【シャンパーニュ】ドンペリニヨン 50年の軌跡(その軌跡)




こんにちは、HKOです。
最後にまとめです。色々な観点から着目してみたので、ぜひご覧ください。



【目次】
(1) 印象の要約
(2) ドンペリニヨン1955~2005の各主要素における変化
(3) 1995 Late disgorgementの影響
(4) 1966年ドンペリニヨンとモエ エ シャンドンの比較
(5) ヴィンテージについて
(6) グラス内の変化について
(7) ペアリングについて
(8)総評



(1) 印象の要約
・2005

樽香(モカ)>ナッツ(オイル)>MLF(バター)=果実味(洋梨のコンポート)
リッチな質感。ただし酸は少し緩め。ニューワールド的な側面がある。


・1995

MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ)>塩気>濡れた木材>酵母÷樽香(トースト)
酸と旨味が合わさり、厚みが出始める。


・1995 エノテーク

MLF(チーズ)=塩気+酵母(ナッツ)=果実味(柑橘)>樽香(モカ)>ドライハーブ
バランス感的には2005に近く、かつ非常に還元的。
酸や泡も強め。


・1995

MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ)>塩気>樽香(濡れた木材)>酵母÷樽香(トースト)
酸と旨味が合わさり、厚みが出始める。


・1985

MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ、カラメルトフィー)=塩気・旨味> 酵母+果実味+MLF(ブリオッシュ)>樽香(濡れた木材)>果実味(フルーツのコンポート)
旨味が突出し、各要素の統合もかなり強くなっている。


・ロゼ 1985

MLF(ミルク)+樽香(コーヒー)>樽香(濡れた木材)>果実味(フルーツのコンポート)>果皮(紅茶、獣香)>甘草
骨格は1985だが、果皮の熟成要素に起因するニュアンスが混ざり合う。泡や酸はシルキー。


・1975

樽香(濡れた木、茶葉)>塩気・旨味(シェリー) =MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ、カラメルトフィー)>果実味(白桃)
やや枯れたタッチ。ピークアウトし枯れたニュアンスと酸化的な要素が前に出始める。果実味はわずかに残る。


・1966

ヴィンテージが良かったのか、とても良好。
MLF+樽香+果実味+塩気・旨味(マディラ・ラムレーズン・バニラ)>塩気・旨味(シェリー)>樽香(濡れた木、茶葉)>果実味(アプリコット)
酸化的な要素は強いが、バランス的に果実味やMLFが同じくらい強いので枯れきった感じはない。余韻も長く良好。


・1955

樽香(鉄分+枯葉+焼き栗の皮)+酸化ニュアンス(ドライシェリー)+MLF(カマンベール)+果実味(ドライアプリコット)
一体化し複雑さという意味では減退しているし、酸化的な要素も極めて比重が大きい。ボディと立体感があるが、構成要素としては比較的シンプルになっている。


・1966 モエ エ シャンドン

酸化ニュアンス(コンソメ・羊肉・蜜蝋・鉄)>果実味(ドライアプリコット)>樽香(ココア)
酸化の要素が極めて支配的。ただ酸化要素がドンペリニヨンと全く異なる方向性となっている。



(2) ドンペリニヨン1955~2005の各主要素における変化
1:樽香の変化
樽香は比較的最後まで残るが変化がある。
モカやコーヒーから濡れた木、そして枯葉、焼き栗の皮。
進めば進むほど木材というか焦げた要素が主体的に感じられてくる。若い時も焦げを想起させるがどちらかというとロースト的。熟成後は炭に近い。焦げ(2005年~1985年)から木材(1985年~1975年)木材を残しながら炭のようなニュアンス(1975年~1955年)へ変化。


2:マロラクティック発酵によって精製された乳酸の変化
MLFは樽香ほど残らないが様々な要素と紐付きヴィンテージごとに違った側面を見せる。
2005年は単一のバターの要素として、95年、85年、75年は樽香と果実のニュアンスと紐付きクリームブリュレへ(ピークは85年)、85年は酵母と共にブリオッシュの要素も。66年は旨味とも紐付きマデイラやラムレーズンアイスクリームなどに。55年は酸化ニュアンスが主体的となり、ほぼ乳酸的な要素は感じられなくなった。


