージュの跡地。
住宅が並ぶ中にひっそりと居を構えています。


しかも脇に入るし、入り口がわかりにくい!
オシャレだけども!


なかなかモダンな雰囲気あります。



店内はテーブル席が数席。シックかつモダンな内装。お店のロゴが入ったガラス製の水を思わせる印象的なウェルカムプレート。


早速シャンパーニュを注文します。


生産者: リシャール フリュノー
銘柄: カルト ペルル キュヴェ スペシアル アイ グランクリュ ブリュット NV
品種: ピノノワール40%、シャルドネ40%、ピノムニエ30%

外観は少し赤みを帯びたイエローで、粘性は中庸。
かなりミネラル感が突出していて、石の様なタッチを感じられる。摩り下ろしたリンゴの様な深い旨みを感じさせる果実味。シトラスの様な清涼感。フレッシュさが主体ながら、ほのかにトーストやナッツなどの風味が感じられる。フレッシュハーブなどの風味が感じられる。
ほのかにロースト香も混じり始める。マロラクティック発酵はあまりしていなさそう。
酸味より旨みの方が強くフレッシュでありながら力強い含み香。口の中でふくよかさが溢れる。

あまり有名ではないですが、なかなかいい生産者ですね。
ピノノワールとシャルドネは半々ですが、ピノノワールの方の特徴がよく出ているなと感じました。


◾︎アミューズ
・海藻のサブレ

海藻の磯の香りが強く感じられるサブレ。
甘くない。

・ヒラメ パッションフルーツソース(★★)


パッションフルーツの種のカリカリとした食感と甘酸っぱさ、オリーブオイルのまろやかさが、ヒラメのプレーンで瑞々しい風味が調和。パッションフルーツがレモンの様な役割を果たしていて、違和感なく自然に融合している。

なかなか期待感を煽るアミューズです。
次は前菜その1です。



◾︎アントレ1「パイ生地に乗せたホタテ、マッシュルーム、キャビア、カラスミ(★★★★)」


華やかでアーティスティックなプレゼンテーション。
パイの上にホタテとマッシュルームを交互に、上からカラスミとキャビアを、柑橘のドレッシングと共に。
瑞々しいプリプリしっとりとしたホタテに、ポキポキとしたマッシュルームの食感と香り、キャビアのプチプチした食感が混じる。キャビアにあまり塩辛さは感じない。
少しばかり酸味のきいた柑橘のソース、ハーブの香り。
プレーンなホタテとマッシュルームを間に挟まれた玉ねぎとサワークリームと、バターたっぷりのパイがボリューム感を演出。
クリームや香味野菜の風味が先行し、パイの余韻を残す。
ソースの酸味が味わいに立体感を持たせているように感じた。

いやいやいや、既に前菜から物凄い美味しい...
気分が盛り上がってきます。次は魚料理1皿目。


◾︎ポワソン1「山口県萩市産鰆 ほうれん草と牡蠣のソース(★★★★)」


ミキュイした鰆にほうれん草と牡蠣のソース。
ソースはほうれん草とバターの風味が強いが、後から牡蠣の鉄分を思わせる風味が表出してくる。
鰆は外側に少しばかり火が入っている状態で、内側はほぼレアの状態で身は弾力がありプリプリ。噛みしめるとしっかりと鰆の美味しさがダイレクトに溢れてくる。レアの食感と火入れの香ばしさを共に味わえる。
鰆の肉感的な食感とツナを思わせる香ばしさ、それにバターソースが神憑り的に調和する。
最高。鶏肉にも似ているが、鶏肉には決して出ない食感だよなぁ。


もう既に3皿目から感動している。
次は4皿目。魚ではありませんが魚介類入ってました。


◾︎アントレ2「フォアグラのフラン 今日人参のピューレ セロリ ブドウ、北海道産雲丹(★★★★)」


フォアグラのフラン。プディングというより茶碗蒸しの方が質感近いかも。フォアグラの風味を残していますが、重いコッテリさはない感じ。滑らか。
京人参のピューレとブドウの甘さはそれぞれの特徴をちゃんと残していて、滑らかなフランに複雑さを与えている。
あまり目立たないけど雲丹の磯の風味も面白いし、セロリの清涼感のある風味と食感も楽しいです。
当然ブドウの甘みと最高にマリアージュ。フォアグラとマデイラソースの関係を中庸に解釈した感じだろうか。あそこまで極端じゃないんですよね。さっぱりと食べさせてくれる。


お次はシェフのスペシャリテのスープ ド ポワソン。
なんと7種類もの魚を使っているとのこと。


◾︎スープ「スープ ド ポワソン(★★★★+)」


7種類の魚(カサゴ、真鯛、甘鯛、サンマ?、イトヨリ、イシモチ、舌平目)、そしてオマール海老、柑橘とスパイスで仕上げたスープ。
粘性は低いけど、とても濃厚で複雑な風味が感じられる。
濃密、という表現が近いだろうか。
香りも超強烈。いわゆるスープドポワソンやブイヤベースの枠内の料理でありながら、甲殻類の風味とスパイスの辛味と柑橘の爽やかさが調和してくる。
各々の魚の風味まではつかめないけど、カサゴっぽさはあるかも。めっちゃ好みの味。味わいの深みが本当に素晴らしい。
またパリパリのパン生地の上にパルメザンチーズとアイオリソースを乗せた添え物も、スープ ド ポワソンと南仏の伝統的なペアリングを見せてくれる。


