【カリフォルニア:60】キスラー ヴィンヤーズ テイスティング(Part2:赤)

こんにちは、HKOです。
本日はキスラーの赤となります。どうぞ。



【データ】
キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを算出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。除梗は100%。発酵には100%自然酵母を使用している。
醸造工程はそれぞれ異っている。

◾︎シャルドネ
マックレアヴィンヤードはソノママウンテンの12haの石灰岩と火山岩の混じった畑。MFLを行いフレンチオーク新樽50%旧樽50%で11-18ヶ月熟成を行う。
ダットンランチはソノマカウンティの中心部に位置する創立当初から存在する畑。
ストーンフラットヴィンヤードは2005年初リリース。カーネロス西側に位置する川から流れてきた丸い石が沢山存在する冷涼な畑。

◾︎ピノノワール
キスラーヴィンヤードは1979年から所有する自社畑、キスラー・ヴィンヤードは山の尾根の上に位置しています。
一方に海、他方にルシアン・リヴァー・ヴァレーを臨むこの畑の土壌は砂岩を中心にした構成。
キュヴェ ナタリー シルヴァーベルトヴィンヤードは2006年からリリースされているキスラーのトップキュヴェの一つ。
キュヴェ名の「ナタリー」は、スティーヴ・キスラー氏の三女の名前。隆起した赤い、鉄と砂利の混じった土という特異な土壌の畑。

他にフラッグシップはキュヴェ キャスリーン キスラーヴィンヤード (Ch100%)、キュヴェ キャサリン オクシデンタル ステーション ヴィンヤード (PN100% 現在はオキシデンタル)、キュヴェ エリザベス ボデガ ヘッドランズ ヴィンヤード(PN100% 現在はオキシデンタル) が存在する。

オキシデンタル ワインズはキスラーのスティーブキスラーが、2013年にソノマコーストでスタートした新プロジェクト。
使用する畑はオキシデンタル ステーション ヴィンヤードとボデガ ヘッドランズ、SWKヴィンヤードの3畑のみ。
フラッグシップのSWKヴィンヤードは同名畑の単一、キュヴェ エリザベスはボデガ ヘッドランズ、キュヴェ キャサリンはオキシデンタル ステーション ヴィンヤードの単一畑。ソノマコーストはこの2つのキュヴェのアッサンブラージュ。収量は30hl/ha、厳密なグリーンハーヴェストか行われ、収穫は夜間に行われます。除梗はせず、天然酵母を使用して全房発酵。ピジャージュは最低限に。新樽25%、MLF後5ヶ月熟成後無濾過無清澄で瓶詰めされます。




【所感】
生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: キスラーヴィンヤード ソノマ コースト ピノノワール 2014

スパイシーさがありつつも洗練されたピノノワールとなった。瑞々しい果実味に加え、今回はMLFは控えめに、抽出は強め。華やかさと凝縮感を伴う作り。
熟したストロベリーやダークチェリーの様な黒系、赤系果実のジャムの様な果実味、スミレや鉄分を感じさせる華やかさ、そして茎の様な青い風味。多少キャンディ香。
の様なフレッシュさがある。鉄観音や焼いたゴム、ドライフラワー。燻製肉、ユーカリ、シナモンの様な要素。
酸味と共に心地よい旨味と鉄分、青さ、いちごの様な甘い果実の余韻が広がる。タンニンはかなり控えめで滑らか。
ほのかに余韻に苦味がある。


生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: キュヴェ ナタリー シルバーベルト ヴィンヤード ピノノワール 2014

ソノマコーストの果実味をより強くし、MLFの要素も感じさせる。バランス感として上白糖やシロップを思わせる果実味の甘露さにミルクティーの要素を主軸にしながらも華やかさも豊かになっている、全房らしさもありながら、すこしその部分は落ち着いている。
スミレや鉄分の様な強い華やかさを軸に、上白糖の様な甘露さを持ったジャムの様な熟したストロベリーやダークチェリーの果実味。パウンドケーキやバニラ、ほのかな土の要素。
ユーカリやシナモン、そしてクローヴなどの要素も感じさせる。
果実味は新世界的だが、全体を見るとブルゴーニュの中でも上位に近い様な作りをしている。樽は控えめながら、房や抽出は近いものがある。
豊かな酸味とタンニンがある。果実の凝縮感に富んでいて果皮の華やかさと共にダークチェリーやパウンドケーキの様な甘やかさの余韻を感じる。苦味は少ないが、酸味のエッジがすこし経っている。


