Le Sputnik(ル スプートニク:六本木)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


HKOです。
ボルドーの記事を挟んで、またもやレストランの記事です。もう本当にこのブログの方向性がわからない...自分でさえも...

という訳で、ル スプートニクに行ってまいりました。
ル スプートニクもアビス、アジュール45、オマージュと共にミシュランガイド2016で新たに*1を獲得したお店です。オープンは2015年7月とまだ出来たばかりのお店です。
シェフはルドワイヤン、ヌーヴェルエールを経験し、ル ジュー ドゥ ラシエットのシェフを務めた高橋 雄二郎氏。



六本木駅近くの裏通りにひっそりとあります。
ブログをご覧になっている方であれば旧マックスボルドーの近くというのでイメージが付くかもしれません。


白を基調に窓の少ないモダンな建物。見るからに凄まじいオシャレ感が漂っています。
美しい。


内装もかなりモダンと言えます。テーブルクロスを排したカジュアルな一軒家レストラン的な雰囲気が漂います。

早速グラスワインを頼みます。
いつもならシャンパーニュ一択なんですが、個人的にあまり魅力的ではない銘柄だったのでパス。
白ワインで進めていきます。
夏なら間違いなくサンセールでしたが、さすがにこの寒いのにサンセールも今ひとつなのでメルキュレイブランを注文。


生産者: ドメーヌ ロレンゾン
銘柄: メルキュレイ ブラン 2009

外観は透明度の高い澄んだイエロー、粘性は中庸。
小石の様なミネラル感がある。
よく熟したシャルドネで、ふくよかな印象を受ける。
花梨や洋梨の蜜を思わせる果実味にバターやブリオッシュワッフルの要素が混じってくる。バニラやフレッシュハーブなどの要素が感じられる。スタンダードなブルゴーニュブランだが品質は高く、ボリューム感が感じられる。
口に含んだ時の酸は柔らかいが厚みがあり、フルーティーさとブリオッシュの風味が綺麗に余韻として残る。少し冷たいタッチのシャルドネ。

スタンダードなブルゴーニュのシャルドネですが、南に近いだけあり、ボリューム感が際立ちます。
ほぼ同時にフィンガーフードが供されてきます。


◾︎フィンガーフード「お米のエキスと柑橘のエスプーマ、ホタテ、キュウリ、紫蘇の葉の香り」


クリエーティブで面白いプレゼンテーションの一皿。
紫蘇の風味を感じさせる、やや硬めの柑橘のエスプーマに香ばしい潮の香りを感じるホタテとキュウリが潜んでいる。硬めのエスプーマと表現するか、フワフワのメレンゲと表現するのか微妙な感じではあります。
ホタテの潮の香りに、柑橘の酸味と塩気を感じさせるエスプーマが調和、紫蘇の香りも爽やか。サクサクとしたキュウリの食感もエスプーマと対比されて面白い。

時間を置かず次のフィンガーフードへ。


◾︎フィンガーフード「サツマイモのチュロス、紫薩摩芋のクレープとブーダンノワール」(★★)


チュロスちょっと食べちゃったよ...なので、実物はもっと長いです。すいません。
チュロスはフワフワでサクサク。よくあるガリガリのタイプのやつじゃないです。目が細かく揚げられたチュロスに下に敷かれたゴマの香ばしい風味が混じる。チュロス自体に甘みは余りなく、ほのかな薩摩芋の甘さと、ゴマの香ばしさと塩気が際立ってくる。
紫芋のクレープはブーダンノワールと薩摩芋の甘煮が巻かれていて、コクのあるリエットの様な動物性の塩っぽさと、薩摩芋のピューレの甘さが非常によく合う。クレープは香ばしくパリパリとした食感。巧みな食材の調和が楽しめる。


良いお店はフィンガーフードから巧みな調和を見せてくれます。気を抜いていないっていうのかな、フィンガーフードだけで期待感が高まってくるのがわかります。次もフィンガーフードです。


◾︎フィンガーフード「ワカサギのフリット ごぼうパウダーと五香粉 ごぼうの素揚げ」(★★)


