バロン フィリップと巡る2。新世界探訪、アルマヴィーヴァ(チリ)

こんばんわ。
昨日に引き続き、バロン フィリップのジョイントベンチャーを追います。
今回はチリのマイポヴァレー。現地の大手ワインメーカー(フラッグシップはドン メルチョー)であるコンチャ イ トロとムートン ロスチャイルドのジョイントベンチャー、アルマヴィーヴァです。栽培は手摘みによる収穫を実施。選果台にて丁寧に選果除梗された後、破砕。グラビディフローを行う。低温発酵後、17ヶ月フレンチオーク新樽熟成、卵白による清澄。瓶詰め出荷となります。

前回もそうでしたが、どうやらBPdRはジョイントベンチャーの際に土着品種を混ぜるのが好きらしく...オーパスワンはマルベックを、アルマヴィーヴァはカルメネールをボルドー品種にアッセンブラージュしてます。
それによってムートンとは微妙に(アルマヴィーヴァは僅かじゃないですが)異なった味わいを作り出しています。

さて、所感。やっぱ改めてボルドーとは違うよなあと。


生産者: コンチャ イ トロ × バロン フィリップ ロスチャイルド
銘柄: アルマヴィーヴァ 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン73%、カルメネール22%、カベルネフラン4%、メルロー1%

約13000円、WA93(2007)
オーヴァチュアと比べると、これでもかという位、新世界的な作り。強烈な凝縮感と太陽を感じる。甘やかで、充実した酸味の強い果実の風味。
外観は暗いガーネット、粘性は高い。新世界のカベルネソーヴィニヨンの王道的な作り。
ガムの様なブラックベリー、ドライアプリコットの濃厚で重厚な果実味が全面に押し出されている。ローストした木材、黒檀、スミレ、タバコ、燻製肉、ユーカリの影に隠れてほのかな西洋杉の焦げる芳香、グローヴなど。
タンニンも酸味も生き生きとしており強固な骨格と豊満なボディを感じる。やや一辺倒に見えるが、太陽を素直に映し出した良いカベルネソーヴィニヨンだと思う。



カベルネソーヴィニヨンもそうですが、何よりもカルメネールの主張がなかなか強い。
一般的にボルドーに感じられる酸味とは全く趣が異なる、フルーティな酸、そしてカベルネソーヴィニヨンに所以する強固なタンニンが全体に漲っている。また品格を感じるオーヴァチュアやムートンの果実味と比べると、若干下品にも感じられる豊満で厚みのある果実味が特徴的。いわゆるチリの太陽を感じるスタイル。
ただこのワインはそれだけ終わらない。あくまで溌剌とした酸味、強固なタンニン、濃厚な果実味を主軸にしつつ、控え目ながらボルドーに所以する西洋杉やミントのニュアンスを複数包含している。芸が細かいのは多分ボルドー譲りなんだろうか。
一見、豊満で厚みのある典型的なチリのワインだが、さすがバロンフィリップ、コンチャ イ トロ。単純では終わらない作りの確かさがある。とても美味しいチリカベ。

とはいえこのワイン、レバノンのエクシールと良く似てるんだよな...アルマヴィーヴァが当然ネタ元でしょうが、コストを考えると...ううーん。


CPに優れた可愛らしいピノノワール。コノスル スパークリング ロゼ

こんにちわ。今回はみんな大好き、コノスルです。
コノスルといえばチリにおいて超高品質の、特にピノノワールとカベルネ、カルメネールのスティルワインが有名ですが、今ひとつ地味ながらコストパフォーマンスが高いものが、まだあります。

スパークリングです。
一つはシャルドネ、ピノノワール、リースリングのブリュット。
もうひとつはこのピノノワール100%のロゼです。
価格は共に1600円。シャンパーニュであれば安くとも3倍はします。
もちろんシャンパーニュの独特の香味は気候条件、土壌的に出ませんが、こと美味さに絞れば、下手なシャンパーニュを遥かに凌ぐキャッチーさがあると思います。シャンパーニュの様な2次発酵を瓶内でするわけでは無く、タンク内で2次発酵するシャルマ方式。短期間で生産可能なのと、大量生産、保管費用の削減により安いコストで生産可能です。スキンコンタクトで香味の抽出を行っています。色調からして、多分セニエ方式でロゼにしている...はず。多分。

個人的にはボトルと色調のピンクが絶妙で可愛らしくていいですね。女性にも受けそうなので女子会とかにもいいかもしれませんね。


生産者: コノスル
銘柄: コノスル スパークリング ロゼ
品種: ピノノワール 100%

価格は約1600円。
色調は淡いピンク。泡は穏やか。
アメリカンチェリーやライム、僅かにピノの果皮に表れる赤い花のニュアンス。
果実原初の甘やかさ、溌剌とした酸味があり、心地よい。
やっぱりコノスルスパークリングは1000円台としては至宝。


