【ピエモンテ:17】エリオ アルターレ、バローロ アルボリーナ。

こんにちは、HKOです。
本日はエリオアルターレのアルボリーナです。


【データ】
エリオアルターレといえばバローロにブルゴーニュ的な醸造方法を持ち込んだエピソードが有名ですね。
バローロが売れない理由を生産醸造方法に見いだし、先進的なヴァンダンジュヴェールト、抽出の強化、バリック樽、新樽の使用を導入し、伝統的な生産者であった父親と絶縁状態になった...というあれです。
実際に先進的な栽培醸造方法が功を奏して現在のモダンバローロが評価され今に至るということで、バローロを一歩先に進めた偉大な生産者であります。
さて、冒頭に書いたバローロ ヴィネート アルボリーナ、ランゲ アルボリーナの双子の兄弟的存在である、という意味ですが、これは醸造方法に起因するものです。葡萄は同じものを使用しています。生産方法は前述の通り。
バローロ アルボリーナはMLF後に新樽20%、旧樽80%で新樽および旧樽で24ヶ月熟成されるのに対して、ランゲ アルボリーナは100%新樽に移してアルコール発酵とMLFを樽内で行い、そのまま18ヶ月の樽熟成を行うという違いです。
ちなみにランゲアルボリーナは生産量が少なくおよそ2500本~3000本程度。比較的レアなワインと言えます。
随分と前にランゲ アルボリーナはやりましたが、満を辞して今回はバローロ アルボリーナです。




【テイスティングコメント】
生産者: エリオ アルターレ
銘柄: バローロ アルボリーナ 2000

橙を帯びたガーネット、粘性は中庸。
かなり熟度の高いネッビオーロ。ボーイズ的な側面は控えめになり、よりトラディショナルなスタイルを感じさせる仕上がりに還元している。
干した様な濃密な黒系の果実味と藁やイーストの様な香りが主体的に感じられる。
干したプルーンや熟したブラックベリーの果実味(アルコール度数的にも新世界っぽい)と共に独特のイーストや藁の様な香りが感じられる、乾いた土、漢方、少し萎れた様な薔薇のドライフラワー。そしてドライイチジク、焦げたゴム、燻製肉、酵母的な香りがやや強めに感じられる。
酸味は柔らかく滑らかで、グリセリン感豊かで丸みがある。よく熟した果実味があり、干したプルーン、ダークチェリー。漢方やイーストの余韻が長く続いていく。
流石にタンニンは力強いが丸みがあるため、飲みやすさが際立つ。

【所感】
これは面白いですね...
うん、何が面白いって、ランゲほどではないにせよ正直モダンな造りを期待していたのですが、これかなりネッビオーロですよ。熟成によってドライフラワーっぽくなってますが、薔薇っぽい華やかさがまさにそんな感じ。そしてイーストや藁っぽい干し草の香り。
馴染むと意外と差分がなくなるもんですね...
ただ唯一大きく違う点があって、トラディショナルな凝縮感と瑞々しさを演出した果実味ではなく、もっと、乾いた、濃密で濃い黒系果実の果実味を強く感じられるのですよね。
なんだろう、果実の出方としてはシラーとかそこらへんに近いかもしれない。それはアルコール度数や口に含んだ時と丸みからも感じられて、想像以上に若々しく感じます。
まだまだ熟成しそう。
ランゲとは年代が違うので比較できないけど、きっと新樽比率的に、あまりバローロっぽい...って事にはならないのかもしれませんね。

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【ピエモンテ:16】バローロ テイスティング(ガヤ、プルノット) Part.2