カラッと素揚げしたワカサギに薄く細切りにして素揚げしたゴボウを絡めています。ゴボウパウダーと五香粉で味をつけています。
一応写真にあるものは全て食べられますし、美味しいのですが、流石にゴボウのフリットの量が多すぎて、残しました。素揚げなので脂っぽいし。
まあ、もともと全部食べる様な事は想定していないんだと思いますが。
ワカサギのフリットは外側がサクサクで、身の部分は柔らかくフワフワでホクホク。エキス感があって、ゴボウパウダーの塩気、五香粉の複雑さと調和し、エキスの旨みを引き立てています。少しカレーの風味もありますね。
ゴボウのフリットはパリパリでお馴染みの土の風味が鼻の中に登ってきます。食感としてはポテトチップスに似てますね。絡んでるんで少し食べにくいのですが美味しいです。
ワカサギのフリットとは完全に相乗してますね。


次は鯖です。

◾︎アントレ「鯖の瞬間スモーク 桜のチップ ロックフォールのソース、小茄子のマリネ セミドライオニオンのマリネ」(★★★★)


燻煙を蓋に封じ込めた形で供出。
蓋をあけると硝煙のような燻製の香りが一気に上がってくる。ロックフォールチーズのスープの上に小茄子マリネ、その上に桜のチップで瞬間スモークした鯖が乗ってます。脇にはマリネした酸味を感じるセミドライオニオンが添えられています。
スモーキーで脂の乗った鯖は個性的なロックフォールの滑らかさと良く調和しお互いの個性的な風味や強い旨味を互いに昇華させている。
またロックフォールの個性的な風味とクリーミーは茄子やセミドライオニオンの酸味も包み込んでくれる。
この一皿でロックフォールのソースと他の食材の酸味や個性を上手く相乗している。


複雑な一皿でした。
次も同じく複雑、それでいて凄まじい調和をみせてくれる一皿でした。


◾︎アントレ「茸のクレープとアイスクリーム ポーチドエッグ フォアグラのポワレ 様々な茸のソテー 茸のソース ミルクのエスプーマ トリュフパウダー」(★★★★)


まず凄いのが一皿に込めた食材の数。
クレープ、ポーチドエッグ、フォアグラのポワレに3~4種類(舞茸、花弁茸、タモギ茸、あわび茸)の茸のソテー。茸のアイスクリーム。
ソースはミルクのエスプーマと茸のピューレ。
これだけの食材を使うとメチャクチャな味になりそうなもんですが、驚く事にそれぞれの食材が機能的に動いて全体が綺麗に調和をしてくれるんですよね。
ポーチドエッグの卵黄が茸のソテーをまろやかにして、茸のソテーは食感の柔らかいフォアグラにに強い食感をもたらす。茸のアイスクリームはフォアグラとソテーにほのかな甘みを与え塩気と相乗するし、茸のクリーミーなピューレは全体のカラーをまとめ上げている。
それぞれの料理のエキスをクレープが吸い上げる。メチャクチャ巧みな技。濃厚な中にあるアイスのひんやりとしたタッチも面白い。
香りもトリュフで補強。食感、味わいが沢山の食材の中で競合せず、どれを選んでも基本的には完全に調和してくれるのがすごいですね。ペアリングの極致みたいな一皿です。


ものすごい一皿でした。感動。
次はようやくメインの魚です。


◾︎ポワソン「長崎産甘鯛の鱗焼き 蕪のソテーと蕪餅 鯛の骨から取った出汁と聖護院蕪のエキスのスープ」(★★★★)


長崎産の甘鯛を鱗ごとパリッと仕上げたものに、蕪のソテーと餅、鯛の骨と聖護院蕪から取った出汁をスープにして仕上げている。
鯛は鱗はスナックの様にカリカリに焼かれており、サクサクとした食感。そこにエキスに満ち満ちた甘鯛の味わいが広がっていく。香ばしい。
根菜が前面に出た鯛の澄んだ出汁の風味が良く合い和の雰囲気を強く感じさせてくれる。繊細な味わい。
蕪の餅はほのかに焼きが入っており、根菜類の甘みと滑らかさがある。蕪はフレッシュに近く、焼きで甘みは増しているもののザクザクとした食感を楽しめるり。


茸の皿が物凄かっただけに、少し落ち着いた皿だと感じましたが、濃厚さと対比して淡い色彩の料理も仕上げる事が出来る巧みさを表現した一皿だと思います。
さて肉料理の前に赤ワインを調達します。
グラスはクローズエルミタージュ、モンテリー、ラングドックのグルナッシュというラインナップです。
猪なので、グルナッシュを選びました。
クローズエルミタージュあたりは合いそうですが、ピノノワールでは弱そうです。