生産者: オキシデンタル(キスラーヴィンヤーズ)
銘柄: SWKヴィンヤード ピノノワール 2013

樽香。そしてスミレ、なめし皮を思わせる華やかさを軸にしながら、ナタリーにも感じられる強い果実の凝縮感、甘露さを感じさせる。青さはナタリーより感じる。
シガーやコーヒー、ゴムの様な樽香、海苔の様な樽香、そして鉄やなめし皮の様な強靭な華やかさ、オイリーさを主軸に、厚みのあるダークチェリー、ブラックベリーの様な果実味が感じられる。キャラメルトフィーやメイプルシロップの様な甘露さが徐々に現れる。そして茎の様なニュアンス。
生肉、ユーカリ、そして、シナモンやクローヴの様なニュアンスが感じられる。
果実味や樽、抽出は新世界的。かなり強めに作られていて、ブルゴーニュ感は青さからしか感じ取れない。
この中だと最も凝縮感に富む。
酸味豊かでタンニンも強めになっている。やや酸味の方が立っているか。スミレの様な華やかさ、ダークチェリーの様な果実味、引き締まった酸があり、余韻は長い。苦味も控えめ。



【所感】
やはりキスラーのピノノワールは素晴らしい。
シャルドネが素晴らしいのは当然として、ピノノワールもカリフォルニア最高峰と言っても過言では無いくらいにはレベルが高い。
今回はフラッグシップ中心。
キスラーヴィンヤード、そしてキュヴェナタリー、オキシデンタルですからね、超豪華。
まず共通して感じられるのがストロベリーを中心とするキュートな赤系果実の果実味ですね。これがキュヴェごとに厚さに差分はありながら共通しています。そして抽出の華やかさですかね。
これらが中心となります。
大体のキュヴェごとの特徴を言うと、キスラーヴィンヤードは
果実味が瑞々しく、華やかさ、鉄分が目立った形となります。
果実の熟度が他のキュヴェに比べると控えめで、やや青さも感じます。除梗は100%なので何故か、というところはあるのですが、茎の様な、ハーブの要素が目立っています。
果実味の方向性的にはカリフォルニア的ですが、この中では最もバランス感でいうとブルゴーニュ的です。

その点キュヴェナタリーはより全体の印象がシルキーに、甘露さを感じさせるものとなっています。果実味の方向性は変わりませんが、熟度が高いからか甘露な香りを放っています。
そこにキスラーヴィンヤードに控えめだったマロラクティック発酵の特徴がより強く出ています。
恐らく、この要素が前面に出る事でシルキーさが演出されているのではないかと。こちらも樽は控えめ。バニラやパウンドケーキを思わせる。蕩ける様な風味。
口当たりも香りと近しいものがありますが、やや酸が立っている印象。

オキシデンタルは端的にナタリーのボディを強化させた様な印象。タンニンと樽が強く感じられ、堅牢さが増しています。
果実味の甘露さはほぼ同程度。華やかさはより鉄分寄りになり鞣し革的。したがって受ける印象は黒系果実。樽も非常に強くシガーやコーヒーの様な焦げ香をよく感じます。
それと果実味の甘露な香りと混ざり合いキャラメルトフィーやメイプルシロップの様なニュアンスにも発展します。
全体的にカリフォルニアでよく見るタイプで強い体躯のワインです。そういう意味でいうとキスラーヴィンヤードと比べると大分違いがある様な気がしています。