こんにちは、HKOです。
本日は先日に引き続きピエモンテ、バローロをレポートしていきます。

【データ】
プルノットは1923年にランゲワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買取り、自身の名前でワイナリーを設立しています。拠点はモンフォルテダルバ。1956年の引退以降は醸造家ペッペ コッラ氏に引き継がれ、更に1989年にアンティノリに引き継がれています。畑の概念を早くに導入した生産者でもあります。
アンティノリに引き継がれて以降は優良畑「ブッシア」をはじめ、バルバレスコにも畑を買い増し、自社畑を少しずつ増やしています。
醸造に関しても、1999年には老朽化したセラーを最新の温度管理機能を備えた施設に一新し、発酵用のタンクは、古いコンクリート製のものから、ステンレス製に変更。熟成用の樽はバリックを採用しながら、スロベニアンオークの大樽もより小さい5,000~7,500リットルサイズへ変更しています。

ガヤはピエモンテにおける最も偉大な生産者のうちの一人です。
ポートフォリオも膨大でバルバレスコやバローロ、そして各々の単一畑。国際品種を使用したダルマジ、買収した生産者のブルネッロなど。いずれも比類なきレベルの高さ。価格も比類なき高さ。
国際品種の導入、単一畑、バリック樽の使用などイタリアにおいて革命的なシステムを数多く取り入れています。
特に単一畑はバルバレスコやバローロの名前をあえて使用せずランゲに格下げして生産しています。
なので、ボトルにはバルバレスコやバローロの表記こそありませんが実態としてはバローロ、バルバレスコの偉大な畑から産出される卓抜したネッビオーロです。
収量制限がなされて収穫された葡萄は、果皮と共に3週間ステンレスタンクで発酵が行われます。 バリック樽で12ヶ月熟成、その後さらにオーク大樽で約20ヶ月間の熟成を行われます。
通常伝統的なネッビオーロは大樽を使用しますが、最近のモダンバローロよろしく(最近は少なくないですが)バリック小樽を使用しています。技術革新も受け止めて比較的モダンな作りと言えると思います。


【テイスティングコメント】
生産者: プルノット
銘柄: バローロ ブッシア 2008

12000円、WA92pt
外観はルビー、エッジは橙を帯びている。粘性は中庸。
ファーストノートはフォン ド ヴォライユやブイヨンの様な動物性の香り、やや塩気を感じるドライシェリーの様な要素が感じられる。燻製肉や腐葉土、そしてドライフラワーの様な華やかさ、エナメルリムーバーの要素が混じる。
ブルーベリーの様な果実味。ナツメグやローリエなどのスパイスやハーブ、濡れた木材の様なニュアンスが感じられる。
酸やタンニンはやや強めで、収斂性はかなり高い。香ばしいフォンやコンソメを思わせる塩気と旨味のバランスを感じさせる。その後薔薇のような華やかな余韻も。
料理と合わせたい。


生産者: ガヤ
銘柄: コンテイザ 1996

54000円、WA93-95pt
外観は濃いガーネットだが、エッジは橙を帯びている。
粘性は中庸。
ファーストノートは熟成香の割にはかなり厚みのある香り。腐葉土や濡れた土、枯葉の様な熟成香、梅しばの様な完全に熟成した様な香りと共に、ナツメグなどで煮込んだソースに近いジャミーな香りがある。クローヴやリコリスなどのスパイス香、ベーコンや燻製肉などの動物的な要素も強めに出ている。シシトウ、イーストの香り、徐々に焼いたゴムの様な焦げ香、黒オリーブの様な塩気もある。
液体としては比較的強めで、酸もタンニンも滑らかだが、ボディは強く、深い旨味が広がっていく。肉や燻製、ドライシェリー、強めのブラックベリーのジャムを思わせる余韻を残していく。
甘露さこそ控えめながら、素晴らしい熟成香を放つ。


