【ジュラ・ラングドック: 1】低価格かつ高品質、生産者に頭が上がらないラングドック3本



こんにちは、HKOです。
本日はラングドックルーションの話題の生産者のワイン3本です。
ラングドック最高峰の生産者マス ジュリアン、そしてバデ クレマンの作るレ ジャメルのシャルドネとピノノワール。
残念ながらうち一本(ジャメルのピノノワール)はあまり状態としては芳しくなかったんですが、一応メモ程度に書いてあります。
少なくとも思っていたタイプのピノノワールではない事ははっきりしていたので。

マス ジュリアンは1985年に設立されたオリヴィエ ジュリアン氏率いるラングドック地方モンペリエに拠点を置くのドメーヌ。ラングドック最高の生産者のうちの一人とも言われています。
畑の保有面積は15ha。収量は極めて低く30hl/ha。栽培はビオディナミの手法を一部取り入れ、収穫は手摘みで行われます。
醸造はラングドックの伝統的な手法で醸造が行われます。フラッグシップはテラス ド ラルザック。

レ ジャメルはメルヴィン マスターとローラン ドロネーがラングドックでネゴシアンスタイルで作るヴァン ド ペイ ブランド。
ピノノワールの年間生産量は3000本、収量は50hl/ha。
平均樹齢10年のピノノワールの若木から機械収穫する。開口式のステンレスタンクにて10数日間マセラシオン、約8日間の発酵を実施。ステンレスタンク75%オーク新樽25%にて平均9ヶ月間熟成する。
シャルドネは年間生産量は3000本、収量は60hl/ha。平均樹齢20年のシャルドネから機械収穫。約3週間のステンレスタンクにてアルコール発酵、ステンレスタンク65%、オーク新樽35%にて、マロラクティック発酵を行いながら平均9ヶ月間行われる。

ではいってみましょう!


生産者: レ ジャメル
銘柄: シャルドネ 2011

1500円
外観はやや濃いめのイエローで、粘性は高め。
しっかりと熟したシャルドネ。製法こそ異なるもののシャトーアンデリーナに近い果実味の味わいが感じられる。少なくともコートドールのシャルドネではない。
第一印象はリコリスなどのハーブ、白い花、バターやヘーゼルナッツの要素、そしてメロン、洋梨やトロピカルフルーツの果実味がある。ほのかにバニラや核種系の蜜の様な甘露さが感じられる。
マロラクティック発酵や樽が強烈にきいている訳でも、果実味爆弾という訳でも、かといってシャープすぎるわけでもない、いい意味でフランスらしい抑制の効いたシャルドネ。とはいえスタイルは新世界に近い様子。
酸味は繊細で柔らかく、切り立った様な部分はなく、メロンや洋梨、バターの充実したアフターが広がる。


生産者: レ ジャメル
銘柄: ピノノワール 2011

1500円
状態が悪かったのか、抜栓直後からかなり酸化していた。
ドライフルーツの様な果実味が感じられ、ピノノワールというよりスペインのグルナッシュやシラーの様なタイプのワインだと感じた。ピノノワールの繊細さは感じられなかった。


生産者 マス ジュリアン
銘柄: コトー デュ ラングドック テラス ド ラルザック 2009
品種: カリニャン、ムールヴェードル中心。グルナッシュとシラーが少々。

3800円、WA95pt(2008)
外観は濃い目のガーネットで粘性は高い。
第一印象は濃厚で豊かな果実味と僅かなスパイシーさを感じる。
熟したブラックベリーやプルーンの果実味。黒胡椒やナツメグ、スミレの風味、ややトースト、西洋杉、チョコレートのニュアンス。
果実味が豊かでどっしりとした味わいを想定するが、実際は酸が豊かで広域に伸びていく様な味わいがある。
酸味は比較的豊かで、タンニンは程よい滑らかさがある。ブラックベリーやプルーンの果皮の風味が残る。


まずはあまり状態のあまりよろしくなかったジャメルのピノノワール。
基本的には過度に酸化したニュアンスがあり(合成樹脂コルクなのですが...)ちょっとしっかりとテイスティングはできていないのですが、いわゆる官能的なピノノワールではない事は確かなようです。
ニュージーランドやオーストラリア、ブルゴーニュの様な冷涼なタイプではないし、カリフォルニアやチリともまた違った果実味があって、まあ、極端な話、いかにも南仏からスペインあたりにありそうなグルナッシュっぽい味わいのワインだと感じました。
状態の良いものであっても、多分ここは変わらんのじゃないかな、と思います。
対して、シャルドネはとても良くできていると思います。
こちらもニューワールド的な感じではあるのですが、良い意味で抑制された品のあるシャルドネだと思います。
十分に果実味があり、それでいてハーブや白い花、そして樽やマロラクティック発酵とまろやかなニュアンスがはっきりと感じられます。しかしカリフォルニアのシャルドネの様に完全にマロラクティック発酵を経て酸やハーブ香を失っている訳ではなく、またシャープすぎる訳でもない、とても均整のとれたバランスの良いシャルドネではないかと。
タイプはカリフォルニアシャルドネに近いのですが、どこかこの均整の取れた体躯はコートドールのシャルドネに通じるものがあると思います。味としては全然違うんですけどね。お得なシャルドネだと思います。