個人的な好みとしてはキスラーの良さが最大限に感じられるキュヴェナタリーでしょうかね。
SWKヴィンヤードはやや強めの様な気がする。
いかにも豪華な感じはあるんすけどね。バランスも良く美味しいのですが、僕的にはこのナタリー推しです。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キスラー ピノ・ノワール キスラー・ヴィンヤード 2006 750ml
価格:19980円(税込、送料別) (2017/6/4時点)









【カリフォルニア:59】キスラー ヴィンヤーズ テイスティング(Part1:白)

こんにちは、HKOです。
本日はキスラーの白です。


【データ】
キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを算出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。除梗は100%。発酵には100%自然酵母を使用している。
醸造工程はそれぞれ異っている。

◾︎シャルドネ
マックレアヴィンヤードはソノママウンテンの12haの石灰岩と火山岩の混じった畑。MFLを行いフレンチオーク新樽50%旧樽50%で11-18ヶ月熟成を行う。
ダットンランチはソノマカウンティの中心部に位置する創立当初から存在する畑。
ストーンフラットヴィンヤードは2005年初リリース。カーネロス西側に位置する川から流れてきた丸い石が沢山存在する冷涼な畑。

◾︎ピノノワール
キスラーヴィンヤードは1979年から所有する自社畑、キスラー・ヴィンヤードは山の尾根の上に位置しています。
一方に海、他方にルシアン・リヴァー・ヴァレーを臨むこの畑の土壌は砂岩を中心にした構成。
キュヴェ ナタリー シルヴァーベルトヴィンヤードは2006年からリリースされているキスラーのトップキュヴェの一つ。
キュヴェ名の「ナタリー」は、スティーヴ・キスラー氏の三女の名前。隆起した赤い、鉄と砂利の混じった土という特異な土壌の畑。

他にフラッグシップはキュヴェ キャスリーン キスラーヴィンヤード (Ch100%)、キュヴェ キャサリン オクシデンタル ステーション ヴィンヤード (PN100% 現在はオキシデンタル)、キュヴェ エリザベス ボデガ ヘッドランズ ヴィンヤード(PN100% 現在はオキシデンタル) が存在する。

オキシデンタル ワインズはキスラーのスティーブキスラーが、2013年にソノマコーストでスタートした新プロジェクト。
使用する畑はオキシデンタル ステーション ヴィンヤードとボデガ ヘッドランズ、SWKヴィンヤードの3畑のみ。
フラッグシップのSWKヴィンヤードは同名畑の単一、キュヴェ エリザベスはボデガ ヘッドランズ、キュヴェ キャサリンはオキシデンタル ステーション ヴィンヤードの単一畑。ソノマコーストはこの2つのキュヴェのアッサンブラージュ。収量は30hl/ha、厳密なグリーンハーヴェストか行われ、収穫は夜間に行われます。除梗はせず、天然酵母を使用して全房発酵。ピジャージュは最低限に。新樽25%、MLF後5ヶ月熟成後無濾過無清澄で瓶詰めされます。




【テイスティングコメント】
生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: マックレア ヴィンヤード シャルドネ 2014

外観は淡いイエローで粘性は中程度。
引き締まった凝縮感のある甘露な果実味を強く感じるシャルドネ。果実味、酸、MLFのバランスが良い。
上白糖の様な甘露さを感じさせる甘やかさとラムネの様な酸味を感じさせる果実味、メイプルシロップがあり、シトラスや洋梨のコンポートの様な果実味がある。
酸味を感じさせるアロマがあるが、蜜の様な甘い香りを伴います。バニラや白い花、はちみつの様なアロマがあります。多少スパイシーさを感じる。
樽の要素はあまり前に出ておらず、ほのかにローストナッツを感じる程度。
しっかりした酸はあるが滑らかで、広がる旨味とシロップや洋梨の様な余韻を感じさせる。余韻の苦味は控えめ。


生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: ダットンランチ ソノマコースト シャルドネ 2014