【所感】
引き続きバローロです。
名手プルノット、そして大御所ガヤのコンテイザのファーストヴィンテージ1996。
まずはプルノットの銘醸畑ブッシア 2008。
さすがに少し熟成してきている...というか酸化的な側面が出てきていますね。ただ旨味の出方がフォン ド ヴォライユの様で、なかなか良いと思いました。塩気を感じるドライシェリーの様な要素も全体の中でバランスが取れている感じですね。
燻製や落ち葉の様な熟成香もあるのですが、まだまだ経年が足りないのか酸とタンニンはエッジを残しています。というか果実味が落ち始めた時期だからか、過剰に目立ってるってのもあるんでしょうが。
プルノットのワインは若い時分はMLFがかかって比較的飲みやすい(ただしタンニン、酸はキツイ)のですが、これは少し厳しいかも知れない。
ただ料理と共通する要素を多数持っているので、それらを用いながら楽しむのが良いのではないかと思います。

次はガヤのコンテイザ。
何やらバルバレスコ単一畑はランゲからまたバルバレスコに戻すらしいですが、バローロの方はどうなんですかね。
まあこっちはスペルスとコンテイザは畑の名前じゃないから、名乗るべき単一畑は無いし、このままランゲて残るんだろうと思いますが。
あるいはランゲではなく、「バローロ」のスペルスとコンテイザにするとかね。
さて肝心のファーストヴィンテージのコンテイザはというと...香りとしてはかなり熟成が進んでいる感じがしました。20年近くを経過した香りですね、腐葉土、枯葉、梅しばなどの澄んだ香り。ただその中で、まだまだ液体は力強く、いわゆるピークオーバーしたような土だけの香りという弱さとは無縁のものとなっています。(まあ当然すかね。)
タンニンや酸は幾分か柔らかくなっているもののボディは厚く、深い旨みが広がっていきます。
比較的熟成香がはっきり出ていて、ここから更に発展していくのではないかと思います。
ちなみにコンテイザはラ モッラ、スペルスはセッラルンガとから産出されています。なおラ モッラは砂質で柔らかい土壌、セッラルンガはラ モッラと比べると150mほど高い位置にあり粘土質で冷たい土壌のようです。
やはりラ モッラ産のコンテイザの方がボリューム感があり、リッチなのですが、崩れないボディの厚みがその証左なんでしょうね。そういう意味だと華やかなスペルスだともっと馴染んでるかもしれません。




【ピエモンテ:15】バローロ テイスティング(エルヴィオ コーニョ、カヴァロット) Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はバローロです。
2日にわたって更新となりますが、本日はエルヴィオコーニョ、そしてカヴァロットの上位キュヴェとなります。


【データ】
エルヴィオ コーニョはランゲ ブリッコ ラヴェーラの丘に1990年に創設された比較的新しいワイナリー。
ランゲの中でも最南端に位置する場所にあります。
3代目エルヴィオ コーニョは1950年代末「マルカリーニ」で醸造を担当した実績を持っており、現在は娘のナディアと夫のヴァルテール・フィソーレが担当しています。
ミクロクリマの影響を受ける石灰質土壌のランゲにおいて南東向きの丘陵地帯に位置している為、日照条件も良く、海洋性の穏やかな気候の恩恵も受けています。降水量は少ないです。栽培には除草剤などは使用しません。
醸造では自然酵母を利用し、最新技術と伝統的製法を併用し、酸化しやすいネッビオーロ種へのアプローチとして厳密に温度管理をする最新式ステンレスタンクを使用、熟成はクロアチア産の伝統的な大樽を使用しています。
今回のブリッコ ペルニーチェはノヴェッロ村で栽培されるネッビオーロのクローン品種であるランピアの最上級のものを使用したキュヴェ。

カヴァロットはボスキスの丘の頂上に拠点を構えるカスティリオーネファレットの名門生産者。
創業は1929年、元詰めは1948年から開始。葡萄の栽培から醸造について、古典的な製法と味わいにこだわっています。
畑では、基本無農薬。除草剤もボルドー液のみで一切使用しない。房を制限するグリーンハーベストもほとんど行わない。自然のまま栽培し、雑草はある程度の高さまで刈り込んでからは自然に任せる手法を取っています。
カヴァロットの中でも最上とされるサン ジュゼッペ畑はカスティリオーネで、最も高い標高に位置する畑。標高300m~350m。樹齢は75年以上。地質全体に占める、砂質の割合は約20%程度。
そこで収穫したぶどうは35年以上使い続けている巨大なスラヴォニアンオークで栽培~熟成させる。