3:酸化ニュアンスの変化
酸化ニュアンスは経年毎に右肩上がり。
2005年にもわずかに感じられるが、1995年になると一気に旨味が増してくる。各10年毎の比較においても2005年から1995年の差分が参加の側面では最も大きい。
1985年は95年は2005年との差分と比べると旨味においては微増。75年はそもそも弱いからか、一気にシェリー的に。他の要素が弱いので特別強く感じる。66年はシェリー的な要素が強いが、他の要素も生きているので主体的とは言えない。55年はほぼ酸化ニュアンスに占められている。スープに近い。


4:果実味の変化
MLFと同様に様々な要素と影響しあってヴィンテージ毎に大きく変化している。
比較的フレッシュな果実本来の要素を残しているのは2005年と1995年エノテーク。そこからは甘露な香りを残しながらクリームブリュレに変化する(1995年~1975年)。旨味が主体的になるとその要素とも合わさる。(1966年)、1955はMLFが消えた影響でドライアプリコットを思わせるニュアンスとなっている。

様々な要素が有機的に変化しながらマージされておりヴィンテージ毎に一筋縄とはいかない変化を起こしている。
全ての要素が適度に残った上で一体化しているのがピークとするのであれば1985年だが、どの程度が適度かは人によって異なる為、ピークの定義は難しい。
旨味を中心とする場合1955だと思うが、若いニュアンスが好きなのであれば1995エノテークだろう。



(3) 1995 Late disgorgementの影響
端的に酸化の変化が限りなく抑えられています。
1995年とは思えないほど還元的で若々しい。
素の1995より2005年に近い。酸化の影響こそ少ないが熟成の影響はないわけではなく、果実味は引っ込み、酵母のニュアンスが支配的。旨味は95ほどではないにせよ、感じられるようにはなっている。徐々に甘露さが出てくるあたり還元状態だったのであろうが。
通常のドンペリニヨンとは全く異なる熟成の方向性の味わいになりそうだ。


(4) 1966年ドンペリニヨンとモエ エ シャンドンの比較
全く異なるシャンパーニュである事がわかる。
特に出来が良かったと思しき1966年同士の比較においては顕著で、モエ エ シャンドンはほぼ熟成起因のスパイシーさとコンソメを思わせるスープ感、ドライシェリー、樽の要素となるが(ただ決して薄くはない)、ドンペリニヨンは甘露さを軸に置きながら、樽やMLF、果実味などの各要素の結合が非常に素晴らしい。酸化しきっている前者と比べると、こちらは酸化しつつも、そもそもの要素が強固だから、ほぼ要素が生き残っている感じ。
モエ エ シャンドン 1966はどちらかといえばドンペリニヨンの1955年と近いか。


(5) ヴィンテージについて
ヴィンテージ毎の特性は下記の通り。
2005普 ドンペリニョン
1995良 ドンペリニョン
1985良 ドンペリニョン
1975良 ドンペリニョン
1966偉 ドンペリニョン
1955良 ドンペリニョン
1995良 ドンペリニョン エノテーク(現P2)
1985良 ドンペリニョン ヴィンテージ ロゼ
1966偉 モエシャンドン ブリュット(ハーフ)

今回良いと思った順序としては下記のような感じ。1985>1966>1995>1955>1995RD>2005
1985や1995は時期的に全ての要素がバランス良く整ったタイミングだと思うので、作柄というよりタイミングだと思うのですが、明らかに1966は異質でした。
熟成で枯れかけた1975と、熟成を終えてスープ苦手なっている1955の間で、変な話、若々しさがあり、ワインとしての形をしっかりと保っている。
1966が1975からの変化だと考えると、果実味とかが若々しすぎるんですよね。おそらく想定の1966と実情の1966の差分が作柄によって差分が出るものだと感じました。
ちなみに2005年はどうかというと平準的で、熟成の進み方はやや早いような気がするのですが、これもタイミングでかなり美味しく頂けました。
ただ後述しますがグラス内での足の速さは最も早かったようにも思えました。


