【ボルドー:31】サンテミリオン クラッセ A頂点の熟成を利く

こんにちは、HKOです。
本日は新年2回目のボルドーです。
シャトーアンジェリス、そしてシャトーオーゾンヌの古酒です。

では行ってみましょう。


【データ】
シャトーアンジェリュスは2012年に念願の第一特別級Aに昇格を果たしたサンテミリオン最上の生産者の内の一人。現在はド ブーアール ド ラフォレと息子たちによって運営され、コンサルタントにはミシェルロランを招聘している。元々品質の高いワインを生産していたが、1980年代以降ミシェルロランをコンサルタントに迎えてから劇的な品質向上を遂げた。新樽100%(小樽)での熟成や厳しい選別を導入し、グランクリュクラッセに相応しい品質導入なった。そして2012年、遂に第一特別級Aに念願の昇格を果たした。
畑はマゼラ ヴァレーの南向き下方斜面の石灰質の粘土質ロームと粘土が砂に入り混じった土壌に平均樹齢30年のブドウが植えられている。平均収量は32hl/ha。生産本数は7万本程度。発酵とマセレーションは壁が二重になった小容量のステンレスとコンクリートの槽で3~5週間。マロラクティックと18~24ヶ月の熟成はオークの新樽で行う。清澄も濾過もしない。

シャトーオーゾンヌはサンテミリオンにおいてシュヴァルブラン(現在はそれにパヴィとアンジェリュスが加わる)に並び最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。現在はヴォーティエ家が所有しています。メドックの5大シャトー、ペトリュスやディケム、その他のサンテミリオン第一特別級Aと比較して最も生産量が少ないシャトーで、生産量は僅か2万本程度。 保有畑はラ ガフリエールとパヴィに隣接する平均樹齢50年程度の7ha(粘土と砂で構成)。収量は35hl/ha。低収量に抑え葡萄が完熟するまで待ち、すべて手摘みで収穫。畑と除梗後の2回選果。アルコール発酵は木製タンクで実施。ルモンタージュは軽めに行う。
マロラクティック発酵を行いながら、新樽比率100%で19ケ月から23ケ月熟成。無濾過で瓶詰めする。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー アンジェリス 1993
品種: メルロー 50%、カベルネフラン 47%、カベルネソーヴィニヨン3%

約52000円、WA92pt
外観は濃いガーネットでエッジはオレンジを帯びている。粘性は中庸。
毛皮や生肉を思わせる獣香、焦がしたゴム、濡れた木や腐葉土のニュアンスを感じる。香りの質は濃密で厚みがある。ブラックベリーやダークチェリーを潰した甘くないジャムに徐々にコンポートの様な甘みが現れてくる。
黒オリーブやシシトウ、スミレのドライフラワー、西洋杉の樹皮、ほのかに甘草やサフラン、炭焼きの様なニュアンスが感じられる。サンテミリオンらしい香り。
酸やタンニンはこちらも柔らかく落ち着いている印象で収斂性はあまり感じられない。香りの濃さと比べると、かなり落ち着いた印象を受ける。生肉やゴム、黒オリーブなどの余韻が感じられる。もう少し熟成を経た方が良いかもしれない。


生産者、銘柄: シャトー オーゾンヌ 1988
品種: メルロー50%、カベルネフラン50%

87000円、WA91pt
外観は透明感のあるオレンジ、粘性は中庸。
落ち着いた体躯になっていて、アプリコットや梅しばの様な果実味とバターの様なニュアンス、濡れた木や土の香りが融合し、出汁のような濃淡が淡い香りが感じられる。
バランスが良く綺麗に熟成している。ほのかな野イチゴのジャムのような甘み、乾いた藁やタイムのスパイスのニュアンス。錆びた釘やベーコン、紅茶、ハチミツなど。
ごく僅かにドライフラワーの香りが混じる。
酸やタンニンはほぼ落ち着いている状態で、丸みがあり、引っ掛かりを殆ど感じない、滑らかさがある。
当然ながら収斂性は柔らかくイチゴや紅茶、バター、梅しばの様な余韻が感じられる。


【所感】
まずアンジェリスから。
90年代前半という事で、まずまず飲むタイミングとしては悪くないと思います。飲み頃として果実味を感じられるレベルとしてはピークをやや過ぎた形、出汁感を味わうにはまだ早いタイミングといった感じでしょうか。
丁度その間とも言えるタイミングで、やや半端感がある気もします。
元々強力な果実味があった事を想起させる極めてしっかりとしたボディがあり、香りの立ち方も強いと思います。
ただ果実味が少し落ち込み気味で、焼いたゴムの様な樽香や熟成による獣香が前面に表出していて、少しバランスが崩れている印象です。時間が経過すると濃密な果実味も出てきますが、印象的には獣香がやっぱり強いと感じました。スパイシーな側面もあり、カベルネフランの特徴も出ていると思います。
その実、舌触りはなかなか綺麗なものでタンニンも酸もかなり落ち着いていると感じました。含み香は香り同様なので、少し好みを選ぶかもしれません。
ただポテンシャルは高いので、出汁感を楽しめる頃にもう一度頂きたいです。
対してオーゾンヌは出汁感を楽しめる時期に差し掛かっていて、それもピークといって差し支えのない時期に至っていると思います。去年飲んだ1981年よりも遥かにいい。
アプリコットや梅しばの様な充実した旨味のある果実味と、野イチゴのジャムの様な果実味が並存する。濡れた木材や腐葉土などの熟成感はあるものの、澄んだ透明感のある味わい。味わい自体強いものではないか、旨味と甘み、熟成香とのバランスが極めて良く、出汁の様な濃淡の淡い質感を感じる事ができる。
1981年は進み過ぎていた感はありますが、1988はかなりいい感じですね。価格的にはむしろ安いので、オススメです。

今回はどちらもオススメです。


シャトー・アンジェリュス[1994]

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価格:32,400円(税込、送料別)


シャトー・オーゾンヌ[1988] CHATEAU AUSONE

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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