【ボルドー:30】熟成優良ソーテルヌと優良メドックの2011ヴィンテージ

こんにちは、HKOです。
ワインブログらしく、新年1発目のワイン記事はボルドーです。今回は評価的にはあまり高く無い2つのシャトーのワインを。


【データ】
シャトー ラ トゥール ブランシュは1855年のソーテルヌ地方のワインの格付けで、ディケムの次に最高級にランクされたシャトー。1971年以降はフランス農務省がシャトーを管理、1988年に新樽100%へ、1989年には新樽で醗酵に移行、セラーは空気調整され、収量も14hl/haにまで減少、飛躍的に品質が向上した。品質に貢献したジャン ピエール ジョスランは引退しましたが、現在はコリーヌ リューレットに完全に引き継がれています。
平均樹齢は26年、発酵は2週間~3週間で実施、セミヨンはオークの新樽、ソーヴィニヨンとミュスカデルはステンレス槽を使用。
新樽100%で16ケ月~18ケ月熟成する。年間生産量は2万5千本。今回は品質が大きく改善する前のキュヴェとなります。

シャトー ベイシュヴェルはメドック格付第4級に位置するシャトー。1980年までは早熟で長持ちしない滑らかな味わいが持ち味のシャトーだったが、以降カベルネソーヴィニヨンの比率を多くし、キュヴェゾン期間、新しいオーク樽を増量、セカンドラベルのを導入し、より強い作り導入なったが、大きな持ち味は変わっていない。
平均年間生産量は30万本、平均樹齢は25年、平均収量は55hl/ha程度。ブドウは手摘収穫、選別後、100%除梗。発酵は65hlのステンレスとセメントの発酵槽で21~24日間実施。12月にアサンブラージュ後、新樽55~60%で16~18ヵ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ベイシュヴェル 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン47%、メルロー47%、カベルネフラン4%、プティヴェルト2%

WA87~89pt
外観はガーネットで、粘性は中庸。
高級感があり、ボルドーのグランヴァンらしい作りをしているが、香りからひ弱な体躯である事がわかる。
ミルクポーション、焦げた西洋杉、熟したカシス、ブラックベリーの様な甘露さを感じさせる香りが漂う。ほのかなスミレの様な香りとピーマンの様なグリニッシュな香り(良く抑えられているとは思う)モカやドライハーブ、ナッツ、ベーコンなどの風味も感じられる。
かなりアタックもライトで、凝縮度はあまり感じられない。とはいえ、ネガティヴな要素はかなり気を使って排しているのか、過剰に青かったり、タンニンがキツすぎたりする事もなく、こぢんまりと、良くまとまっていると思う。酸も穏やかで、かなり飲みやすいボルドー。


生産者、銘柄: シャトー ラ トゥール ブランシュ 1986
品種: セミヨン86%、ソーヴィニヨンブラン14%

約19000円、WA82pt
外観は黄金色で、粘性は高い。
黄桃やアプリコットのコンポートの濃密な香りと共に白カビチーズ、濡れた白檀やハチミツなどの熟成を思わせる香り。ドライハーブ、イーストなどの香りも感じられる。
エナメルリムーバーの様な香りもおり混ざる。
熟成香はあるが、やはり基本的には若々しい。
充実した糖度と複雑な香りが感じられるキュヴェ。
しっかりとした酸があり、余韻に多少の苦味があるが、存外に洗練された黄桃を思わせるボリューミーな口当たりが感じられる。レベルの高いソーテルヌ。


【所感】
シャトーベイシュヴェルから。
個人的には良いワインだと思います、滑らかでスムースで引っ掛かりの無い繊細なボルドーワインだと思います。
ただ現状の多くのボルドーのスタイルと比べると明らかに軽量でミディアムなボディ故に熟成はあまり期待できません。一般的なサンジュリアンを想定すると些かひ弱にも思えるかもしれません。
ただテイスティングコメントにも書いた様にネガティヴな要素はかなり気を使って排除をしているのか、過度に青かったりそういった事はなく、バランス良く早めに飲める分かりやすいスタイルに仕上がっています。
軽いからといって安っぽくも無いですし、これはこれで一つのボルドーのあり方として十分にありなスタイルだと思います。個人的には高級なボルドーを思わせつつ飲みやすい好きなワインです。濃いカベルネソーヴィニヨンを求めるのであれば論外かもしれませんが。
ラトゥール ブランシュもかなり良い貴腐だと思います。
価格は若干上がり傾向にありますが、1980年代のワインを2万円以下で購入できますし、品質的には現在に劣るのかもしれませんが、少なくとも評価ほど悪いワインには決して思えません。
いわゆる熟成貴腐の王道的な味わいで、白カビや濡れた白檀、ハチミツなどの熟成香とともに、核種系果実のコンポートの様な甘みがしっかりと感じられます。
熟成ならではの複雑さはしっかりと演出されておりながら、適切な酸があり、かなり高いレベルの味わいを維持していると思います。余韻に多少の苦味を伴いますが、まあご愛嬌といったところでしょうかね。変なワインを買うより余程良いかと。

どちらも一般的には良いワインとされていませんが、個人的には大変好みです。
ラトゥール ブランシュはソーテルヌ好きの人にはオススメできますが、ベイシュヴェルは自己責任で...

シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ[1969]

シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ[1969]
価格:20,520円(税込、送料別)


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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