次、マスジュリアン。
まず驚きなのが、ワインアドヴォケイトのポイント。ポイント至上主義ではないのですが、流石に3000円代で90点台中盤は殆ど無く、かなり気になっていましたを92点くらいまではありますが、95点は正気の沙汰ではありませんからね...
実際飲んでみた感想としては、確かに点数なりだな、と感じました。
スペインのモナストレル的な味わいなのですが、特筆すべきは生き生きとした酸とスパイシーさ。大抵のこの手のワインは非常に甘露でタニック、引き締まった酸はないのですが、酸がしっかりと存在することで、濃厚さの中にはっきりとした芯が感じられます。
樽のニュアンスもあり、リッチな造りのワインだと感じました。
基本的にはスペインやオーストラリアなどのGSMが好きな人にオススメのワインではあるのですが、それだけに留まらない味わいがあります。

以上、ラングドックの3本でした。
1本ダメだったのは残念でした...うーん。
ただどれも価格帯を考えると大変お得。この中でも比較的お高めのマス ジュリアンでもこの価格ですからね...手には入りにくい様ですが...


※嫁のアクアパッツァと共に。




【フランスその他:1】フランスの新世界ラングドックルーションのグルナッシュと、冷涼なミディピレネーのモーザック。

こんばんわ、HKOです。

今日も今日とてデイリーワインでございます。地域はラングドックルーションからラ パッション グルナッシュ、リムーからトワベー エ オウモン。シュドウェストからイザティス ブランです。
協同組合多いですね。
有名な協同組合といえば、やはりシャブリにあるシャブリジェンヌ、バルバレスコにあるプロデュットゥーリ デル バルバレスコですかね。両方ともドメーヌものに全く引けを取らない素晴らしいワインを作っています。
協同組合といえば、なんとなく農協的なイメージがありますが、ワインのそれは画一的なではなく、より個性に溢れたスタイルになっています。

イザティスはヴィネ ルラック協同組合が地元消費者の為に作るワイン。赤もあります。
ラ パッション グルナッシュはルーションのトータベロワーズ協同組合がモーリーという地区から作られたグルナッシュを購入して醸造しています。丁度スペイ
ンとの国境近くにある地域だそうです。

ジャン クロード マスはラングドックに拠点を置く、新鋭生産者。
現在は安旨の帝王として様々な雑誌に特集されていますので、かなり定着した感があります。150haの自社畑、550haの契約畑を保有している大生産者でシャトーポールマス、クロード ヴァルなどの様々なポートフォリオを持っています。

さあ、行ってみましょう。


生産者: ヴィネ ルラック協同組合
銘柄:イザティス ブラン ヴァン ド ペイ コート デュ タルヌ 2010
品種:モーザック100%

外観はやや濃いめのイエローで、粘性はやや高め。
結構香り高く、清涼感がありながら力強さも感じられる香り。
赤リンゴやライムなどの溌剌とした果実味、フレッシュハーブや白い花の蜜の様な香りが徐々に現れる。
清涼感がありながら、アルコール度数12%としてはボディはなかなか強め。
口の中でシャープな酸と溌剌とした果実味が感じられる。


生産者: トータベロワーズ協同組合
銘柄: ラ パッション グルナッシュ 2011
品種: グルナッシュ100%

毎年納得の出来のラ パッション グルナッシュ。今年のヴィンテージも期待通りの果実味爆弾。ただスペインやニューワールドの様なローステッドな風味より、品のあるスパイスの香りが主軸となっている。
ドライプルーンやブラックベリーの様な濃厚な果実味が主体となり、クローヴやスミレ、溶剤、鉄釘、西洋杉、インクなど。
口当たりは香り同様豊満でボリューミーな果実味があり暑い気候を感じさせてくれる。
酸味は控えめ、タンニンは強いが果実味の豊かさ、甘さが強く前に現れており気にならない。滑らかでジャミーな味わいのワイン。

生産者: ジャン クロード マス
銘柄: トワベー エ オウモン 2011
品種: メルロー80%、シラー15%、カベルネソーヴィニヨン5%

外観は濃いガーネットで粘性は非常に高い。
果実味豊かなメルローの香りが主体的。新世界のグルナッシュと比較するとボリューム感や密度で見劣りする。
ただ一瞬ボルドーを想起させるような風味も感じられ、高級感はそこそこあると思う。
西洋杉やおがくず、やや果皮の厚めのブラックベリーやカシス、スモーキーなタバコやミント、甘草や漢方の様な香りも感じられる。
タニックで収斂性が強く、かつ酸味は強いが、口に含んだ時の果実味はとても豊かでボリューム感がある。ベリーの果実や花の香りが口内に広がる。