最後はメインの魚料理。
その前にペアリングするワインを選ぶ。
個人的な興味はサヴィニエールにあったが、ここは無難にブルゴーニュのシャルドネを合わせていく。
豪華にもフォラティエールがあったので、それを。


生産者: ジャン パスカル
銘柄: ピュリニーモンラッシェ プルミエクリュ レ フォラティエール 2011

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
張り詰めたミネラル感、ローストナッツを思わせる焦がした様なロースト香、マロラクティック発酵によるバターの香り。堅牢なピュリニーモンラッシェ。蜜やシロップの様な繊細な甘い香りがあり、洋梨や花梨の様な果実味と、バニラ、リコリスなどの香りが感じられる。
堅牢でありながら、時間が経つとかなりバニラやナッツ、蜜などのキャッチーな側面が現れてくる。
酸味は比較的穏やかだかミネラル感があり、一塊感がある。マロの苦味もなく、滑らかで品質の高いワイン。


うーん、ミネラル感がありながらリッチなピュリニーですね。なかなかいい生産者です。


◾︎ポワソン2「静岡産金目鯛、山口県産甘鯛 玉ねぎ レモンのコンフィ 白醤油のソース(★★★★★)」


知りうる中でも個人的な好みにかなり刺さり込んだ最高の魚料理の一つ。
手前の金目鯛はエキスを十分に含みながら適度な身の硬さにキュイソンされ、皮はパリパリ。驚くほどナイフの入りがいい。崩れない。それでいて旨味は決して逃してはいない。魚の旨味とレモンの酸味と驚く程の調和を見せる。
また奥の甘鯛は手前の金目鯛とはまた違った質感に仕上げられている。食感が極めて面白くて、まるで焼きたてのパイを噛むかの様なパリパリサクサクとした皮。その皮の食感に反して、驚くほどふっくらと火が入れられている。エキスたっぷり。旨みのスープが溢れてくる。皮の香ばしさと食感、身から溢れ出るエキスとふっくらとした肉質がたまらない。
それらを味わいの焦点を定める玉ねぎとレモンの酸味が、またいい味を出していると思います。


ここまででメインになります。もう全てが素晴らしかった...次にデセールの前に2種類のチーズが供されます。



◾︎チーズ(写真撮るの忘れた...)
・プリア サヴァラン (★)

写真は海外の通販サイトから。
バターにも似た極めてクリーミーな白カビタイプのチーズ。濃厚だけど、あまり極端な癖は無い。レーズン入りのパンとのマッチングが凄まじい。

・アミ ド シャンベルタン(★)

写真はwikiから。
ウォッシュタイプだが、例の強烈な臭みがあまり感じられない。ミルクの濃厚な風味と塩気、強烈な旨みを包含する。ほのかに鼻に抜けるウォッシュ香とプルッとした食感が面白い。こちらもレーズン入りパンとしっかりとマリアージュする。


ちょっとチーズでブレイクした後はデセールです。
デセールは2皿でプレとグランがあります。
まずはプレデセールから。


◾︎ローズマリーのブランマンジェ ストロベリーソースと薔薇の花びら(★★★★)


ねっとりと濃厚なブランマンジェに華やかなローズマリーのハーブ的な香りとストロベリーのソース、薔薇の風味が口の中に広がる。鼻に直撃する様な華やかな香り。ストロベリーとローズマリーの風味が素晴らしく良く合う。華やかで広がりがある。
ストロベリーのソースがさほど酸っぱくないところがブランマンジェに合いますね。


◾︎ショコラ 金柑のコンポート バニラアイス チョコレートスティック(★★)


筒状のチョコクッキーの中に金柑の甘いコンポートと暖かいショコラが。その上にはバニラアイス、そしパリパリのビターなチョコレートスティック。
ショコラはカリカリ、金柑の甘いコンポートはオランジェットを思わせる風味が感じられる。
熱々のショコラでバニラアイスが溶けていく。
熱いショコラとバニラの冷たさの温度差が楽しい。
徐々にショコラがサクサクになっていき、融合していく。濃くて美味しいデザート。


◾︎真珠に見立てたホワイトチョコレート(★)
◾︎食後のコーヒー




新進気鋭のアビス、かなり良かったですね...
魚料理がメインですが物足りないどころか、かなりお腹いっぱいになりました。
一つ一つの料理もかなり凝っていて、精密なキュイソンと食材同士の調和にはかなり好感が持てます。
テーマに統一感があるのもわかりやすくていいです。
個人的にはどの皿も素晴らしかったのですが、特に鰆、鯛、スープ、パイが出色の出来だったと思います...ってやっぱりそれ殆どですね!
とはいえ目黒シェフが作る肉料理もどんな感じなのか...というのも気になります。


住所: 東京都港区南青山 4丁目9−9 AOYAMA TMI 1F
店名: Abysse(アビス)
電話番号: 03 6804 3846
営業時間:
ランチ: 12:00~(L.O.13:30)
ディナー: 18:30~(L.O.20:30)
閉店時間はお問い合わせください。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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