外観は淡いイエローで粘性は中程度。
シャープかつミネラリーな体躯と酸を持つシャルドネ。
砕いた石の様なミネラル感にシトラスやレモンなどの酸味を感じさせる果実味があるが、徐々に温州みかんの様な甘露さが現れてくる。引き締まった冷涼な作りとなっていて、有塩バター、そしてローストナッツの様な樽香。
そしてドライハーブの様な香りが感じられる。
比較的樽とMLFは強く感じられる。
酸はこの中だと最も強くシャープ。柑橘やチョーキーな余韻を残す。バターや洋梨の様な甘い果実味と厚みもある。
冷涼だが完成度は高い。


生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: ストーンフラット ヴィンヤード シャルドネ 2014

外観は淡いイエローで粘性は中程度。
豊かな樽香と広がりのあるボリューム感を感じさせる果実味のシャルドネ。いかにもニューワールド的なワイン。
オイリーなミネラル感も感じられる。
コーヒーやモカの様な苦味を想起させる豪華な樽香とトースト、そして煮詰めた洋梨や黄桃の果実味を感じる。そしてバターの様な厚み、ドライハーブ。 徐々にブリオッシュやドライハーブ。ほのかにラムネの様なシトラスも感じる。
かなり強い樽香があるが、果実味にもボリューム感がある為、よくバランスが取れている。
酸は豊かだが厚みがある。モカや洋梨、ブリオッシュの様なふくよかな余韻があり、旨味もしっかりと広がってくる。ミネラル感もあるが、ふくよかな含み香が主体的。



【所感】
本日は白になります。
キスラー白のラベルは相変わらず風格があってカッコいいですよねえ。ブルゴーニュみたいで。モンラッシェみたいで。
今回はマックレアとダットンランチ、ストーンフラットの3種類。
この中ではストーンフラットが、気候的には冷涼な様ですが、最も冷ややかなタッチを感じるのはダットンランチでした。逆にストーンフラットはふくよかで、マックレアは引き締まった凝縮感があります。一番高級感を感じるのはマックレアですね。マックレアとストーンフラットはなんとなく近しいところを感じるのですか、ダットンランチだけ少し方向性が異なる様な気がします。
ストーンフラットとマックレアは果実味が強いのに対して、ダットンランチはやや冷涼でミネラルが先に来る感じです。
時間が経つと近しい方向性に収束していくのですが、スタートの出だしに差異がありますね。

マックレアはこの中ではブルゴーニュに近く、引き締まった酸と豊かな果実味があります。安納芋の様なほっこりとした果実味とメイプルシロップ感はニューワールドですが、全体のバランスはもっともそれに近いと感じました。軸はメイプルシロップとシトラス、洋梨のニュアンス。バニラやハチミツの要素。樽の要素は程よく突出しているという感じではないですね。クリーンというわけではないですが、樽が程よく溶け込んだ絶妙な1本です。

対して樽が強めに感じるのが、このストーンフラット。
のっけから樽の強いロースト、トースト香が前に出ています。そこと分離した形で感じるニューワールドの王道的な豊かな果実味。酸味がひかえめでボリューム感を感じさせるアレです。洋梨や黄桃、そしてブリオッシュ。
感覚としてはこの中でもっともリッチでふくよかな体躯をしています。これはこれでニューワールドの典型としてよくバランスが取れています。(※とはいえそれにしては焦げ香が強い様な気がしますが)
マックレアがブルゴーニュファンと親和性が高いだとするならば、こちらはパーカーポイント高得点を叩き出しそうなワインになっています。


そしてそれらと方向性を異にするのがダットンランチで、唯一鋭角的なタッチを持つワインになっています。
ミネラルと酸が良く目立つワインで、果実味はレモンやシトラスなどの柑橘を中心としています。あと樽香もローストナッツの様な要素がはっきりとありますね。MLFもあります。
キリッと引き締まった体躯のワインとなっています。
MLFはワインの中の酒石酸とリンゴ酸を消費して乳酸に転化するので、かなりMLF前は酸味がかなりあったんじゃないかな...
現状でもやや酸味は強いです。
とはいえブルゴーニュの中においては平均的な酸味では有るんですけどね。比較するとシャープさ感じるなと。
とはいえ時間経過でミカンの様な甘露さも出るので、一概に冷涼とは言い切れないんですが、他の果実味の強さを考えると、やっぱりそう感じてしまいましたね。
このワイン、けっして冷涼な地域から出来ているわけではないので、タイミングによってボリュームが跳ねる可能性も無きにしもあらず。ボトル差という可能性も。
ただ個人的な所感としてはそんな印象でした。