(6) グラス内の変化について
熟成を進めば進むほどグラス内での変化は落ち着いているようにも見えます。
特に変化が大きかったのは2005と1995エノテーク。
2005は最初からかなり美味しく仕上がっていましたが、グラス内で時間を経過する度に果実味や香りが希薄になっていきました。逆に1995年は時間経過と共にそのポテンシャルが発揮、果実味も複雑さも経過によって生まれています。
恐らく2005は抜栓直後から適切な状態にあり、デコルジュをせず長期熟成をしている1995RDは、酸素不足で還元状態にあった為、適切な状態に戻るまで時間がかかったのでしょうか。
1985以前は基本的にはしばらく変わりません。1985には変化はありますが1995や2005ほどではない印象です。
熟成がゆっくりと酸化することによって変化するのであれば、酸化が進んでいるものの変化が少ないのは納得できます。ゼロではないんでしょうが、少なくとも遅いのではないかと。


(7) ペアリングについて
ちなみにペアリングも素晴らしく、メインどころだけで言うと、オマール海老とは塩気が程よく現れた95と絶妙に合致し、タルタルは牛肉の血とほのかな獣の風味と合致して、85ロゼが合いました。鱸に関してはバター風味が残る2005、1995エノテークなど比較的若いヴィンテージが合致し、お椀については出汁の風合いを思わせる1955あるいは1966と見事にペアリングしています。
これは磯の風味とシェリー系の風味との王道カップリングですね。
デセールは対象外だと思いますが、恐らく(既に空でしたが)2005年あたりと上手くあったんじゃないかと思います。
前菜も沢山あったのですが、ラングスティーヌと95エノテークのやや柑橘の効いたニュアンスがよく合っていたと思います。


(8)総評
あまり書くこともないんですが、以上となります。
個人的な主観で言うと完全に1966と1985が素晴らしかったですね。RDは少し時間がかかりそう、ポテンシャルはあるのですが。
今回長い期間の垂直でドンペリニヨンという偉大なワインを検証できたのは非常に良い経験になりました。
例えば直近の3ヴィンテージなどは結構機会がありましたが、作柄ごとの違いは分かれど、熟成の推移は分かりませんし、水平であればこれも結構機会がありましたけども、土壌の違いは分かれど、これまた熟成の推移がわかりません。
そういう意味で、1回でこれだけ経験はなかなかできないのではないかと。
大変勉強になりました。シャンパーニュの一つの基準・定点として体系化できたような気がします。
多分ね。


◾︎00年代




◾︎90年代




◾︎90年代 エノテーク




◾︎80年代
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◾︎80年代ロゼ




◾︎70年代
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◾︎60年代




◾︎50年代
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「ドリンク・食」の気になるニュース9月22日版

こんにちは、HKOです。
まだ少しネタは残っているのですが、いい加減ネタも尽きそうなんで、気になった食、ドリンクにまつわる最新のニュース、コラムをご紹介しようと思います。
これで毎日1回くらい更新できるといいなー。



【ニュース】
◾︎ジャスティンはカリフォルニア中部からボルドースタイルでやってきた(Wine What)
カリフォルニアで売れているジャスティン ヴィンヤードが日本に初上陸したそう。確かに3~4000円のレンジだとレストランでは9000~12000円。飛ぶ様に売れるかというと、なかなか難しそう。カリフォルニアは選択肢が多いので、フラッグシップに見向きはされどこのレンジはグラス売りが精一杯の様な気がする。


◾︎Tea and Terroir(wine enthusiast)
ニルギリ、大紅袍、白毫の特徴をボストンのレスポワールに所属するティーソムリエが解説する。
あまり細かく説明されない紅茶のテロワールと栽培方法を解説。


◾︎6 Top-Rated Italian Wines Under $25 (Wine Advocate)
ワインアドヴォケイトより25ドル以下のトップ6イタリアワインが選ばれています。キャバリエ バルトロメオのバローロやドゥエマーニのカベルネフランなど。