【テイスティングコメント】
生産者: エルヴィオ コーニョ
銘柄: バローロ ブリッコ ペルニーチェ 2010

13000円、WA93pt
外観は透明度の高いルビーで粘性は中庸。
ファーストノートは繊細で、薔薇やスミレなどの華やかな香りと共に、アメリカンチェリーなどの赤系の果実とオレンジやシトラスなどの柑橘の果実味が入り混じる。ほのかにイーストの香りも。甘い芳香というよりナチュラルな果実の香り。非常にピュアで、マスカテルな爽やかなフレーバーがある。 ローストした樽の香りは控えめでほのかにイースト香りがある。ラベンダーや青い葉、生肉、ユーカリやクローヴの要素がある。
タンニンは甘いが収斂性があり、酸は比較的強く表出している。果皮の厚いブルーベリーやブラックベリー、燻製肉の様な余韻を残していく。


生産者: カヴァロット
銘柄: バローロ ブリッコ ボスキス ヴィーニャ サン ジュゼッペ 2009

16000円、WA90pt
外観はガーネット、粘性は中庸。
ファーストノートはかなり強めのローストがかかった樽香を感じさせる。五香粉や深煎りのコーヒーの様なブルゴーニュにも通じる樽のニュアンス。その裏にイーストや塩気のあるドライシェリー、ブラックベリーなどの黒系果実のジャムを思わせる香りがある。クローヴやクミン、燻製肉の様な風味。薔薇の様な華やかさ、時折MLFの様なまろやかさが混じってくる。ストロベリーガムの様な甘やかさが出てくる。
こちらもタンニンや酸は滑らか。香りのロースト香とは裏腹に非常にキャッチーなオレンジとストロベリーとその梗を思わせるフレッシュな果実の余韻が広がっていく。
徐々に収斂性が目立ってくるが、かなりいい。


【所感】
まずはエルヴィオコーニョ。
相変わらずピュアで透明感のある香りのバローロ。ピノノワールにも通じるエレガンスがある。
赤系の果実が強調されるブルーノジャコーザにも近いタイプだと思います。
繊細な香りを放ちながら、ボディは堅牢で力強く、一見滑らかに見えるタンニンは収斂性に富んでいる。
薔薇やスミレのような華やかさがあり、赤系のクリアな果実味、オレンジの様な柑橘を思わせる酸の清涼感が伴う。そしてバローロによく見られるイーストの香りがある。樽の感じはあまり無いかもしれない。ついで生肉を思わせる旨味、ハーブの芳香が感じられる。
香りはさすがに物凄い良いですが、やはり収斂性が高いですね、これはやっぱり落ち着くのに時間がかかりそう。
キャッチーな側面がありながら、やはりバローロって感じですね。
次のカヴァロットはかなり個性的な印象を受けますね。
というのも、大樽で熟成していながら、かなりロースト香の影響を強く感じるワインとなっています。
五香粉や深煎りのコーヒーのニュアンスがまず前面に来て、その奥にイーストやドライシェリーなどの塩気を感じる要素が現れる。黒系果実のジャムやMLFの影響も強く感じられます。香りからかなり高級感が漂うバローロ。
凝縮感もグリセリン感もあり申し分無い。タッチは滑らかながら、タンニンの収斂性は高い、こちらは熟成を待って落ち着くしか無いかもしれません。
いずれもタイプは違いますが、相当良いと思います。
タンニンは...ランゲの肉料理で抑えていきましょう!

