【ブルゴーニュ:123】DRC 2011 水平テイスティング #4(モンラッシェ)


ついにラストです。



全ポートフォリオのコルク。


こんにちは、HKOです。
DRC水平テイスティングの最後は唯一の白、モンラッシェです。生産本数はなんと僅か4桁。
2012年は更に少なく、有名でありながら極めてレアなキュヴェと言えると思います。


【データ】
DRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名。栽培責任者はニコラ ジャコブ氏、醸造責任者はベルナール ノブレ氏。
以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。
栽培はビオディナミ。セレクション マッサールでクローンを選定した小粒のピノファンを使用。古木である事も合わせグリーンハーヴェストなしでも30hl/haに留まる。栽培を行い馬を使って耕作をします。
除梗は出来の良い年は全房で、熟度の低い年は3~4割除梗される。発酵は各クリュ専用のオーク樽を使用。低温浸漬は15度~16度で3日間。ピジャージュとルモンタージュは行う。補糖は原則行わない。
キュゥェゾンは18日~25日。32度から33度でマセラシオンを行う。熟成に使う樽はトロンセ、ベルトランジュ、ジュピーユ、アリエ産のオークをDRCで購入し、フランソワフレールで作られる。新樽100%で熟成。清澄は卵白を使用して行います。
保有する畑は以下の通り。
・コルトン(クロ デュ ロワ、ルナルド、ブレッサンド)

・エシェゾー(レ プライエール)
平均樹齢40年強、標高260~300m、バジョシアン石灰岩とマール。

・グランエシェゾー(レ グランエシェゾー)
平均樹齢50年弱、標高260mの平面、バジョシアン石灰岩、表土は80cm。

・ロマネサンヴィヴァン
樹齢15~50年、標高250m~265m、粘土質、表土は2m。

・リシュブール(レ リシュブール、レ ヴェロワイユ オー リシュブール)
樹齢30年~70年、標高260~280m、バトニアンのプレモー石灰岩、表土は80cm。

・ラ ターシュ(レ ゴーディショ オー ラターシュ、ラターシュ)
平均樹齢57年、標高250~300m、バトニアンのプレモー石灰岩とウーライト、表土は60cm~1m。

・モンラッシェ(ル モンラッシェ)
平均樹齢46年、標高255~270m、バトニアン硬質石灰岩+上部はバジョシアンのマール、表土は35~40cm。

・ロマネ コンティ
標高262~272m、東南東向き5%~15%斜面、バトニアン石灰岩+下部はバジョシアンのマール。表土は70cm~1.3m。

また各特級の若木を使った1級デュヴォープロシェがあります。ヴォーヌロマネの特級およびモンラッシェではいずれも区画最大所有者となっています。
ちなみに自社で瓶詰めはされませんがバタールモンラッシェと一部ヴォーヌロマネの1級畑も保有しています。


【ワインアドヴォケイトの点数と市場価格】
コルトン 94pt 、エシェゾー 90pt 、グランエシェゾー 93pt 、ロマネ サン ヴィヴァン 94pt 、リシュブール 94pt 、ラターシュ 95pt 、モンラッシェ 97pt 、ロマネコンティ 96pt



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: モンラッシェ グランクリュ 2011

外観は淡い輝きのあるイエローで粘性は高い。
当初ものすごく硬いかったが、徐々に解けてきた。
今までのモンラッシェとは一体何だったのか分からなくなるほどスタイルが異なる。力強く厚みがあり豊満なモンラッシェではあるのだけど、それを維持した上で恐ろしい程のミネラル感を含んでいる。粉っぽいミネラル感。
そしてカマンベールチーズの様なアロマに、これはもう本当にすごいんだが、爆発するような濃密な果実味がある。
様々なフルーツコンポート、甘露煮。黄桃や洋梨、マンゴーの様な核種系果実が混ざり合い、一番熟した部分だけを集めて混ぜた様なアロマ。バタースコッチ、バニラやイーストが際立ち、次にフレッシュハーブやシナモン、リコリスが複雑さを助長していく。贅沢な生乳っぽさもある。
果実の爆発が本当に半端なく感じられる。
メイプルシロップをかけたパンケーキやスポンジケーキの様な要素もある。すごい伸びしろのあるモンラッシェ。
酸も充実していて、かといって刺々しくなく、滑らかに丸みを帯びながら口の中に滑り込んでくる。
とてつもなく緻密な酸。口に含むとコンポートの他にシトラスが混じり合い、フレッシュハーブやパンケーキなどの要素が鼻に抜けていく。ヤバいワインだ...。超豪華な金色のワインといった風体。


【所感】
初めこそ硬いながらも、流石はモンラッシェ、物凄い規模感と複雑性を持ったシャルドネになっています。
モンラッシェならではのミネラル感と豊かなボリューム感はありつつも、他の生産者のモンラッシェを一歩先に進めた形でしょうか。極めて複雑な香りを放っています。
骨子は黄桃、洋梨、マンゴーをコンポートにした様な豊満な果実味、そしてバタースコッチ、イースト、パンケーキの様な香ばしい香りが入り混じる。
そして、他の生産者のそれには感じることの出来ないチーズケーキやリコリスの様な要素、フレッシュな生乳の様な要素が感じられます。
ニューワールドのシャルドネにもモンラッシェに近い果実味の表出の仕方をしているものもあります。
例えばオーベールやマーカッシン、コングスガードなどはかなりいい線行った作りなんですが、それとも一線を画した様な複雑さやミネラルを包含しています。
先述したワインはDRCと比べると幾分かシンプルですね。
果実の濃密度は近いと思いますが、樽も生乳やバタースコッチというより、スイートポテトを思わせる、やや穀物的な要素が入り混じりますので、こちらの方がピュアさを感じられます。
そして恐るべきはしっかりとMLFされているのにも関わらず余韻の苦味や酸の欠乏は一切ありません。
豊満でありながらピュアで複雑に仕上がっている。流石に格の違いを感じます。
勿論価格的に異なる部分もあり、ニューワールドも優れているとは思いますが、絶対的な評価となった場合にこのキュヴェには比肩していないと思います。

恐ろしい位に素晴らしいキュヴェでした。



記念撮影。
こういう機会もそう無いと思いますので。
大変勉強になりました。



◼︎まとめ
最後に今回のをマトリクス表にしました。
基本的には言葉で書いた通りですが、数値化してみました。


※高解像度バージョンはtwitterに載せときます。
※頑張って目を凝らして見ていただけると幸い。

1: DRCの中の相対評価です(それ以外は含みません)
2: 原則10が最高点。(差がありすぎるものは15を単一で付けています。)
3: ポイントの数値に大きな意味は無く、あくまで数値の差分を見てください。
4: ポテンシャル、飲みやすさは下記の通りの合計値
・将来的なポテンシャル
果実味(フレッシュさ、甘み、凝縮感)+ロースト香+華やかさ+酸+タンニン+グリセリン感
・今飲んで美味しい
(果実味(フレッシュさ、甘み)+樽材の香り+MLF+グリセリン感+質感) ー (獣香+酸+タンニン)


素晴らしい水平になりました。
またこうした機会があると良いのですが、まあ無いでしょうなぁ。







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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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