生産者: クロ マリー
銘柄: ロリヴェット 2012

華やかなラングドックで、グルナッシュ主体ではあるものの、シラーを思わせる様な華やかさがあり、重苦しさを感じない。果皮の様な要素が強く、やや抽出は強めかもしれない。
スモモやプラムなどのフレッシュな果実味があり、その酸味と旨味と共に、鉄釘やスミレの様な華やかな要素を感じ取る事ができる。パウンドケーキ、ミルクティーなど。
冷涼でありながら確かな熟度と蜜の様な繊細な甘い香りが良い。中間に強いケーキや溶剤の香りを伴ってくる。
酸味は爽やかで、タンニンも柔らかくスムーズで丸みがある。スミレや鉄釘、プラムの様な余韻を感じさせる。


力強くありながら洗練されたグルナッシュで、甘ったるい感じではなく、張り詰めた冷たさを感じるグラスだと思います。



◾︎ヴィヤンド「若い猪のロースト ジロール茸 下仁田ネギ ジュ ド マルカッサン 猪ミンチのクロケット」(★★★★★)



ローストした猪のロース肉に、ソテーして甘みを増した下仁田ねぎ、塩気を感じるジロール茸、猪肉をミンチにして肉汁を封じ込めたクロケットを添えています。
猪の肉質はかなり強く、潤沢な脂と旨味の要素があり、強烈に味の強い豚肉を思わせる。キュイソンは内側がほのかにレアだが、しっかり火が通っている感じ。外側はカリッと仕上げられていて、塩で肉の旨みを引き上げている。そこに甘辛いジュ ド マルカッサンが絡み、調和。脂の甘みと良くあってくる。
下仁田ネギは香りと滑らかな甘みが素晴らしい。
猪とネギは合わないはずがない。一緒に頂くと味に奥深さがしっかりと出てくる。ネギからも香ばしさが出てくる。ジロール茸はしっかりと塩気を感じさせる。
猪のメンチカツも付け合わせでありながら素晴らしい存在感。エキスを丸ごと閉じ込めていて、サクサクとした食感の中に溢れんばかりの肉汁が。ジュワッと。すごい。ワインとも物凄く合ったと思う。


最後まで素晴らしい皿が並びました。
ここまでで本当に大満足。最高でした。
最後はデセールです。


◾︎デセール「柑橘とホワイトチョコ、ダークチョコ ココナッツのメレンゲ ココナッツのソルベ」(★★★)



蜜柑のソースをホワイトチョコとダークチョコで挟み、その上からクリームで包んだ球体にココナッツのメレンゲを立てた1品、横にはココナッツのソルベを添えている。
ココナッツの濃密で甘いメレンゲはサクサクとした食感の
ビターなチョコレートの苦味と柑橘の酸味と苦味、ホワイトチョコの滑らかな甘みが混じり合う。ダークチョコにはキャラメルの様なビターさとロースト感がある。基本的には中身はさほど強い甘みはなく、メレンゲで甘みのバランスをとりながら、サクサクとした食感を付加して行っている感じだろうか。サクサク食感と濃密な風味、ほのかな酸味が素晴らしい。
ココナッツのソルベは濃厚なココナッツミルクの風味で、下に甘いナッツと相乗してくれる。


デセールも大変良かったです。
最後はミニャルディーズとお茶をいただきます。


◾︎食後のコーヒーとミニャルディーズ



・紅茶のシュー
サクサクとした濃厚なクリームが入ったプチシュー。

・十日豆のブランマンジェ
アーモンドの様な風味があるブランマンジェ。


大変満足できました。
皿数が多く、量もそこそこあると思います。
またどれも大変創意工夫が凝らされています。あまり見たことのない料理ばかりで、どちらかというとカテゴリー的にはイノベーティブの様な気もしてしまうほど。
そして最も素晴らしいと感じたのは、すべての皿を通して食材同士の、ピューレやソース同士の調和と相乗効果に驚かされっぱなしでした。
その最もたるは茸の皿と鯖の皿。あれだけたくさんのものを一つにまとめ上げるというのは尋常ならざる技だなと感じました。 漫然と食べていると見逃すかもしれないレベルの工夫がそこかしこでなされているのが素晴らしいです。

いきなり今年1番かもしれないのが来てしまった。
どうしてくれましょうかね笑




住所: 東京都港区六本木7-9-9 リッモーネ六本木1階
店名: Le Sputnik(ル スプートニク)
電話番号: 05055892908
営業時間:
12:00~15:30(L.O.13:00)
18:00~23:00(L.O.20:30)
ランチ営業、日曜営業

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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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