【ピエモンテ:14】プルノットのスタンダードライン バルバレスコ 2011を利く。

こんにちは、HKOです。
以前ピエモンテの特集をやった時に載せ忘れたのが1件あったので更新します。
プルノットのスタンダードなバルバレスコです。


【データ】
プルノットは1923年にランゲワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買取り、自身の名前でワイナリーを設立しています。拠点はモンフォルテダルバ。1956年の引退以降は醸造家ペッペ コッラ氏に引き継がれ、更に1989年にアンティノリに引き継がれています。畑の概念を早くに導入した生産者でもあります。
アンティノリに引き継がれて以降は優良畑「ブッシア」をはじめ、バルバレスコにも畑を買い増し、自社畑を少しずつ増やしています。
醸造に関しても、1999年には老朽化したセラーを最新の温度管理機能を備えた施設に一新し、発酵用のタンクは、古いコンクリート製のものから、ステンレス製に変更。熟成用の樽はバリックを採用しながら、スロベニアンオークの大樽もより小さい5,000~7,500リットルサイズへ変更しています。


【テイスティングコメント】
生産者: プルノット
銘柄: バルバレスコ 2011
品種: ネッビオーロ100%

外観は透明度の高い赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
古典的なバルバレスコの作りではあるものの、ブルーベリーやブラックベリーの黒系小果実の果実味と、薔薇やスミレの華やかな赤い花の香りが突出。エナメルリムーバー、それと共にイーストの香りが感じられる。多少グリニッシュでクローヴなどの要素も。燻製した肉や鉄観音、ベニヤ板。
かなり果皮の香りが強く出ており、合わせてタニック、旨味が強く表出している。酸は分厚く、旨味が強く、タンニンはかなり収斂性が高い。抜栓直後は比較的飲みやすいが、時間を置くとやや飲みにくいバルバレスコ。


【所感】
実はこの時あまり体調が宜しくなく、咳をするだけで地獄の苦しみを味わうというやな感じになってたのですが、よくもまあテイスティングコメント取れたもんだ...
そんな感じで、プルノットのバルバレスコですが印象としては結構トラディショナルな感じがしますね。華やかで繊細なネッビオーロといった感じで。
基本的にドライで、甘みやローストの要素が少なくてブルゴーニュ的な色の濃淡のワインだと思います。
ただ時間を置いて、少し参加した時に、かなりタンニンと酸が出てくるので、そうなった時は飲みにくいですね、流石に...トラディショナルの宿命的なところはあるのかもしれませんが。
わかりやすいですが、タイミングによっては飲みにくいワインだと思います。


■横浜のレストランで。


熟成パルマ ディ プロシュート



カプレーゼ



カルパッチョ



タラバガニのトマトソース



ビステッカ ディ フィオレンティーナ(Tボーンステーキ)




【ピエモンテ: 13】バローロ伝統派生産者、変わらぬ思想と伝統の現在

こんにちは、HKOです。
昨日の革新派バローロに引き続き本日は伝統派バローロの代表的生産者をレポートします。
今回はジャコモ コンテルノ、アルド コンテルノ、ジュセッペ マスカレッロです。(※ブルーノ ジャコーザは過去記事をご参照くださいませ)


【データ】
ジャコモ コンテルノは1908年に創始者のジョヴァンニ コンテルノによって設立されたワイナリー。最も伝統的なバローロ生産者とも言われています。
現在は3代目のロベルト コンテルノが指揮を取っています。長期間の果皮の浸漬と、巨大なスラヴォニアン・オーク(大樽)での所有している自社畑はバローロ地区の南東部、西南西向きの標高約500mにある石灰混じりの畑、カッシーナ・フランチャ。
収穫は手摘み。収穫の段階でフラッグシップであるモンフォルティーノに使用するブドウを選別しています。
ブドウの収穫後は100%除梗した後、ステンレス製の発酵タンクで自然発酵、温度調節も行わない。果皮の浸漬は5週間にも及び、マロラクティック発酵後、ワインはガルベロット社製のスラヴォニアン オークの巨大な旧樽で、リゼルヴァは最低7年間、カッシーナ フランチャは4年間熟成されます。