◾︎Hot Trends Brewing in America’s Beer Scene in 2017(wine enthusiast)
アメリカの2017年のビールシーンについて。
・ホップと共にモルトのバリエーションも注目されている。
・IPAは未だ人気。特にセッションIPAなど低アルコールのビールか注目を集めている。
・自家製ビールが過熱。
・フルーツビールも人気。
以上を鑑みるに今後は極少量生産のブティックビアの台頭が予期される一方で、消費者のニーズはよりカジュアルな方向に傾いている様です。むしろ一部のオタクが好んでいたクラフトビールが一般認知されカジュアルに楽しまれる様になったのかもしれません。裾野が広がったといいますか。


Warning Signs in Pink (Wine spectator)
「消費者は安くてピンク色のロゼであれば買う。」
販売量増加の裏には品質向上ではなく、単純なブームがあった。
確かにSNS全盛(特にインスタグラム)には生えるでしょうし、赤や白より気軽に飲める、買える価格帯のものが中心になっているので、今の時流にはあってるでしょうね。
生産者の拘りが気にされていないのは寂しいですが、まあそんなもんではないかと。


◾︎The Charm of Chenin Blanc from South Africa(wine enthusiast)
南アフリカのシュナンブランの魅力について
確かに高い酸度と南アフリカの熟しながら酸がしっかりと出るスタイルはあっているかもしれない。
また、南アフリカのシュナンブランを試す際に最適なワインも紹介。参考になります。
Cederberg Private Cellar 2015 Five Generations (Cederberg)
DeMorgenzon 2016 Reserve (Stellenbosch)
Fleur du Cap 2016 Unfiltered (Western Cape)
Nederburg 2016 Heritage Heroes The Anchorman (Western Cape)
Perdeberg Winery 2016 The Dry Land Collection Courageous Barrel Fermented (Paarl)
Spice Route 2016 Swartland
Spier 2016 21 Gables (Coastal Region)
Stellenrust 2016 52 Barrel Fermented (Stellenbosch)
Stellenrust 2015 51 Barrel Fermented (Stellenbosch)
Windmeul Kelder 2016 Reserve (Coastal Region)



◾︎東京駅ナカでイタリアの「食」を満喫! 新スポット『EATALY グランスタ丸の内店』に注目(dressing)
東京駅にイタリア食材のマーケットが開店。
600アイテムものパスタ、オリーブオイル、生ハム、ワインがある他、生パスタラボで作られたパスタも頂けるとのこと。
8月30日にオープン。


◾︎蜂の家 銀座本店の軍艦シュークリーム2kgのサイズ感がやべーらしい。
確かにヤバイ。デカイ。胸焼けしそう。











【シャンパーニュ】ドンペリニヨン 50年の軌跡(ある人生)

