【ブルゴーニュ:121】DRC 2011 水平テイスティング #2(ロマネ サンヴィヴァン、リシュブール)



こんにちは、HKOです。
本日は前回に引き続きDRC水平テイスティングです。
今回はモノポールを除く赤のフラッグシップ、ロマネ サン ヴィヴァン、そしてリシュブールです。
どの生産者もこれらの畑がほぼ最高位に位置するのですが、まだ先にラターシュとロマネコンティがあるのが恐ろしいですね。
では行ってみましょう。


【データ】
DRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名。栽培責任者はニコラ ジャコブ氏、醸造責任者はベルナール ノブレ氏。
以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。
栽培はビオディナミ。セレクション マッサールでクローンを選定した小粒のピノファンを使用。古木である事も合わせグリーンハーヴェストなしでも30hl/haに留まる。栽培を行い馬を使って耕作をします。
除梗は出来の良い年は全房で、熟度の低い年は3~4割除梗される。発酵は各クリュ専用のオーク樽を使用。低温浸漬は15度~16度で3日間。ピジャージュとルモンタージュは行う。補糖は原則行わない。
キュゥェゾンは18日~25日。32度から33度でマセラシオンを行う。熟成に使う樽はトロンセ、ベルトランジュ、ジュピーユ、アリエ産のオークをDRCで購入し、フランソワフレールで作られる。新樽100%で熟成。清澄は卵白を使用して行います。
保有する畑は以下の通り。
・コルトン(クロ デュ ロワ、ルナルド、ブレッサンド)

・エシェゾー(レ プライエール)
平均樹齢40年強、標高260~300m、バジョシアン石灰岩とマール。

・グランエシェゾー(レ グランエシェゾー)
平均樹齢50年弱、標高260mの平面、バジョシアン石灰岩、表土は80cm。

・ロマネサンヴィヴァン
樹齢15~50年、標高250m~265m、粘土質、表土は2m。

・リシュブール(レ リシュブール、レ ヴェロワイユ オー リシュブール)
樹齢30年~70年、標高260~280m、バトニアンのプレモー石灰岩、表土は80cm。

・ラ ターシュ(レ ゴーディショ オー ラターシュ、ラターシュ)
平均樹齢57年、標高250~300m、バトニアンのプレモー石灰岩とウーライト、表土は60cm~1m。

・モンラッシェ(ル モンラッシェ)
平均樹齢46年、標高255~270m、バトニアン硬質石灰岩+上部はバジョシアンのマール、表土は35~40cm。

・ロマネ コンティ
標高262~272m、東南東向き5%~15%斜面、バトニアン石灰岩+下部はバジョシアンのマール。表土は70cm~1.3m。

また各特級の若木を使った1級デュヴォープロシェがあります。ヴォーヌロマネの特級およびモンラッシェではいずれも区画最大所有者となっています。
ちなみに自社で瓶詰めはされませんがバタールモンラッシェと一部ヴォーヌロマネの1級畑も保有しています。


【ワインアドヴォケイトの点数】
コルトン 94pt 、エシェゾー 90pt 、グランエシェゾー 93pt 、ロマネ サン ヴィヴァン 94pt 、リシュブール 94pt 、ラターシュ 95pt 、モンラッシェ 97pt 、ロマネコンティ 96pt


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 2011

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
エシェゾーの様に明確な輪郭があり、広域に伸びていくタイプでありながら、華やかさと凝縮感と濃密な甘みを伴うキュヴェ。
チョコレートの様な濃密な甘みとイチゴやラズベリーを煮詰めたジャムの様な果実味がある。とろける様な甘露さ。
スミレや薔薇を思わせるエッセンス。それと同時にミネラル感も強い。トマトや五香粉、シナモン、オリエンタルスパイスなどのスパイシーな要素、鉄釘やなめし革のエッジ感、ブリオッシュの様な滑らかな香り。そして僅かにグローヴ、茎の様な要素。ややロースト感が感じられる。キャッチーで自然な果実の味わい。
徐々にシロップの様な甘みが増してくるが、あまり印象に変化がない堅固なワインである事が分かる。
酸もタンニンもシルクの様な質感で、かつ丸みがある。
旨味を大量に包含していて、凝縮度も高く、イチゴやラズベリーのフルーツの要素が際立って強く感じられる。華やかな薔薇やブリオッシュの香りも花に抜けていく。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2011