アルド コンテルノは、1969年にジャコモ コンテルノから独立した、ジョバンニ コンテルノ氏の弟のワイナリー。モンフォルテ ダルバに拠点を置いています。今や本家ジャコモ コンテルノに勝るに劣らない評価を受けています。
拠点を置くモンフォルテ ダルバ村は非常に冷涼で、標高は480m。土壌はディアーノ砂岩と呼ばれる茶黄色の土壌と重い土壌が中心で力強いワインを産出します。収量は低めに抑え、ブドウを収穫。
圧搾はほとんど圧力をかけず、発酵は荒いタンニンを抑制する為、最新のコンピューター制御が可能な発酵槽で温度を管理をしながら、短めに行われます。スラヴォニアン・オークの大樽で2~3年間の熟成。バリックは使用しません。今回はブッシアの中の樹齢約65年のクリュ「チカラ」熟成は、大樽にて36ヶ月間行った後、瓶熟12ヶ月間を経てリリースされます。

ジュゼッペ マスカレッロはジュゼッペ・マスカレッロ1世が1881年にモンフォルテ ダルバに設立した老舗ワイナリー。現在の当主は3代目のマウロ マスカレッロ氏。
ヴィレッロ、ブリッコ、サント・ステファノ・ディ・ベルノなど、いくつも畑を所有していますが、最も銘醸畑と名高いのは 96%が石灰質の単一畑モンプリヴァート。
熟成は伝統的ながら一部近代的ない手法も取り入れており、ブドウの樹や土を入れ替え。グリーンハーベストを行い1ha当り6~6.5tという低収量での収穫などを行っています。熟度の高いブドウを手摘みで収穫。基準に達しないブドウは使用しません。
また1970年からは畑ごとの醸造も開始しています。
今回のバローロ モンプリヴァートは優良ヴィンテージでのみ瓶詰めされるワイン。基準未満のクオリティと判断されたヴィンテージはネッビオーロ・ランゲとして販売されます。セメントタンクとステンレスタンクで発酵、20日~25日マセラシオン、MLFの後、スラヴォニアンオーク(大樽)で38カ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: アルド コンテルノ
銘柄: バローロ ブッシア チカラ 2006

20000円、WA94pt
外観は澄んだ淡いガーネット、粘性は中庸。
フレッシュかつ、やや果皮の影響が感じられるダークチェリーやブルーベリーの様な果実味、イーストや薔薇の香り、みずみずしい茎や葉、ほのかにグレープフルーツ、黒砂糖の様な甘さや凝縮感が感じられる。
その中に全体に行き渡る様な鉄分や血液の様なニュアンス、クローヴ、ほのかに鉄観音や井草の様な風味などの要素が感じられる。
フレッシュで輪郭がはっきりとしたバローロ。旨味も充実している。
タンニンは継ぎ目がなく、酸味がやや旨味と共に際立っている。薔薇や旨味の強いプラムなどに違い戻し香の行き渡り方を感じる。


生産者: ジャコモ コンテルノ
銘柄: バローロ カッシーナ フランチャ 2005

28000円、WA95pt
外観は澄んだ淡いガーネット、粘性は中庸。
ピノノワールの様な極めて繊細でピュアなネッビオーロ。血や鉄分の様な香りと共に、タイムや、フレッシュなダークチェリーやブルーベリーの様な果実味、オレンジの様な清涼感、薔薇の様な華やかさが感じられる。なめし革やローズヒップティー。クローヴ、フレッシュハーブの様な多少青い香りが感じられる。ごく僅かに井草の要素があるが、基本的には旨味に満ちたピュアな果実味が主体。凝縮感はかなり強く、高度にバランスが取れている。
タンニンは強固だが、なめらか。酸は生き生きとしており、強い旨味を伴っている。薔薇や藁、茎の戻し香と共にプラムやブドウの果皮の余韻が長く続いていく。