こんにちは、HKOです。
最後は50年の中で、姿を変えたロゼとモエエシャンドンをレポートします。


【データ】
(ワイン会資料より)
「シャンパンの祖」と言われる修道士ドン・ピエール・ペリニヨンの偉業を受け継ぐ最高のシャンパーニュ。ドン・ピエール・ペリニヨンは気候的に厳しいシャンパーニュ地方での赤ワイン醸造はブルゴーニュ地方にはかなわないと思っていました。当時のシャンパーニュ地方は赤ワインの産地のため黒ブドウが多く栽培されておりましたが、フランスのブドウ栽培地の北限で安定したブドウが収獲出来ませんでした。そこで、畑ごとブドウの収穫時期を変えて別々に醸造し、黒ブドウから白ワインを造るようになりました。現在も様々な畑の白ブドウと黒ブドウをブレンドして造られているのは、ドン・ピエール・ペリニヨンの功績によるものです。
 ドンペリニョンの生産本数は恐らく数百万本近く(モエシャンドン・ブリュットは3000万本)、これはブルゴーニュの頂点の数々の数百~数千本と比べると遙かに多い本数となります。シャンパーニュの殆どは複数の畑の葡萄を混ぜ、そして瓶詰め後の二次発酵で泡が生まれ味が変わっていきます※。大量に生産しながらも、その味を未来を見据えてコントロールしているのが、シャンパーニュです。ブルゴーニュはテロワールによる自然の奇跡と呼べるのに対し、シャンパーニュは人類の英知の結晶と呼ぶ方もおります。
・セパージュ:ピノノワール・シャルドネ(比率は非公開、恐らく半々に近いバランス)
・ドンペリニョン・ロゼは1959がファーストヴィンテージ
・1965年ビンテージは悪天候のため生産されませんでしたので、代わりに1966とさせていただいています。
※瓶内二次発酵を行うと関係した酵母の残骸がアミノ酸として自己分解しアミノ酸としてワインに残存します。スティルワインの世界では雑味成分として濾過清澄されますが瓶内二次発酵を経たシャンパーニュではそのままになります。さらに仕上げにドサージュ(糖分)が添加されます。このアミノ酸と残留糖分がメイラード反応と呼ばれる複雑にして基本ともなる旨味生成プロセスを引き起こします。



【テイスティングコメント】
銘柄: ドン ペリニヨン ロゼ 1985(経年32年)

色調は明るい橙を帯びた茶色
枯葉の様な風合いとクリームブリュレの統合。
枯れきった赤の要素を付加したクリームブリュレとも。
生乳分が強く、ミルクの様なニュアンスが前面に出ている。濡れた木やコーヒーのニュアンス、甘草など。
85をより赤のニュアンスで複雑にしたかの様なニュアンス。徐々に獣香も現れてくる。
しなやかな泡と厚みのある酸が素晴らしい。
クリームブリュレ、熟したリンゴやカスタードの様な余韻を残す。


銘柄: モエ エ シャンドン 1966(経年51年)

外観は濃いめの黄金、粘性は中庸。
ドサージュ優勢な香りがある。
スパイシーなタッチがあり、甘草やコンソメの様なニュアンスがあり、ドライシェリーの様な塩気がある。羊肉、蜜蝋、鉄の様なニュアンス。あんずの様な果実味がある。
泡こそないが、厚みのある酸がしっかりとありココアやコーヒーの様な余韻を感じさせる。ドンペリニヨンとは全く異なった。



【所感】
変わり種2本です。
ロゼと熟成したモエ エ シャンドン ヴィンテージ。
MCの1966なんて普通見ないですよね...
結論、ロゼは1985の面影は完全に残していて、1966のMCは完全に別物、といった感じです。
ロゼは最初ピノの枯れ感を強く感じたのですが、結論1985の流れをしっかりと汲んだ素晴らしいロゼだったかと思います。
MCはなんとも言えない独特の熟成をしていてハーフボトルというのもあり、質感は1955にも近い印象を受けました。
こちらに関しても次回最終回にまとめてレポートします。




◾︎80年代ロゼ



【シャンパーニュ】ドンペリニヨン 50年の軌跡(老年期)

こんにちは、HKOです。
次は老年期ともいうべき1966年、1955年です。
本当は中年期なんですけどね...そこは少しダサいので修正いたしております。
やや枯れ感が出始めた1975年からどう変わったのかレポートします。