【南アフリカ:10】ザ サディ ファミリー ワインズ Part.2 レッドワイン

こんにちは、HKOです。
本日はサディ ファミリーの続きです。



【データ】
ザ サディ ファミリー ワインズは南アフリカにおける最上の生産者。当主はイーベン・サディ氏。10代の頃から15年間ヨーロッパのワイナリーで修業、スパイスルートで醸造責任者を担当。1998年にスワートランドに自身のワイナリーを設立しています。
今回のワインは赤はソルダード、ポフェイダー、コルメラ。
ソルダードはウエスタンケープ、ピーケニアスクルーフの標高700mの畑から産出。冷涼な東向き斜面の花崗岩土壌。
グルナッシュ単一品種。
ポフェイダーはスワートランド カステルバーグ西の畑から産出。土壌は粘板岩と分解頁岩。
コルメラはスワートランドのバードバーグ、カステルバーグ、マルムズバリー、ピケットバーグの高い標高から産出されたシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルを使用。解放樽で発酵後、プレス。8区画ごとにフレンチオークで12カ月発酵。新樽10%程度。
白はスカーフバーグ、スケルピオン、パラディウスの3種類。
スカーフバーグはオリファンリヴァー スカーフバーグ斜面より産出。土壌は石が混ざった砂質で、標高は高く海に近い乾燥した地域。古樽で12カ月熟成の後ブレンド。
スケルピオンはスワートランドの西海岸から産出。土壌はチョークと石灰岩。乾燥した地域。樹齢60年。古樽で熟成。
パラディウスはパードバーグ、花崗岩質の13区画と、砂質土壌の4区画に植えられた計9品種から産出。
選果しながら収穫、圧搾は伝統的なバスケットプレス。卵型のコンクリートタンク、アンフォラ、古い木樽に入れられ発酵~24か月間熟成。
フラッグシップは無灌漑の古樹のみから造られるローヌブレンドのコルメラと、独自アッサンブラージュのパラディウス。


【テイスティングコメント】
生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: ソルダード 2015
品種: グルナッシュ100%

獣香香るラムネのような果実味と華やかでありながら突出したシャトーヌフに酷似。
レッドカラントやラズベリーなどの甘酸っぱい果実味と共に、やや強めの獣香、生肉の様なニュアンスが感じられる。イースト、花の蜜の様な甘い香り。甘草やジンジャーブレッドなどのスパイシーさ。瑞々しいスミレやユーカリの様なほのかな青さが統合して感じられる。
ほのかにユーカリや茎の様な青さを感じる。
酸もタンニンもやや控えめで、甘酸っぱい果実の風味と獣香の余韻を感じられるが、やや短め。
ボディとしては低めでやや水っぽさを感じてしまう。


生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: ポフェイダー 2015
品種:サンソー 100%

外観は明るいルビーで粘性は中庸。
極めて華やか。蜜のような果実味があるフレッシュなキャンディ香。ニュージーランドのピノノワール(あるいはボージョレ)に酷似。
フレッシュなイチゴやラズベリーの果実味があり、非常に甘露。フレッシュなキャンディ香。砂糖漬けのスミレが主軸になっている。ややエナメルリムーバーの様なアルコール感を感じる。
そしてブリオッシュや鉄観音の様な樽香。ユーカリやベーコンの様な香りも感じられる。赤リンゴ、リコリスの様な風味。比較的クリーンなタッチ。
酸もタンニンもしっかりと感じられ、甘みを包含し立体感を感じさせる。特に酸がやや強めで、甘みを帯びているので心地よい。そして含み香は生のスミレの様な華やかさ。



生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: コルメラ 2014
品種:シラー、ムールヴェードル、グルナッシュ