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
エシェゾーやロマネサンヴィヴァンに近い。高域に伸びていく突出した華やかさと凝縮感、甘露さ、そして野性的なニュアンスが際立つキュヴェ。
最初はグランエシェゾーに近いタイプで中~高域に球体が存在するタイプに見えた。極めて凝縮感があり濃密だが、甘露さはでてきにくかった。
生の薔薇やスミレの香りと共にトマトの様な風味、強いなめし革やベーコン、血液の野性的なニュアンス。
そして煮詰めたイチゴやアメリカンチェリーのジャムの様な果実味、五香粉やオリエンタルスパイスの様なスパイシーさ、コーヒーのニュアンス。シナモンやグローヴなどの要素が感じられる。ミルクポーションの様なニュアンス。
徐々に獣香が強くなってくる。ミントや黒糖シロップも現れてくる。それもなくなると茎のような風味とトマトの様な要素も現れてくる。
徐々に黒糖やワッフルを思わせる濃密な甘み、強いミネラル感が表出してくる。やはり中域のワインかもしれないが、華やかさも併せ持っている。
舌触りは滑らかで、酸もタンニンもシルキー。際立って旨味が感じられる。トマトやイチゴ、アメリカンチェリーの果実味と花畑の余韻が非常に長く続く。



【所感】
ロマネサンヴィヴァンとリシュブールでした。
この2本も全く性質が異なっていて面白いですね。
リシュブールは非常に硬く、その本懐までは完全に見ることが出来ませんでしたが、ポテンシャルは十二分に感じる事が出来ました。対してロマネサンヴィヴァンの方はかなりいい感じの状態になっていて、もちろん完全に開いている訳ではないのですが、いきなり飲んでも非常にキャッチーだし、美味しく作られているなぁと感じました。今飲んだ感じだとサンヴィヴァンはトップクラスに良かったと思いますね。現状でちゃんとバランスが取れている。

そんな感じのサンヴィヴァンですが、エシェゾーの様に明確な輪郭があり、広域に伸びていくタイプでありながら、華やかさと凝縮感と濃密な甘みを伴うキュヴェに作られています。
比較的若い樹齢のキュヴェなのでピーキーと言われますが、この中では現時点で安定しているキュヴェであるとは思います。華やかさと同時に円熟した果実味があり、樽香もはっきりしています。
ミネラル感は際立っていて、その奥にチョコレートや赤系果実を煮詰めた様な甘露な香り、スパイシーな要素、鉄釘や薔薇、スミレを思わせる明確な華やかさと輪郭、エッジ感。滑らかなブリオッシュを思わせる香りを包含しています。輪郭はハッキリしていますが、なんというかシルキーですよね。
わかりやすく、かつフレッシュで、過不足が無い。
タンニンや酸の強さでリシュブールに劣りますが、現時点ではサンヴィヴァンの方が良いと言い切れます。
素晴らしいワインです。

さて、逆説的にじゃあリシュブールは良くないのか、というと決してそういう訳ではありません。
ただ非常に堅牢な作りで、供出後1時間程は閉じている状態が続きました。かなり強い作りになっていて、香りは閉じこもっています。
開いた後は相対的にエシェゾーの方が華やかさは目立ちますが、サンヴィヴァン並みに飛び抜けて華やかであり、片一方で濃密な果実味と、特異な野生的なニュアンスがあるワインです。グランエシェゾーにタイプは近いかもしれません。華やかではありますが、その要素が主軸という訳ではない。よって中~高域に伸びるワインで、重厚感に溢れています。
生の薔薇やスミレを思わせる華やかさ、そしてなめし革やベーコン、煮詰めた赤系果実のような濃厚な果実味、ミルクポーションの様なふくよかさを感じる事ができます。濃密という意味ではDRCのポートフォリオにおいても特異なスタイルだと思います。
徐々に獣香が目立ってくるのもグランエシェゾーに近いタイプだと思いますね。

全体的にコルトン、エシェゾー、グランエシェゾーに比べると優れた点は確かに多いように思えますが、それだけではなくそもそもかなりタイプが異なりますね。単純にどれがどれの上位互換、下位互換という感じではないというか。
畑ごとの個性がこちらでもちゃんとでています。
比較してみると改めて発見があり興味深いですね。

2011DRCリシュブール Richebourg

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価格:319,410円(税込、送料別)


DRCロマネ・サンヴィヴァン 2011

DRCロマネ・サンヴィヴァン 2011
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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