【データ】
(ワイン会資料より)
「シャンパンの祖」と言われる修道士ドン・ピエール・ペリニヨンの偉業を受け継ぐ最高のシャンパーニュ。ドン・ピエール・ペリニヨンは気候的に厳しいシャンパーニュ地方での赤ワイン醸造はブルゴーニュ地方にはかなわないと思っていました。当時のシャンパーニュ地方は赤ワインの産地のため黒ブドウが多く栽培されておりましたが、フランスのブドウ栽培地の北限で安定したブドウが収獲出来ませんでした。そこで、畑ごとブドウの収穫時期を変えて別々に醸造し、黒ブドウから白ワインを造るようになりました。現在も様々な畑の白ブドウと黒ブドウをブレンドして造られているのは、ドン・ピエール・ペリニヨンの功績によるものです。
 ドンペリニョンの生産本数は恐らく数百万本近く(モエシャンドン・ブリュットは3000万本)、これはブルゴーニュの頂点の数々の数百~数千本と比べると遙かに多い本数となります。シャンパーニュの殆どは複数の畑の葡萄を混ぜ、そして瓶詰め後の二次発酵で泡が生まれ味が変わっていきます※。大量に生産しながらも、その味を未来を見据えてコントロールしているのが、シャンパーニュです。ブルゴーニュはテロワールによる自然の奇跡と呼べるのに対し、シャンパーニュは人類の英知の結晶と呼ぶ方もおります。
・セパージュ:ピノノワール・シャルドネ(比率は非公開、恐らく半々に近いバランス)
・ドンペリニョン・ロゼは1959がファーストヴィンテージ
・1965年ビンテージは悪天候のため生産されませんでしたので、代わりに1966とさせていただいています。
※瓶内二次発酵を行うと関係した酵母の残骸がアミノ酸として自己分解しアミノ酸としてワインに残存します。スティルワインの世界では雑味成分として濾過清澄されますが瓶内二次発酵を経たシャンパーニュではそのままになります。さらに仕上げにドサージュ(糖分)が添加されます。このアミノ酸と残留糖分がメイラード反応と呼ばれる複雑にして基本ともなる旨味生成プロセスを引き起こします。



【テイスティングコメント】
銘柄: ドン ペリニヨン 1966(経年51年)

外観は濃いめの黄金、粘性は中庸。泡はわずかに立ち上っている。
メイラード反応の極み。
ドライシェリー感は1955年より弱い。甘草とカラメル、ラムレーズンやバニラなどの要素。クリームブリュレ的なカスタード要素は無くなっている。しかしながら香りの甘露さは強く、甘い芳香。
マデイラをかけたアイスクリーム的な香り。
リンゴやアプリコットのドライフルーツのニュアンス。
滑らかに広がる旨味の奔流。出汁の様な旨味の厚みとシェリー系、ラムレーズンの様な余韻の長さを感じる。


銘柄: ドン ペリニヨン 1955(経年62年)

外観は濃いめの黄金、粘性は中庸。泡はわずかに立ち上っている。
全体的な一体感は非常に高い。
鉄分や焦げた枯葉、甘草のニュアンス、だが、非常に旨味があり力強くも感じる。抜けた感じが一切ない。ドライアプリコットの様な果実味、ドライシェリーや、カマンベールの皮の様な風味。旨味の層に厚みがある。ドライハーブなどのニュアンス。焼き栗の皮。
酸や泡はほぼなくなり、滑らかなスープの様な質感。
厚みのある旨味があり、あんずの様な余韻も長く素晴らしい。




【所感】
今回の所感も最終回にてまとめておりますので、もー少しお待ちくださいませ。
通常のドンペリニヨンとしては最後の記事になります。
1966と1955。1965はないらしいですね、そもそも。
50年、60年という非常に長い熟成を経て、もはや枯れきっているのだろうかと、75年を飲んでそう思ったのですが、ところがどっこい、66年がものすごくいい。
確かに熟成・酸化が進んでいるのは75年と比べても間違いないのですが、そもそもの果実のポテンシャルが高いのか、果実味の強さと熟成によって帯びた塩気とMLFのマッチングがラムレーズンのアイスクリームやマディラを思わせる風味が感じられる様になっています。
結論、第四のピークとも言える味わいとなっています。すごい。
55年も非常によく、それこそ酸化しきって旨味が前面に出ているスープやソースの様な濃厚さが感じられるんですよね。
こちらもその側面において素晴らしい熟成を経ていると思います。



◾︎60年代




◾︎50年代
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【シャンパーニュ】ドンペリニヨン 50年の軌跡(壮年期)