やや濃いめのガーネットで粘性は中庸。
凝縮した果実味、樽の効いた比較的強めのロースト香。
複雑かつ繊細、凝縮した果実味はカリピノ的な体躯を思わせる。(キスラーにも似ているかも)傑出している。グリセリン感すら感じさせる果実味。
イチゴやダークチェリーのコンポートの様な果実味、バターやミルクポーションの様なまろやかさ。焼けたゴムや黒糖の様な樽香、ブリオッシュなどの風味が感じられる。
甘露さとMLFをしっかりと主張しながら重くならない様に相当気を使われている。そこにスミレや赤い花の華やかさ、シダーウッドの様な清涼感、スパイシーなパストラミハムが相乗する。ユーカリやクローヴの様なほのかな青さも複雑さを助長している。
タンニンは柔らかく、酸もシルキー。立体感もあり、厚みを感じる。コーヒーやチョコレート、ダークチェリー、昆布の含み香を感じる。めちゃうま。



【所感】
本日はサディ ファミリーの赤です。
赤もバリエーション豊かで、3種類とも方向性が異なっている様に思えました。
ソルダードはシャトーヌフにも近いスタイルのワイン、ポフェイダーはややそこから洗練されてニュージーランドのクリーンなピノノワール。そしてコルメラはカリフォルニアのハイクオリティのピノノワールを思わせる作りでした。
共通して感じるのは各々の品種、グルナッシュ、サンソー、シラー、ムールヴェードルから連想される味わいからは離れた冷涼で凝縮感を重視した作りになっています。
過剰な重さ、ボリューム感は無く、いい意味で削ぎ落とされたスタイリッシュなワインが作られています。
その最もたるはコルメラ。モダンで豊かな果実味と巧みな醸造を感じ取れる秀作になっていると感じました。

ではソルダードから。
先述した通りタイプとしてはロジェ サボンやボーカステルを思わせる香りの要素や輪郭を感じますが、それらより冷たく冷ややかで、華やかさをやや強めに感じ取れるものとなっています。線の細さはガメイとかそこらへんに近いんですが、結構獣香があるので、そこでしょうか。
全体的によく出来ていると思うのですが、かなり線が細い、というか凝縮感に欠けるので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

次にポフェイダー。
明るいタッチのキュートな果実味が魅力的ですね。
若々しいキャンディ香とフレッシュやイチゴやラズベリー、砂糖漬けのスミレなど華やかさとフレッシュさを前面に感じる作りですね。樽も目立っておらず、むき出しのピュアな果実を感じる作りです。サンソーはピノタージュの交配元という部分で、あまりこういった印象が少ないワインになっていますが、かなりフレッシュさによったサンソーになっています。そういう意味でいうとプロヴァンスのロゼあたりに感覚としては近いのかなとも。
ワインの骨格もしっかりとしていて、華やかさに満ちた素晴らしいワインになっています。

最後はコルメラ。
個人的にはこれらのワインの中で最も完成度が高く、世界基準の品質で見ても高い方に含まれる様な気がしています。
非の付けどころが殆どない優秀なワインになっています。
タイプとしてはキスラーに似ていると思います。
甘くフレッシュな赤系果実の果実味と、マロラクティック発酵的なミルクの様な甘露な要素、ブリオッシュや黒糖、スミレの様な華やかさと上質なピノノワールの要素が揃っている。ただスパイシーさはシラーとかグルナッシュから感じられる部分がそのままですね。全体的にはグルナッシュ色の方が強いかも。
グルナッシュではラヤスやアンリボノーあたりは自然派ピノの要素を感じる事もありましたが、このモダンなスタイルは珍しいですね。スペインの冷涼なグルナッシュともまた違うし、ローヌブレンドでこれは結構珍しいんじゃないかと思います。
素晴らしいワインでした。

全体的に言うと、優れたワインも非常に多いですが、全てのポートフォリオが優れている、と言うわけではない様です。
それはどんな生産者にも言える事なのですが(例えばマルゴーのサードとか、優れた生産者のACブルだとか)裾物はそれなり、最上級が如何に素晴らしいかで語られる事が多いと思います。この生産者もそうなのかな、と思います。
手放しですべてが優秀、と言うわけではないのですが、良かったです。