まずはイザティス。
コート デュ タルヌというAOCも、モーザックという品種も初体験。
ミディピレネー地域圏というと、マディランがある地域圏ですね。冷涼で多湿の気候でグロマンサン、プティマンサン、タナという品種が良くできるテロワール。日本とよく似ているとも言われます。
さて、件のモーザックですが、感覚的にはソーヴィニヨンブランっぽい。ただより酸味は強く、シャープ、かつ割としっかりしたボディがある。
不思議な感じ。意外とクリーム系の料理に合いそうな気がしますね。美味しいんですが、これといって特筆すべき所が無いワイン。特に意識せず飲むワインといった感じでしょうか。悪い所はないけども、感動もないなー。いや、美味しいんですが。
この地域だとブリュモンが美味しいので、その影に隠れてしまうワインですなあ。

次にラ パッション グルナッシュ。
いやー、ホントメチャクチャ美味いっすね。今年に限った事じゃないんですが、いつ飲んでもこの凝縮感と果実味。半端ない。
そんな感じで書くとポッテリとした濃厚なスペインのガルナッチャやオーストラリアのグルナッシュを想起させますが、その実、ジャミーな黒系果実を基本に起きつつローヌ寄りのスパイス、スミレの風味がしっかりとあり、フランスらしい品の良さを感じます。
ちゃんとバランスが取れていながら、これだけの凝縮感、恐れ入ります。
毎年本当にどうもありがとう。そんな気分になるワインですな。
地域は安旨の宝庫、ラングドック ルーション。フランスなのにニューワールドみたいなワインが出来る稀有な土地です。それはスペインに近いというのもあるんですが、とはいえこのフランスの懐の深さ。ほんとすげえな、と思います。

最後のジャン クロード マスは流石ですね。西友に卸しているメルローと確かに似たキャッチーさがあるのですが、より樽のニュアンスがしっかり出ていて高級感が感じられます。
ワインとしてのバランスはとても整っていますが、果実味としてはラ パッションの方が突出しています。ジャン クロード マスはワインが既に分かっている人が、より美味しいと感じられるワインかもしれません。


ラ・パッション・グルナッシュ 2011

ラ・パッション・グルナッシュ 2011
価格:1,239円(税込、送料別)

場繋ぎ的更新5:アランブリュモンの醸すちゃぶ台上のスーパースターのブリュモン ブラン。

おはようございます。
今日から勤務場所が変わって、早速ラッシュをお見舞いされてます。
勘弁してくれよ...

さて、今日も引き続き場繋ぎ的更新第5弾。デイリーワインを追って行きます。アランブリュモンのブリュモン ブランです。
アランブリュモンはガスコーニュ地方でタナとグロマンサンを使ったワインを作っています。フラッグシップはタナの名作シャトーモンテュスですが、今回のはデイリーラインの白。品種はソーヴィニヨンブランとグロマンサンの混醸です。
日本ではあまりお目にかからない品種ですが、ミディピレネー地方ではよく栽培されている、高温多湿に適した強いボディを持つワインが出来る葡萄です。

さあ、どうでしょうか。


生産者: アラン ブリュモン
銘柄: ブリュモン ブラン 2011
品種: グロ マンサン、ソーヴィニヨンブラン

価格は1200円くらい。
外観はやや黄金色に近いストローイエロー、粘性は高い。
香りとしてはややソーヴィニヨンブランの特徴が強く出ていて、青りんごやライチの爽やかな果実味や若草の風味が感じられる。清涼感を引き立たせる程度のミネラル、レモンバター、アスパラガスなど。果実味はなんとも爽やかで清涼感があるが、その実液体の密度は極めて高い。水っぽさはなく、口の中で粘性を感じさせるような液体の重さを感じさせる。
ソーヴィニヨンブランらしくオレンジを齧った様な強い酸味。ただ果実味と同期しているため、あまり厳しさを感じない。密度を保ったまま清涼感を表現した卓抜したワイン。


いや、このワインはかなり美味いです。そもそも私自身ソーヴィニヨンブランが好きで、割とロワールなどの産地のワインを贔屓してしまうのですが、このワインはそれに収まりつつ、軽くなりがちなソーヴィニヨンブランにグロ マンサンを混醸することで、ボディを強化している。これが素晴らしい。その粘度はローヌのマルサンヌやルーサンヌに近い。
爽やかな風味を持ちながら強烈な粘性を保持し、数日置いたくらいではヘタらない。
デイリーワインの鏡ですね...ホント。
リッチさや高級感のあるワインでは無いのですが、1:それなりに美味しく 2:飲み飽きない 3:しかも数日じゃヘタレないという、一人で飲む様にピッタリのデイリーワインじゃないかと。

これから夏を迎えるにあたって、この粘度はいささか暑苦しいかもしれませんが、キリッと冷やして飲むにはとても良いと思います。
唐揚げや天ぷらなどスーパーの惣菜にも合いますので、結構オススメです。



プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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