こんにちは、HKOです。
今回は壮年期ともいうべき1985と1975です。
2005年、1995年からどのように変わったのか。
それを追っていきたいと思います。


【データ】
(ワイン会資料より)
「シャンパンの祖」と言われる修道士ドン・ピエール・ペリニヨンの偉業を受け継ぐ最高のシャンパーニュ。ドン・ピエール・ペリニヨンは気候的に厳しいシャンパーニュ地方での赤ワイン醸造はブルゴーニュ地方にはかなわないと思っていました。当時のシャンパーニュ地方は赤ワインの産地のため黒ブドウが多く栽培されておりましたが、フランスのブドウ栽培地の北限で安定したブドウが収獲出来ませんでした。そこで、畑ごとブドウの収穫時期を変えて別々に醸造し、黒ブドウから白ワインを造るようになりました。現在も様々な畑の白ブドウと黒ブドウをブレンドして造られているのは、ドン・ピエール・ペリニヨンの功績によるものです。
 ドンペリニョンの生産本数は恐らく数百万本近く(モエシャンドン・ブリュットは3000万本)、これはブルゴーニュの頂点の数々の数百~数千本と比べると遙かに多い本数となります。シャンパーニュの殆どは複数の畑の葡萄を混ぜ、そして瓶詰め後の二次発酵で泡が生まれ味が変わっていきます※。大量に生産しながらも、その味を未来を見据えてコントロールしているのが、シャンパーニュです。ブルゴーニュはテロワールによる自然の奇跡と呼べるのに対し、シャンパーニュは人類の英知の結晶と呼ぶ方もおります。
・セパージュ:ピノノワール・シャルドネ(比率は非公開、恐らく半々に近いバランス)
・ドンペリニョン・ロゼは1959がファーストヴィンテージ
・1965年ビンテージは悪天候のため生産されませんでしたので、代わりに1966とさせていただいています。
※瓶内二次発酵を行うと関係した酵母の残骸がアミノ酸として自己分解しアミノ酸としてワインに残存します。スティルワインの世界では雑味成分として濾過清澄されますが瓶内二次発酵を経たシャンパーニュではそのままになります。さらに仕上げにドサージュ(糖分)が添加されます。このアミノ酸と残留糖分がメイラード反応と呼ばれる複雑にして基本ともなる旨味生成プロセスを引き起こします。



【テイスティングコメント】
銘柄: ドン ペリニヨン 1985(経年32年)

外観はやや黄金を帯びたイエロー。
この中ではピークと言うべき芳香と旨味。
完全にクリームブリュレ。やや強かった酸や旨味も丸みを帯びつつ、全ての要素が渾然一体となっている。
濡れた木材の中に白桃や洋梨の様なコンポートや上白糖の様なニュアンス。ブリオッシュの様な甘み、ドライハーブの様なニュアンスがある。ブランデーの様な焦がしたニュアンスも感じられる。カスタードクリームなどの風味。
まだまだ泡は生きている。きめ細やかな泡と厚みのある酸。繊細でベルベット的な感じ。
クリームブリュレやカスタードの様な余韻を残す。


銘柄: ドン ペリニヨン 1975(経年42年)

外観は濃いめの黄金。
やや痩せた質感で、抜けている。
濡れた木や乾いた茶葉の要素が主体的。クリームブリュレ的な側面で言うと80年代に近いが、基本的に要素が弱々しい。旨味は徐々に現れる。カスタードやブリオッシュ、ほのかにシェリー的な要素と出汁の中間的な要素を感じさせる。白桃の様な果実味が感じられる。濡れた木材など。
全体的に弱々しく酸も泡もしなやかで、旨味は十分にあるがタッチとしてやはひ弱めの印象がある。




【所感】
こちらも最終回にてまとめて所感をお伝えします。
白眉はやはり1985年でしょう。一般的に見た場合完全にピーク。頂点に近い位置にいる熟成だと思います。飲み頃ジャストミート。素晴らしいです。
対して1975年は....1985年の熟成の面影を残しつつも、やや体躯が弱い。少し痩せた質感になっています美味しいかと言えば、確かに美味しいんですが、明らかに熟成が優勢で、厚みも無くなっていて、他のヴィンテージと比べると見劣りします。
それらの所感も最後にまとめておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。


◾︎80年代
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◾︎70年代
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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