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ザ・サディ・ファミリー / ポフェイダー [2015]【赤ワイン】
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【南アフリカ:9】ザ サディ ファミリー ワインズ Part.1 ホワイトワイン

本日は南アフリカ最高の生産者イーベンサディ率いるザ サディ ファミリー ワインズのテイスティングです。
全体のポートフォリオとしては白はスカーフバーグ、スケルピオン、フラッグシップのパラディウス。赤はソルダード、ポフェイダー、トレインスプール、フラッグシップのコルメラがあります。
今回はトレインスプールを除いた全種類となります。



【データ】
ザ サディ ファミリー ワインズは南アフリカにおける最上の生産者。当主はイーベン・サディ氏。10代の頃から15年間ヨーロッパのワイナリーで修業、スパイスルートで醸造責任者を担当。1998年にスワートランドに自身のワイナリーを設立しています。
今回のワインは赤はソルダード、ポフェイダー、コルメラ。
ソルダードはウエスタンケープ、ピーケニアスクルーフの標高700mの畑から産出。冷涼な東向き斜面の花崗岩土壌。
グルナッシュ単一品種。
ポフェイダーはスワートランド カステルバーグ西の畑から産出。土壌は粘板岩と分解頁岩。
コルメラはスワートランドのバードバーグ、カステルバーグ、マルムズバリー、ピケットバーグの高い標高から産出されたシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルを使用。解放樽で発酵後、プレス。8区画ごとにフレンチオークで12カ月発酵。新樽10%程度。
白はスカーフバーグ、スケルピオン、パラディウスの3種類。
スカーフバーグはオリファンリヴァー スカーフバーグ斜面より産出。土壌は石が混ざった砂質で、標高は高く海に近い乾燥した地域。古樽で12カ月熟成の後ブレンド。
スケルピオンはスワートランドの西海岸から産出。土壌はチョークと石灰岩。乾燥した地域。樹齢60年。古樽で熟成。
パラディウスはパードバーグ、花崗岩質の13区画と、砂質土壌の4区画に植えられた計9品種から産出。
選果しながら収穫、圧搾は伝統的なバスケットプレス。卵型のコンクリートタンク、アンフォラ、古い木樽に入れられ発酵~24か月間熟成。
フラッグシップは無灌漑の古樹のみから造られるローヌブレンドのコルメラと、独自アッサンブラージュのパラディウス。


【テイスティングコメント】
生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: スカーフバーグ 205
品種:シュナンブラン100%

外観は透明感のあるストローイエロー、粘性は中庸。
王道的シュナンブラン。多少穀物的かつ非常に甘露。オイリーかつクリーンな質感のワイン。
熟した黄桃やアプリコットの様な果実味があり、そこに小石を感じさせるミネラル感を感じさせる。麦、フレッシュハーブや蜜蝋、白胡椒の様なスパイス感を感じさせる。イーストの様な風合いがある。
酸とボディの厚みも潤沢で、ハチミツや上白糖の様や含み香、黄桃の様なニュアンスの余韻を感じさせる。
余韻自体はあまり長くないが、旨味があり、心地よい味わいが尾をひく。



生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: スケルピオン 2015
品種: シュナンブラン50%、バロミノ フィノ 50%

外観は透明感のあるストローイエロー、粘性は中庸。
より蜜の香りとオイリーさが強く、穀物の香りはやや控えめになっている。こちらもクリーンな質感。
より鮮明な輪郭。
白桃や洋梨の香りと共に、オイリーな油分の香り。フレッシュ感に満ちている。ナッツや白胡椒、アスパラガスの様な香りを感じさせる。白い花の香り。重いスカーフバーグと比べると軽妙。
酸味は感じられるが柔らかく、やや薄めに感じられる。
厚みも控えめで、さわやかでフレッシュな白桃のフレッシュな余韻を残す。