生産者: ジュゼッペ マスカレッロ
銘柄: バローロ モンプリヴァート 2005

28000円、WA94pt
外観はカッシーナフランチャと比べると、少し淡いガーネット、粘性は中庸。
最もトラディショナルに違いバローロのスタイルでイーストや藁の様なアロマと共に、極めてプラムやアプリコットを思わせる酸味と旨味のバランスが取れた果実味が最も強く感じられる。上白糖や薔薇のドライフラワー、焼きたてのパン ド ミ、生肉、鉄観音などの乾いた葉の要素、そしてスパイシーなジンジャーブレッドやクローヴの様な要素が感じられる。
酸とタンニンは共に力強いがバランスが取れている。
ジンジャーブレッドや果皮、干したプラムを思わせる戻し香。余韻は長く極めてよく出来ている。


【所感】
マルケージなどの生産者を伝統的と考えると幾つかパターンがある様な気がしています。
果実が瑞々しいタイプはブルーノジャコーザ、ジャコモコンテルノ、エルヴィオ コーニョ。
濃密でイーストや藁の香りが漂うタイプはジュゼッペ マスカレッロやフラチェスコ リナルディなど。
その間にアルドコンテルノがいる感じです。
そんな感じで一口に伝統派と言ってもかなり味わいに差異があるわけですが、共通してどちらも果実の本来の第一アロマや第二アロマがメインで、第三アロマは控えめだという点です。酵母とか果実本来の香りですね。
これが明らかに強く、フラワリーで酵母が目立つ香りが出てくると、そんな感じです。

ちなみにジャコモコンテルノとアルドコンテルノを比較するとなかなか違いがあって面白いですね。
アルド コンテルノはしっかりと果皮の色付きがあるのに、どちらかというと酸味が優勢、黒系果実のネットリとした甘さが特徴的。
ジャコモコンテルノは色調はアルドコンテルノと比べるとわずかに淡く(本当にごく僅か)、香りはピノノワールの様に繊細なのに、タンニンが圧倒的に優勢で、血や鉄分の風合いが強い。ヴォーヌロマネ的なエキス感、凝縮感に強靭なタンニンを乗せたとかそういう感じ。
マセラシオンの期間が長いのに色付きかやや薄いっていうのも変な話ですが、プレスにもよるので、まあそんなもんなんでしょうね。
極めてピュアで妖艶なネッビオーロですが、簡単に手を出すと、そのタンニンでしっぺ返し食らいますよ、と。
アルドコンテルノはその点、誘惑する様な妖艶さはないんですけど、ちゃんと甘いタンニンや黒砂糖の様なアロマがあって、バランス良く、イメージ通りの良いワインを演出していると思います。若いヴィンテージ飲むとこっちも厳しいんですがね、2005年が最初の飲み頃っぽい様な気がします。
ジュゼッペ マスカレッロは個人的には典型的なバローロを最上のクオリティで実現させている様な印象ですね。
酵母的なニュアンスとスロヴェニアンオークのニュアンスが前に出ていて、そのなかに旨味たっぷりのプラムやアプリコット、フラワリーなニュアンスがある様な気がしています。上白糖の様な強い甘さもありますし、まあ大筋キャッチーですし、上質ですね。多分しっかりと熟成もしてくれるものだと思います。複雑ですし。

伝統派と革新派を飲み比べると、やっぱり醸造的な要素ははっきりと出るものなんですね。
根本の品種特性は変わりませんが、受ける第一印象が全く違います。熟成によって醸造的要素が削ぎ落とされる事によって似通ってくるとは思いますが、ファーストインプレッションって大切だなぁと思うわけですね。
素っぴんが好きか、バッチリ化粧をした方が良いか好き好きって感じとなんか似てますね。






プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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