コメントが短いのはさして複雑な要素が無いという所です。
ただキャッチーはキャッチーでとてもシンプルで美味しいので是非見かけたら買ってみてください。
ちゃんとピノノワールの香味もしっかりあります。

ポムロールのシンデレラワインを想起させるモンテスのカルメネール


こんばんわ。
このブログは本質的にはワインブログです。別段ラーメンかどうとかクダをまくブログでは断じてありません。

さて、今回のはモンテスのプレミアムラインのパープルエンジェルです。
モンテスはチリの中でも特筆すべき高い品質を持ち、フラッグシップは常にパーカーポイント90点以上をキープする優れたワイナリーです。
価格帯も1000円台のモンテスクラシック、2000円台のモンテスアルファ、土着品種を使ったパープルエンジェル(5000円台)、シラー主体のフォーリー(7000円台)、フラッグシップのボルドーブレンドであるアルファエム(9000円台)と幅が広く、どれも高品質なので、なかなかお得なのではないでしょうか。

今回はチリの代表品種、カルメネールを使ったパープルエンジェルです。ちなみにカルネメールはメルロやカベルネ以上に遅熟で、日照条件が
すこぶる良くないと失敗する品種です。(早熟で難しいピノとは逆ですね)


生産者: モンテス
銘柄: パープルエンジェル 2007

品種: カルメネール 92%、プティヴェルト 8%
パーカーポイント94点、価格はだいたい6000円くらい。
ラベルがとっても優美。
カルネメールはチリの代表品種だが、やはりボルドーに近い芳香が目立つ。生産者の方向性だろうか。
黒に近い紫の色調、粘性は非常に高い。昨日のドンメルチョーと比較して、よりインキーで重々しい印象。あくまで新世界的な濃厚な造りではあるものの、甘やかな果実味やや抑え気味。タバコや強くローストした西洋杉、ミント、そして完熟した果皮の厚いプラムやブルーベリーの果実味を感じられる。鉛筆の芯、芍薬も。甘草も感じる。ややスパイシー。
かなりしっかりしたタンニンがあり、収斂性は高いが、つさやや強めの酸味と合間ってよくバランスが取れていると思う。なかなかスキの無いワインだな。
ちょっとポムロールのワインに似ているかもしれない。

全くボルドー系国際品種に負けない品種でしたね。
いや、マルベックとかカルメネールはそもそも結構好きだったのですが、ポテンシャルがやたらと高い。
ブラインドで飲んだら意外とポムロールかチリかで悩んじゃうかもしれない。
ドンメルチョーよりややインキーですが、十分甘やかで濃厚な美味しいワインでした。正直5000円台の品質では無いなぁ。
これポムロールだったら倍はするよ。

コンチャイトロのフラッグシップ、ドン メルチョー2006

こんばんわ。
もうふた月もブログをやっているのに、チリは一度も取り上げた事がありませんでした。あれれおかしいな。
ちなみに、ここ最近でもたまに飲んではいるのですが、酒としてサッと飲んでしまうので、テイスティングまでしてないケースが多いです。
タマヤエステイツのカベルネやディ マルティノ レゼルブのシャルドネとかね...安くて美味いとガブ飲みしちゃって良くないですなぁ。

で、今日の晩酌は弟から貰ったコンチャ イ トロのフラッグシップ、ドンメルチョー。カッシェル デル ディアブロとかサンライズとか販売してる、チリのグランメゾンです。


生産者: コンチャ イ トロ
銘柄: ドン メルチョー カベルネソーヴィニヨン 2006

コンチャ イ トロのフラッグシップワイン、ドン メルチョー。
....とてつもなく美味い。正直あまり期待していなかったのだが、なかなかにボルドー的でありつつ、チリっぽい甘やかさもあって品質が極めて高い。そう、オーパスワンに近いニュアンス。
クレーム ド カシスや熟したブラックベリー、プラムの黒系果実のジャミーで濃厚な甘やかさ、西洋杉や焼き栗、バニラ、ロースト香などの樽香を中心に、甘草、ピーマンやミントの余韻。
チリとしては卓抜したエレガントさ。豊満でパワフルながらボルドーが持つフィネスを感じられる。
バランスでいうと果実味が強いがこれはこれで個性として非常に優れていると思う。
タンニンも新世界の割には穏やかで酸も柔らかい。ここらへんの舌触りもボルドー的で、新世界を残すのは黒い果実の甘やかさか。
同じく同価格帯でチリのフラッグシップであるアルマヴィーヴァやモンテスアルファMと比べても非常によく出来たカベルネソーヴィニヨン。すごい。



チリは基本的に美味しいワインは多いのですが、タニックで甘やか、濃くて樽がガッツリ効いているものばかりで、基本的に想像の域を出るものはあまり多くないです。
それに比べてドンメルチョーは極めてボルドー的。お国柄のジャミーな果実味に加えて複雑さ、上品さをも内包している、卓抜した品質だと思います。
ボルドーの良さと新世界の良さを見事に併せ持った素晴らしいワインだと思います。
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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