生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: パラディウス 2014
品種:シュナンブラン、グルナッシュブラン、クレレット、ヴィオニエ、ルーサンヌ

ほのかな辛子の様な香りと濃密な上白糖、引き締まったミネラル感を感じさせる。
上白糖、白桃やシトラスの様な果実味があり、そこに複雑な辛子やクレイ、石灰の様な強靭なミネラル感を感じさせる。ややブランデーの様な甘露さでヘーゼルナッツやバターの様な感じもある。白胡椒やブリオッシュ、ハチミツの様な要素がある。
酸味、ボディ共に申し分なく、アタックのはっきりした酸と厚みのある甘露さを感じさせる。伸びに物足りなさを感じるが、ニューワールド的で、白桃や上白糖の甘い含み香が素晴らしい。



【所感】
本日は白ですね。シュナンブラン単一のスカーフバーグ、バロミノ フィノとのアッサンブラージュのスケルピオン、シュナンブランに南仏品種を加えたパラディウス。
全体的に余韻は短めではあるのですが、どのキュヴェもかなり手堅く作られています。シュナンブランの王道を行くスカーフバーグ、オイリーさと果実の香りが目立つスケルピオン、そして南部ローヌ、あるいはニューワールド的な側面が強いパラディウスと比較的バリエーションが豊かに感じられました。
スカーフバーグは先述した通り、南アのシュナンブランの王道ともいうべき作り。果実味豊かで穀物的。クリーンな質感があります。
核種系の果実、はちみつをベースに穀物や蜜蝋、ミネラルを綺麗に感じさせます。ボディにも不足感はなく、クリーンで洗練されたワインになっています。
余韻は短いですが、旨味豊かで完成度は高いです。
次にスケルピオン。
この中では厚みが控えめで、やや薄めのワインに感じられました。
香りこそシュナンブランの穀物を抑えミネラル、蜜の香り、白胡椒を押し出していて複雑。されど、厚みにバランスの悪さを感じました。
スカーフバーグの厚みと対照的で、多少の物足りなさを感じるキュヴェに感じました。
最後にパラディウスですが、これは流石というか、前述2本と比べると完成度に大きな違いを感じました。
独特の辛子のような複雑な香りに上白糖のような凝縮した果実味と引き締まったミネラル感を感じます。
これはMLF的な要素もあり、さながらブランデーにも似たアタッキーかつ甘露で滑らかなタッチがあります。ニューワールド的でわかりやすくしっかりと作られたワインです。こちらも余韻は少し物足りませんが、十分に及第点クラスの味わいだと思います。

どれも土壌の構成に即した作りになっていると思います。
一部薄さを感じたり、余韻の部分に違和感を残す部分はありますが、基本的にはとてもレベルの高い南アのワインになっているかと。

ただやはりその本懐は赤。そうコルメラを飲んで感じました。
続きは次回。



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【チリ:2】コンチャイトロ、サンライズ ブリュット

こんにちは、HKOです。
本日はコンチャイトロのそこらへんで売ってるスパークリングです。
ネタ切れ感半端ないですね!

今回のは大分昔に飲んだ事がある銘柄で今飲んでみたらどうなんだろうな、という観点で飲んでみました。


生産者: コンチャイトロ
銘柄: サンライズ ブリュット NV

外観は透明に近い淡いイエローで粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
レモンやライチなどの溌剌とした果実味と共に、豊かなハチミツの様なキャッチーな芳香が感じられる。フレッシュなハーブ、塩ビ、リコリスやパイナップルの様な厚みのある酸が感じられる。
良くも悪くもデイリーのニューワールド的で、親しみやすくはあるが、複雑さや洗練さはあまり感じられない。
ザックリとした酸と、果実の厚みが感じられ、レモンを思わせる余韻を残す。


少し荒い気もしますが、一般的に売っているスパークリングでは、まあ平準的かもしれません。
決して美味しくないわけではなく、さりとて飲めないわけでもなく...
無ければ十分楽しめるものだとは思います。
レストランで出すには脳死だと思いますが、家飲みには十分かと思います。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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